★★『カーニヴァル化する社会』鈴木謙介★★
社会学の新鋭論客・鈴木謙介氏による切り口も新しい現代の状況(もしくは気分?)を分析した書物である。しかしこれが観念的で中々難しい。よって、まずはその本の章ごとを自分なりに要点にまとめてみることにした。
①「やりたいこと」しかしたくないという若者の労働観。しかしその「やりたいこと」とは何か?“短期的でかつ暫定的な、一瞬の盛り上がりによってしか得られな . . . 本文を読む
<一人の読書好きから、古本文化を応援!>
先週の土曜日に明治大学で若い劇団の公演を観にいった時に、駅前に看板を見つけぶらりと古本屋に立ち寄ってみました。京王線の明大前で下車すると中途半端な駐輪スペースが見え、そこを駅前広場と呼べるのか呼べそうにもないのかそんなスペースがあります。
まず、どんと建っているマンションの横を直進します。
そしてその道は突き当たりますので、そこを右折します。
. . . 本文を読む
演劇実験室◎天井桟敷『邪宗門』(ブルースインターアクションズ)
昨日に続いて今日もまた、寺山修司が率いた天井桟敷の伝説の公演「邪宗門」を収録したCDを聴いています。とにかく緊張感がすごい、CDを聴いてこんな感覚になったのは久しぶりです。そしてあらためて思うのが、寺山演劇におけるJ・A・シーザーの存在の大きさです。音楽というものはどうしたってダイレクトに感情に訴えかえてくるもの、演劇にとってその要 . . . 本文を読む
演劇実験室◎天井桟敷『邪宗門』(ブルースインターアクションズ)
寺山修司の「邪宗門」はこれまで書いてきたように、今では伝説的な公演となっている。ボクは当時12歳、寺山の名前さえ知らなかった。1972年1月30日、この日に起こった演劇史上に残る公演については、寺山について書かれた本を読むことによってボク自身は想像するしかない。その様子を高取英氏の本から引用してみたい。
“渋谷での『邪宗門』上演 . . . 本文を読む
「邪宗門」(池の下2005年公演ビデオ)
先週の土曜日に寺山修司作、害獣芝居の「邪宗門」を観ました。「邪宗門」続きです。
さて、寺山修司の「邪宗門」といえば、伝説の公演として現代演劇の1ページに刻まれています。1972年1月30日渋谷公会堂で行わたそれは、“「『邪宗門』には殴りこみをかけた集団も来たし、人が死んでもおかしくないような雰囲気が渋谷公会堂に漂っていたね。アートと現実の境界線を越えた . . . 本文を読む
害獣芝居公演「邪宗門」
■日時:2007年3月24日(土)
■劇場:明治大学和泉校舎第一校舎地下005
■作 :寺山修司
■演出・構成:浅沼ゆりあ
■出演:天田礼子、尾杉悠、後藤剛範、他
先日観た劇団・池の下による「中国の不思議な役人」の公演時に折り込まれていた害獣芝居「邪宗門」のチラシ。どうやら明治大学の学生が卒業を機に旗揚げした劇団のようです。これからやっていくぞとの意気込みなのかお披露目 . . . 本文を読む
<一人の読書好きから、古本文化を応援!>
京王井の頭線・浜田山駅を下車すると左手にBOOK・OFFが見えます。突き当りを左折(右折すると踏み切りその反対側)します。1分も歩くとお店が見えてきます。どちらかと云うと店構えは地味なので気をつけていないと通り過ごしてしまうので注意です。
品揃えは映画関連がメインで美術、演劇関係の書物が多いようです。映画についてはけっこう揃っています。あれも欲しい、 . . . 本文を読む
★★『人は見た目が9割』竹内一郎★★
バーバル・コミュニケーション(言葉による伝達)とノンバーバル・コミュニケーション(言葉以外の伝達)、この両者を比較すると圧倒的に、言葉以外の伝達が勝っている。だから「外見の威力」は強力、もっとノンバーバル・コミュニケーションに目を向けるべきと著者・竹内氏は述べる。「人を外見で判断してはいけない」との教えは裏を返すと「人は外見で判断するもの」のいいなのである。 . . . 本文を読む
久世光彦の小説について書くのはこれで2回目、以前読んだのが江戸川乱歩を題材とした「一九三四年冬-乱歩」、そして今回が竹久夢二を題材とした「へのへの夢二」。
もしかしたら久世と興味の対象が非常に似通っているのか知らん、なんて思ったりもした。乱歩、夢二共にボクも興味が尽きない対象だからだ。
そして久世の小説は乱歩・夢二問わず相変わらずの粘っこい文体なのである。彼の言葉が読む者の身体や心に粘着性を持 . . . 本文を読む
先週の土曜日、3/17のNHK教育テレビで放送していた「今村昌平に捧ぐ~スコセッシが語る映像哲学~」を見ました。(同じ日に観た寺山修司の「中国の不思議な役人」について書いてきたので投稿が遅くなったのですが)
マーティン・スコセッシはボクが若い時分「タクシー・ドライバー」「レイジング・ブル」といった作品でそれこそ金槌で殴られたような衝撃を与えてくれた映画監督の一人です。特に「タクシー・ドライバー」 . . . 本文を読む
「中国の不思議な役人」(寺山修司の戯曲9/思潮社)
先週の土曜日に「池の下」による公演『中国の不思議な役人』(作・寺山修司)を観にいきました(昨日の記事にその感想は記載)
寺山修司の眩暈を起こすような台詞が・・・。
★上海の淫売宿の娼婦訓★
“一つ、客をいやがったり、逃げようとはかったりした
娼婦は、その尻に竹鞭の罰をうける。
二つ、たとえそれが無理難題なことであっても客の要
. . . 本文を読む
池の下公演「中国の不思議な役人」
■日時:2007年3月17日(土)
■劇場:麻布die pratze
■作 :寺山修司
■演出:長野和文
■出演:井上 美千代、いづみスミオ、渡辺健太郎、羽太結子、張替真射子、
二面由希、鬼頭理沙、石橋正生多
魔都・上海の犯罪通りの娼館、少女の人さらいから始まる悪夢のような物語。寺山修司の戯曲を読むとけっこうとらえどころのない話となっています。 . . . 本文を読む
★★『不幸になりたがる人たち 自虐指向と破滅指向』春日武彦★★
やっちゃいけないこと、言ってはいけないことと分かっていながら、ついやってしまう、言ってしまって失敗してしまう。多かれ少なかれ人はそんな経験を持っているはずだ。著者の春日氏はそのような誰にでもある行為や発言を理解のヒントに、しかし、そのような行為をはるかに凌駕してしまっている突出した、あるいは異常な、不可解な事例を出して、本のタイトル . . . 本文を読む
「竹久夢二 恋の言葉」(河出書房新社)
夢二美術館学芸員の石川桂子氏による竹久夢二が残した愛の言葉をその著作から抜粋した本。夢二の恋愛観、女性観を隙間見ることができる。今思うと大正時代はまだまだ社会的制限が多かった時代であったのだ、その中での夢二の生き様ですね。
「孤独」
いさかひをする時だけが
「私達」
人はみなひとりびとりだ
キスする時も
『恋愛秘語』
可愛い子だと初めは思 . . . 本文を読む
童話集「春」/竹久夢二(小学館文庫)
竹久夢二著作の文庫本はないものかとネットで検索していたらアマゾンで童話集「春」というのがありそれを購入しました。
その本の巻末の谷口朋子氏の解説によると夢二は57冊もの著作を残しその1/3が童話だという。一言で57冊といってもこれは相当な数です。その1/3、つまり20冊もの童話を書いている。この多作さは度肝を抜きます。それ以外にメイン
の活動として絵も描い . . . 本文を読む