いったい現役の日本の映画監督の伝記のようなものが書かれるなんて今まで何人あったのでしょうか?書かれたその人の名前は園子温。最近、私がすっかり惚れ込んでいる映画監督の一人です。ここまで熱狂させる監督はあまりいません。50歳にしてそうした人に出会えたことに感謝です(といっても実際にあったことはないのですが。出会いとは作品との出会い)。私と同世代の園子温監督ですが、全くすごい。ジェラシーさえ感じますし、 . . . 本文を読む
■製作年:2000年■監督:園子温 ■出演:鈴木卓爾、澤田由紀子、荒木経惟、麿赤児、荒川眞一郎、他
園子温監督の「うつしみ」は、傑作「愛のむきだし」の原型ともいえるものの、基本的には超ちゃめちゃ性に貫かれた作品です。映像には3人のアーティスト、荒木経惟、麿赤児、荒川眞一郎が登場し創作の現場をドキュメンタリーに撮らえるところがあるのですが、そこになんらかの必然性や意味を求め . . . 本文を読む
■製作年:1997年 ■監督:園子温■出演:鈴木桂子、内田栄一
「桂子ですけど」は園子温監督の当時の恋人だった女性を撮っている映画で、冒頭、この映画は1時間1分1秒で終わると最初から宣言する珍しい作品です。今、珍しいと書いたのですが、珍しいとは間違いかもしれません。なぜならこの映画はとりたててストーリーがあるわけではない実験的な作品なのですから。この桂子さんは自分は2 . . . 本文を読む
■製作年:1990年■監督:園子温■出演:園子温、河西宏美、杉山正弘
「自転車吐息」は、ぴあの支援を得て作られた(PFFスカラシップ)園子温監督の初めての商業映画とのこと。8ミリから16ミリへ。映像撮影の方法が劇的に変化し手軽に動画を撮影し公開することができる今ではそんな言葉が死語になっているのですが、当時はそうしたステップアップが確かにあったように思います。主演は園子温自身が演じます。地元・愛 . . . 本文を読む
■製作年:1985年
■監督:園子温
■出演:園子温
園子温監督が世に出るきっかけになった8ミリ映画を見ました。この映画は園監督が22歳の時に8ミリカメラ片手に撮影、自作自演で作り上げたもの。いわゆる自主映画という代物で、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)で入選をしています。映像は園子温自身がカメラに向かって語りかけたり、女の子に裏声で質問を投げかけたり、奇声をあげながらバ . . . 本文を読む
私の最近気になる人物と言えばなんといっても園子温監督です。大学時代の同窓会があり、そこで知った園子温という名前、名前だけはどこかで見たことがあったかな?という感じでも、基本的に日本映画にほとんど興味がなく、気にも止めていませんでした。それが帰り道、スマホでその名前を検索して見ると、超ユニークな生き方を貫いているのがわかり、えっ!こんな人がいるんだと思いました。おまけに私と同世代ではないか、と。どん . . . 本文を読む
製作年:2005年 監督:園子温 出演:宮崎ますみ、いしだ壱成、桑名里瑛、他
園子温監督の初期の作品「奇妙なサーカス」は前衛的な手法が色濃く残るグロテスクな映画でした。セックス・シーンも多くエロの世界なのですが、一方で非常に観念的であり思春期に影響を受けたという寺山修司はもちろんのこと、フェデリコ・フェリーニなどの要素も見ることができると感じました。しかし私があげた両者と園監督と大き . . . 本文を読む
■製作年:2011年■監督:園子温■出演:水野美紀、冨樫真、神楽坂恵、他
渋谷・円山町辺りで売春をしていた女性が殺された東電OL殺人事件をベースにしたといわれている園子温監督の映画「恋の罪」を見ました。そうはいってもおそらくは、その事件自体は映画作りのきっかけになっているものの、それそのものを題材にしたものではないと思います。というのもメインの登場人物が3人いてそれが格子状に絡んでくる構成になっ . . . 本文を読む
■製作年:2005年■監督:園子温■出演:吹石一恵、つぐみ、吉高由里子、並樹史朗、他
園子温監督の映画「紀子の食卓」は同じ監督の過去の作品「自殺サークル」の番外編とでもいう内容になっていて、ショッキングな新宿駅における女子高生集団自殺の映像が何度か挿入されます。そこでの大きな疑問、集団自殺の背景の裏にあるのは何か?ということは今回もはっきり解明されないままになってます。そのなかで . . . 本文を読む
けっこう引用したい文章が多くニーチェの「道徳学の系譜」を本日も書かせていただきます。3日前のブログにも書いたのですがニーチェの哲学は詩的、散文的な要素が強いので勢い引用が多くなってしまいます。引用された文章をできるだけ噛み締めてみるというのが私の目下、ニーチェ理解といったところでしょうか…。(以下「道徳の系譜学」ニーチェ・中山元・光文社文庫より引用)
■すべてのよき . . . 本文を読む
今日も昨日の続きニーチェの「道徳学の系譜」についてです。スタイルも昨日同様の引用です。それぞれの単文はそこから様々な考えを広げてくれるように思います。その考え方がいいのかどうかは別として…。(以下「道徳の系譜学」ニーチェ・中山元・光文社文庫より引用)
■正と不正をそのものだけにおいて、独立させて語ることは、いかなる意味もない。生は、本質的にすなわちその基本的な機能と . . . 本文を読む
今日は哲学者ニーチェについてです。通常哲学となると難しい語句や論理を並べまるで数学かパズルを解くような読み方になってしまうのですが、ニーチェの場合それとは違い詩的、散文的な要素が強いです。それはそれで難しいのですが、以前にも書いたかもしれませんが、それゆえにニーチェ語録のようにもなります。ということで、今日は書物からの引用となります。(以下「道徳の系譜学」ニーチェ・中山元・光文社文庫より引用)
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稲盛和夫氏が書いた「燃える闘魂」というタイトルに惹かれその本を読みました。そこにはJAL再生を成し遂げた稲盛氏の経営哲学が書かれてありました。中身はシンプル、いたって簡単なものなのですが、誰もができないような大仕事を成し得たリアルな迫力がそこにあり、大いに刺激を受けそして自分を省み反省し、弱く流される自分をさらに認識に、少しでも真似ができたらいいなあと思いながらもどこかで逃げ道を用意しながら憧れた . . . 本文を読む
先週は園子温という<毒>に浸っていたのですが、今日は直球ど真ん中の王道です。
書店に平積みになっている稲盛和夫氏の「燃える闘魂」、本の帯には<最強経営者の魂に触れよ!>とあります。負債総額2兆3千億円超で戦後最大の倒産であったJALを奇跡の復活、それも破綻から2年8ケ月で再上場させた経営者・稲盛和夫氏の本です。本のタイトルである「燃える闘魂」とは、私の世代ではプロレスラー・アントニオ猪木の代名詞 . . . 本文を読む
■製作年:2009年■監督:園子温 ■出演:西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ、渡辺真起子、渡部篤郎、他
実は、興奮を隠せません。なぜなら、園子温監督の「地獄でなにが悪い」が超面白かったので、今日は傑作の評判も高い「愛のむきだし」を見たからです。一体この映画は何なんだ!と。この悪趣味、このはちゃめちゃさ、この可愛さ、この切なさ…。4時間もある長丁場の作品なので最初はど . . . 本文を読む