10/02/07 パスポート更新分引取りと大宮ぶらつき


1/26歌舞伎座千穐楽夜の部を観る前に、娘と一緒に大宮のパスポートセンターに更新の手続きに行った。センター内にある撮影所での撮影だとどうにもあわただしかった経験から、今回は事前に自宅近くの写真屋さんできちんと撮影したものを持っていくことにしていたのに、なんだかんだと結局当日になってしまった(^^ゞ

与野駅前のフォトサロン「ヒロとユキ」に初めて入って証明写真をお願いし、店内を見回して気づいたこと。店内の写真見本的に並んでいる額に入っているのは、私の知っている役者さんだらけ!出待ちして撮影したのではと思われるものもあり。一番最初に気がついたのは井上芳雄くん。山口祐一郎もありましたね。歌舞伎役者のものもあり。
店名にリンクしてあるブログにあるヒロさんとユキさんの似顔絵にそっくりなヒロさんに質問。
「なんで井上芳雄君の写真があるんですか?」→「わかりますか?」→ここで次々と名前を挙げて「私も観劇ブログをやってるくらいお芝居観るの好きなんですよ」→「ええーっ」
という感じで盛り上がってしまい、パスポートセンターに行くのがよけいに遅くなってしまったのだった(^^ゞ地元で同じ趣味の方がいるのがわかると嬉しいものだ。
写真も娘の方は前回の5年用パスポートを作った時からすると格段に綺麗にとれていた。娘がバイトの履歴書を作るたびに機械で毎回撮っていたのだが、焼き増しもできるようにデータ保管システムがあるのも助かる。これからもよろしくお願いしようと思っている。

そのパスポートの引き取り可能日が2/2だったので、週末に引き取りをするとなると日曜日だけになるので、本日午後からゆっくりと出かけて行く。午後4時半で閉まるところに15分前にぎりぎり到着。
国の収入印紙が14000円分、埼玉県のものが2000円分を2人分で合計32000円出して購入して引き取り手続き。ICカード内蔵のパスポートで、ディスプレイの画面でも記載事項の確認をさせられ、取り扱い注意事項もしっかり読まされる。受け取ってみるとちょっと分厚くて折り曲げ厳禁とのこと。
大体、母娘二人とも運転免許も持っていないので、顔写真のついた身分証明書はパスポートだけだったのだ。今は住民基本台帳のシステムを使った身分証明のカードも発行してもらえるらしいが、パスポートもいらなくなってからでいいだろう。
とにかく、パスポート更新手続きの一大行事がようやく終わった。

大宮駅東口に回ってロフトの裏のブックオフでそれぞれ欲しい本をGET。私は「鬼平犯科帖」の本編最後の24巻を探したが、番外編のみ入手。ロフトでは、娘のスイカを入れるパスケースや面白いバレンタインチョココーナーを一緒に見て、一階のカフェプランツに初めて入ってお茶もしてきた。16時以降はスイーツセットが500円になるのでマクドナルドに行くよりいいねと即決。二人ともハーブティーで娘はスコーン、私はカボチャチーズケーキでセットにしてみた。スコーンも温かいのを食べると美味しかった。
写真は私の方のセット。二人は同じハーブティーを頼んだのに色調が違ったのはやはりポットに入ったハーブのバランスの違いだと思う。私のはローズヒップが多めだったようで赤が綺麗だった。
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10/01/31 「ゴールデンスランバー」は面白かったけど好みじゃないかな


大河ドラマ「新撰組!」の山南役から注目していた堺雅人の映画の主演が続いているが、全部観るつもりはなく、これならばといいかなぁという作品を選んで観る。「南極料理人」はよかった!「ゴールデンスランバー」は冤罪サスペンス物ということでまぁいいかなぁと観てみたら・・・・・・。

【ゴールデンスランバー】
以下、MOVIXサイトよりあらすじ等を引用、加筆。
<あらすじ>
「伊坂幸太郎の同名ベストセラー小説(Wikipediaの記事)を、「アヒルと鴨のコインロッカー」「フィッシュストーリー」に続き中村義洋監督が映画化したサスペンス」
「凱旋パレード中に首相が暗殺された仙台、宅配ドライバーの青柳(堺雅人)は、久々に再会した大学時代の友人(吉岡秀隆)の謎の言葉を聞いた直後、警官から突然銃を向けられる。訳もわからず逃げ出した彼は、身に覚えのない証拠と見えない力によって無実の首相暗殺犯に仕立てられていく。絶体絶命の中、青柳は大学時代の仲間たちに助けられながら逃亡を続けるが・・・・・・」

あまり現代小説を読まない私は伊坂幸太郎という名前も初めて認識したくらい(^^ゞ興味がないことは視野に入ってこない方かも(笑)
政争の中で首相が暗殺され、その犯人に仕立て上げられる宅配ドライバーの青柳。妻の借金帳消しの代わりにその先棒を担いだ友人が、「お前、オズワルドにされるぞ」というわかりにくい言葉を使いながら必死に状況を説明し、逃げて生きろというメッセージを受け取って同乗していた車を出た途端に爆発炎上。その殺人の罪も負わされての逃亡が始まる。
なかなか緊迫感たっぷりで面白いスタートだ。数年前にアイドル凛香(貫地谷しほり)を助けて一躍注目されたとにかく人のいい男が、わけのわからない状況に追い込まれてパニクって情けなく、それでも友人たちや関わる人達が放っておけずに助けたくなるというキャラクターに堺雅人ほどハマル役者はいないだろうと思える。

オズワルド=ケネディ暗殺犯だが、本当の犯人は別にいてその身替りにされて消された男ということだが、警察は首相暗殺犯が逮捕できなければショットガンで撃ち殺してもいいという乱暴なやり方をおしすすめる。香川照之が主人公を追い詰める警察陣の指揮をとるのだが、これまた偏執的でいい。ところが最後になって、本当に犯人だと思っていたのが間違いだったと県警本部長(竜雷太)の一言で気づかされるところは実に皮肉が効いている。

青柳の無実を信じ、逃亡を助ける人たちとのドラマも実に面白い。タイトルの「ゴールデンスランバー」はビートルズの名曲由来らしいが、彼らのベストアルバムの赤と青バージョンに入っていない曲は知らないので初めて聞いたように思うし、私にはその曲への思い入れができない。とにかく大学時代のサークル仲間が信頼に結ばれていた共通の懐かしい思い出の象徴になっている。

その中の一人が指名手配中の通り魔殺人犯のキルオという設定が現実離れしている。演じる
濱田岳はTVドラマの「3年B組金八先生」での生徒役が印象深く、彼のイメージで書かれた役らしく、その存在感も魅力のひとつになっているのだろうと思うのだが、やっぱりなぁ。

青柳の父役が伊東四朗で、マスコミの批判にも屈せずに息子は犯人ではないと言い切って、とにかく「チャッチャと逃げろ」というのがキーワードのようだった。
主人公は地方マスコミに公開取材をさせて無実を訴えようとするが、それも失敗。そこからはとにかく逃げる。彼を助ける人たちもとにかく逃がす。

その先は?青柳は逃走の末に海に浮かび、濡れ衣を着せようとする巨悪は暴かれなかった。ところが青柳は社会的には死んでも生きていた。途中でも出てくるが「整形」もまたキーワードになっている。彼を心配する人達には生存を知らせるので観ている方も少しは落ち着くのだが、なんだなんだ?この結末の肩すかし感にびっくりする。
感想未アップの「崖の上のポニョ」と同じエンディングの疑問「主人公の戸籍どうすんだよ〜」(笑)(まぁ、戸籍と住民票でダブル管理している国は日本とその旧植民地国くらいらしいので戸籍制度も見直していいとは思っているのだが・・・・・・脱線m(_ _)m)
確かに、巨悪とは闘い切れるような状況ではない。だったらせめて「生き残ること」が庶民のとるべき最上の手段なんだろうなぁというように思うようにした。そうして初めてなんとなく落ち着いた。まぁ今の世の中的にはアリだろうねぇ。
しかし、カタルシスがないまま終ってしまうので、私的には好みではないかなぁ。
以上、ようやく書けた感想でしたm(_ _)m
<他の出演者>
竹内結子、劇団ひとり、ベンガル、相武紗季、大森南朋、ソニン、柄本明、香川照之、永島敏行、木内みどり、他
写真はこの作品のチラシ画像。
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10/02/03 花粉症すでに発症+今月の観劇などの予定


一昨日の雪が朝には融けてやれやれと思ったら、今晩もぼたん雪が落ちて来た。娘はもっとちゃんと積もればいいのにとか言っているが、庭も駆け回らず犬以下状態で引きこもっている。喉が痛いとか言っているし、風邪薬を飲めと一喝!

スギ花粉の飛散が発表になる前、基準値以下の飛散が3回確認された1月下旬の段階ですでに喘息症状が始まっている。鼻の調子も悪くて歯が浮いている日もあり。毎月1回の減感作の注射で耳鼻科に行ったら「劇場に行きすぎで風邪ひいたんじゃないの」と先生にからかわれた。確かに「ゴールデンスランバー」も観にいったっけ。
かなり強い咳払いをしないと息を吐けない時もあり、すでに喉はつぶれてしまった。もちろん喘息の薬は飲んでいるが、これだ。そういえば、目も少し痒いかな。今年もヒノキが落ち着くまで、なんとかしのがなくては・・・・・・。

さて、今月の観劇などの予定は以下の通り。
6(土)MOVIXさいたま:「おとうと」=実家の母が観たいという「今度は愛妻家」がすでに一日1回上映になり、さらに朝10時からになってしまって朝の弱い母娘には無理!最近TVオンエアの「母べぇ」を観た母が「よかったよかった」というので、その次の作品ということで一緒に観ることになった。親孝行がんばってます!
13(土)歌舞伎座:昼の部=初午まつり初体験の予定!
20(土)国立小劇場:文楽公演二部と三部を通しで
25(土)歌舞伎座:千穐楽夜の部
それぞれご一緒する皆様、あらためてよろしくお願いします。
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10/01/29 マイケル・ムーアの「キャピタリズム マネーは踊る」で笑って泣いて


前作の「シッコ」がとても面白かったので、今作も滑り込みで観に行った。レイトショー1回のみ上映になっていたMOVIXさいたまでの最終日の今日、娘と待ち合わせをして食事をとってからギリギリに飛び込んだ。
【キャピタリズム マネーは踊る】監督:マイケル・ムーア
以下、MOVIXサイトよりあらすじ等を引用。
<あらすじ>
2008年9月15日、リーマン・ブラザーズの経営破綻は大規模な金融危機を引き起こし、世界経済は100年に一度と言われる同時大不況に陥った。アメリカでは住宅市場の大暴落と企業や銀行の倒産で、自宅や職を失う人々が続出。本作を撮影中だったムーア監督は、$マークのついた大袋を手にウォール街へと突入して行く。
<解説>
『ボウリング・フォー・コロンバイン』のマイケル・ムーア監督が、キャピタリズム(資本主義)支配下の経済問題に迫るドキュメンタリー。巨大企業が利益を追求すると、世界にどのような影響が出るのかを検証する。デビュー作『ロジャー&ミー』で元GM(ゼネラル・モーターズ)会長に突撃取材を敢行したムーア監督が、GMが破綻した20年後の今、生活を支配する経済をテーマに選択。原点に立ち返ったムーア監督の覚悟と怒りが熱く伝わる。

さらにネット検索して面白かった岡本太陽氏の「米映画批評」サイトの記事もご紹介させていただく。
岡本太陽氏は「本作には観る者にとって“知られざる真実”的なものがほとんどなく、観て驚かされるという決定的な部分が欠如」と書いているが、私にとっては驚くことがけっこうあった。

企業が勝手に従業員に生命保険を掛けていて、在職中の死亡時に保険金を受け取るという話は、日本で裁判になっているのを知っていたが、その元祖はアメリカだったのかとあらためて思った。この映画の中ではウォルマートでの事例が遺族への取材を通じて明らかにされているが、「Dead Peasant Insurance=くたばった農民(小作人)保険」と呼ばれていて、大企業にとっての従業員の位置づけを端的に表している。批判を浴びて取りやめられているというが、批判がなければ続いていただろうという企業の倫理性のなさにあきれるばかり。

資本主義は自由主義=民主主義だという履き違えた論理が堂々とまかり通るのがアメリカという国だというのがあぶりだされている。自由=利益追求の自由だ。そのためなら何をしてもいいらしい。
コミュニズムが力を持っていた時代には、資本家とその権力が暴走することへの抑止力が働き、その暴走を規制する法律などができた。独占禁止法などがその代表例だ。資本主義が生き残るためにいわゆる「修正資本主義」という状態になっていた。
新保守主義の時代となって市場経済の万能性が強調され、「民間活力」を引き出すための規制緩和が伝家の宝刀のように振り回された。その結果がこの映画のような格差の極大化した社会の現出だ。

私が一番びっくりしたのは、ある地方都市の少年更正施設が民間委託されたことで起きていた事態だ。少年少女がそのくらいのことかというような非行行為で有罪にされ、収監され、その施設の職員の判定で収容期間が延ばされてしまっていた。民間企業と判事は癒着しており、その施設の稼働率を上げるためにどんどん収監させる。満室にしておくために、更正がすすんでいないとして延ばしてしまうのだ。

飛行機をハドソン川に不時着させて乗客の命を救ったと英雄扱いされたパイロットは、議会に呼ばれてのスピーチは英雄行為の報告よりもパイロットがバイトをしたり、フードチケットの支給を受けないと生活できない状況の改善要望だった。不採算路線は下請けに出し、直接雇用のパイロットも安い賃金で働いているという。ファストフードの店長よりも賃金が低いっていう状態は異常すぎる。

アメリカの政治へのロビイスト活動のもの凄さについては有名だが、その実態も名指しで映像を活用して暴かれる。
巨額の税金を投入して救われたウォール街の金融機関への突撃も名前が売れすぎてアポ取りの電話の段階で名乗った途端に切られている。最後はニューヨーク証券取引所の建物を黄色いテープで封鎖してのデモンストレーション。「犯罪現場、立ち入り禁止」というような意味だろうか。

マイケル・ムーアの故郷は米自動車産業の衰退で過疎の町になっている。キリスト教の指導者たちにも取材。年老いた司教様まで「キャピタリズム」の論理がキリストの教えとは相容れないとビシッと指摘してくれる。
そこにキリストのドラマが再現映像のように挟まり、貧しい人や病んだ人が救いを求めたキリストが現代のアメリカで罷り通っている言い回しで突き放す。究極のブラックユーモアの炸裂だ。

奇しくも政権が交代してオバマ政権の誕生の時期に重なる。真面目に働いているのに追い込まれている人々の投票行動が大きく政治を動かしたのだ。喜んで泣いている人の姿に切実さを感じて目頭が熱くなる。オバマ大統領誕生後の大集会の感動も思い出した。
アメリカでは富裕層への抵抗運動がおきにくいという。それは「アメリカンドリーム」というプロパガンダの浸透の威力のせいらしい。しかし、権力を握る1%の富裕層は99%の投票の力を恐れているという資料も提示される。

住宅ローンが返せなくなって家を明け渡した一家に町の人々が応援してもとの家に戻す実力行使の取材もあった。人々の迫力に警官たちが引き上げざるを得なくなった。
議会で議員も堂々と演説する。「堂々と不法占拠しなさい。どうせ銀行は明け渡させた家が多すぎて書類の整理だってきちんとできてやしないのだから」
確かに「悪法も法なり」ではあるが、それだってピープルズパワーでなしくずしにすることだってありだと思う。

マイケル・ムーアは、自分の国の異常さを告発し、「こんな国には住みたくない」という。そして「だから僕は闘う」というのだ。そして一人の力では無理だから、あなたの力も貸してほしいと訴えかけてくる。

このスタンスがいい。私が今の日本社会を嘆くと「だったら外国へ行っちゃえば」と批判する人がいる。そんなことをしたって問題の解決にはならないのに、要は愚痴るなと言いたいらしい。愚痴ったっていいじゃないか。自分の国を変えるためにやれることはやっていくつもりなんだから(この映画を映画館で観るのもそのひとつだと思っている)。もう少し長い目で見てほしいと思う。

写真はこの作品のチラシ画像。近くのシネコンでは終ってしまったが、都内では「新宿武蔵野館」などで上映中。軽い気持ちで観に行ってみていただきたい(^O^)/
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10/01/31 2009年の歌舞伎の舞台ベスト3投票に参加


「ご機嫌!歌舞伎ライフ」の管理人yukiさまが実施されている「あなたが一番好きだった歌舞伎は何?」のアンケートに2008年版の投票にも参加させていただいたが、2009年版の投票締切りが本日1/31の24時と迫ってきた。ここ1週間ばかりぐずぐずと考えてきた。
第1位と第2位はわりと早めに決まったのだが、第3位を何にするかが悩ましい。

第1位:歌舞伎座11月「仮名手本忠臣蔵」通し上演
2007年2月の歌舞伎座の通し上演の時は気合を入れてアップしてあるのだが、今回はアップできていない。しかしながら、どう考えても今年のBEST1はこれ。高師直の富十郎がまず素晴らしかった。魁春の顔世御前に横恋慕する色気と袖にされたことで塩冶判官に八つ当たりするという嫌らしさが実に人間くさくてよかった。
前回の菊五郎の塩冶判官もよかったが、勘三郎の塩冶判官の若い大名らしい鷹揚な様子から師直の挑発にだんだんと怒りを募らせ、爆発させる感情の動きが手にとるように伝わってくるのに感心。
前半の由良之助を幸四郎、後半を仁左衛門でつないだのもよし。今回も九段目を省いていたのは残念だったが、十一段目の討入り本懐後の引揚の場を仁左衛門のリクエストで作られた大きな橋の装置の奥から次々と浪士たちが現れた場面も目に焼きついている。まるで宝塚の舞台の最後に大階段から出演者が順番に現れて舞台の全面に揃うような感じで、歌舞伎座さよなら公演の「忠臣蔵」の打ち出しを派手に飾ってくれたと思う。

第2位:歌舞伎座3月「元禄忠臣蔵」通し上演
国立劇場での通し上演を観ていないので今回が初見。内蔵助を幸四郎、團十郎、仁左衛門で見せてくれた贅沢さ。幸四郎内蔵助は昼夜1演目ずつ活躍。仁左衛門のハマリ役の綱豊卿も出て、真山青果の新歌舞伎の台詞劇でツケ打ちのない昼夜通し上演も新鮮だった。
歌舞伎は古典ばかりではなく、その時代時代の新作も意欲的に上演されてきて、いいものはこうして残るということを証明している。これからも新作の上演を楽しみにしていよう。

第3位:歌舞伎座10月夜の部の「義経千本桜」=前半の吉右衛門の知盛で劇的に盛り上げて泣かせ、後半の菊五郎の狐忠信でハートウォーミングに締め括られた半通し上演。
「渡海屋・大物浦」吉右衛門の知盛、玉三郎の典侍の局、富十郎の義経の大顔合わせ。
「吉野山」「川連法眼館」菊五郎の一世一代と思われる狐忠信。
ダイジェスト的な通しではあったが、世代交代前の贅沢を感じさせてくれた。

と決めてみると、3本とも通し上演ものになってしまった。じっくりしっかりと自分の書いた記事を振り返る余裕もなく、ざざっと頭の中だけで思い浮かべただけなので、どうしても通し上演好きということが影響してしまうのかもしれない。
それでも1年間を振り返る機会をいただいたことに感謝をしておきたい。

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10/01/26 歌舞伎座千穐楽夜の部(4)「菅原伝授手習鑑 車引」は凄かった!


壽初春大歌舞伎夜の部の双璧のもうひとつ「車引」の感想。私は歌舞伎座さよなら公演のリクエスト投票に「菅原伝授手習鑑」の通し上演と書いた。御名残三月大歌舞伎の三部興行で各部飛び飛びにだが、「菅原伝授手習鑑」のうち「加茂堤」「筆法伝授」「道明寺」の上演が決まっている。隔月ではあるが今回の「車引」も含めて、まぁ希望が実現したというでよしということにしよう。

これまで書いた「車引」の感想は以下の通り。
2005年5月の海老蔵×勘太郎×七之助
2006年9月の染五郎×松緑×亀治郎
【菅原伝授手習鑑 車引(くるまびき)】
今回の配役は以下の通り。
桜丸=芝翫 梅王丸=吉右衛門
杉王丸=錦之助 金棒引藤内=錦吾
松王丸=幸四郎 藤原時平=富十郎

芝翫の桜丸が予想以上によかった。三卵性の三つ子ということで外見も違うということで、一番小柄でおとなしそうな桜丸。むきみの隈も似合って斎世親王の舎人として苅屋姫との恋のとりもちをしたことが菅丞相流罪の原因になり、責めを負って自害する覚悟を切々と語る台詞がここまで胸に迫ったのは初めてだった。
並ぶ吉右衛門の梅王丸が実に大きくて立派。芝翫と吉右衛門の台詞のやりとりだけで「菅原伝授〜」の世界にすっかり入っていってしまった。吉右衛門の全身に力が満ち満ちた梅王丸の若々しさ大きさに圧倒される。今最高の梅王丸だと思う。

藤原時平の社参のところを襲おうと駆けつけた二人を止める、時平の舎人杉王丸が錦之助という配役にも大顔合わせの舞台だからと納得。幸四郎の松王丸もなかなか立派だった。
芝翫×幸四郎×吉右衛門と並んでの見得も実に眼福。梅王丸、松王丸の兄弟の順番が人形浄瑠璃と歌舞伎では入れ替わってしまっているが、原作は梅王が長男。3人揃った時に梅王の刀が3本で松王が2本というのはその名残かもしれないと推測。今回は梅王の方が大きく見えた座組みだが、別にそれでもかまわないだろう。

ところが牛車の中から現れた富十郎の藤原時平の素晴らしさでノックアウトされた。通常の公家悪の藍隈ではなく、富十郎の顔がしっかりわかる白塗りに両端に向けて鋭くつり上がった眉の下の大きな目で眼光鋭くねめつける。朗々と響く声とともに物凄い悪のパワーを感じさせる、袖を巻き上げて身体中で梅王丸と桜丸を射すくめると二人の力が抜けてしまうのも全く無理を感じさせない。「仮名手本忠臣蔵」での高師直も素晴らしかったが、この時平もしっかり目に焼きついてしまった。

観終わったあとに思わず「すっげぇ」と口をついて出るほどの「車引」。さよなら公演にふさわしい大舞台を観た満足感でいっぱいになった。
写真は歌舞伎座前の絵看板の「車引」。終演後に携帯で撮影していたら、千穐楽だけに来月の看板との架け替え作業が始まってしまった。タイトル部分のパーツから替えていくので絵と一致しないタイトルが並んでいるという滅多に見られない場面にも遭遇(^^ゞ
1/26千穐楽夜の部(1)雀右衛門不在の「春の寿」
1/26千穐楽夜の部(2)勘三郎の「京鹿子娘道成寺」
1/26千穐楽夜の部(3)染五郎×福助の「切られ与三」
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10/01/26 歌舞伎座千穐楽夜の部(3)染五郎×福助の「切られ与三」


2008年1月に観た愛之助×七之助の「切られ与三」で初めてこの演目の面白さがわかった(それ以前に観た舞台の記事のリンクもあり)。
さて、今回の染五郎×福助はどうだったかを簡単に書いておこう。

【与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)】
木更津海岸見染の場、源氏店妾宅の場
今回の主な配役は以下の通り。
切られ与三郎=染五郎 お富=福助
鳶頭金五郎=錦之助 
和泉屋多左衛門=歌六 番頭藤八=錦吾
蝙蝠安=彌十郎

染五郎×福助のコンビ、これがなかなかよかった。木更津海岸見染の場若旦那の与三郎とちょっと年上の仇っぽいお富との一目惚れの恋というイメージ。声がひっくり返ってもこういうお役なら違和感なし。江戸和事のお役は染五郎のニンに合うと思うので是非極めて欲しいと思う。
錦之助の鳶頭金五郎というのも粋で見ていて嬉しい。
源氏店妾宅の場高麗屋の錦吾の番頭藤八も手堅い感じ。大柄な彌十郎が小悪党(まさに人間が小さいワル!)の蝙蝠安というギャップが実に可笑しい。
ここでの与三郎の名台詞「ご新造さん、おかみさん、イヤサお富、久しぶりだなぁ〜」も染吾郎、なかなかよかったと思う。

極めつけは歌六の和泉屋多左衛門。歌六の芝居で最後がぐっと締まる。お富の実の兄だったというのもその存在感で納得がいくので、お富と与三郎の恋の成就への急展開も芝居としての見ごたえを感じられた。
重量級の「車引」「道成寺」と続いた後に、軽い演目でラクに見られて、それなりの満足感で打ち出してもらえた。

写真は、歌舞伎座前のカウント時計を終演後に携帯で撮影。さよなら公演4月興行まであと95日とあり。
1/26千穐楽夜の部(1)雀右衛門不在の「春の寿」
1/26千穐楽夜の部(2)勘三郎の「京鹿子娘道成寺」
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10/01/26 歌舞伎座千穐楽夜の部(2)勘三郎の「京鹿子娘道成寺」歌舞伎座での舞いおさめ


勘三郎の「京鹿子娘道成寺」は2005年4月の襲名披露公演で観ていて、「勘三郎箱」も買ってしまったのでDVDでも何回か観た。さて、今回はどうか?!歌舞伎座の壽初春大歌舞伎の感想を順不同で書いていく。(「春の寿」と順を入れ換えましたm(_ _)m)
【京鹿子娘道成寺 道行より押戻しまで】
今回の配役は公式サイトより以下、引用。
白拍子花子=勘三郎 大館左馬五郎=團十郎
所化=高麗蔵、松江、種太郎、新悟、種之助、宗之助、ほか

3階11列のセンター右寄り席だったが、花道で登場した花子が止まる位置も上半身がよくみえてラッキー。花子のひらり帽子の上の飾りには翼を広げた鶴のデザインがあったのかと今頃気がついてみたり、勘三郎の頬がいつもよりこけて見えるのはこの大曲を一ヶ月の公演を踊りきった千穐楽だからだろうかと思ってみたり。玉三郎はもう本公演では踊らないというくらいだし・・・・・・。

それにしても道行のところの勘三郎花子の表情があまりにも寂しげなので、何故なのだろうと思いをめぐらす。・・・・・ハッと思い至る。今日が勘三郎が現歌舞伎座で道成寺を踊る最後の日なんだ!勘三郎花子がいろいろな方向に思い入れをして劇場のあちこちに視線を止める時、ここを見るのも最後とか思いながら、万感の思いを抱きながら踊っているのかもしれない。勝手にそう推測してしまったのだが、私はそんな舞台を見ることができたのかという感慨が押し寄せてきて、なんだか目頭が熱くなってきてしまった。

「♪道成の卿うけたまはり〜」からの謡いも所化との長い問答もなし。所化の白拍子かと尋ねるのに答えて鐘を拝ませてという必要最低限の会話のみにするのは、女形をする時の勘三郎の声はハスキーすぎるせいかと推測。踊り手によって融通無碍にするのだろう。

烏帽子があるのでそれをつけて舞えということになり、所化のひとりが三宝に載せたのを渡す「金冠渡し」は小山三。襲名披露公演の時は確か芝翫が渡していたと記憶しているが、そういう役に先代からの最古参の弟子をつけたところが勘三郎らしい。子どもの頃から世話をしてきた小山三も万感の思いで渡しているのだろうとか思うとここでもぐっときてしまう。所化姿はいつものように目尻に赤を入れていて可愛らしい小僧さんに見えた。金冠渡しの後もすぐに引っ込まずに、慈愛のこもった表情で後輩の所化たちを見ていたようだった。マイミクさんが「小山三!」と大向こうをかけるのもしっかり聞こえた。いいねぇ。

花子が能がかりで舞ってから引っ込んでいる間、「まい尽くし」を披露する所化は勘三郎の部屋子の鶴松。「歌舞伎座が建替えになっても忘れるまい」などとさよなら公演らしいくだりも入れ込んでいるし、リズム感よく立派に語りつくしたのもよし。

花子が着替えて出てきて「言わず語らぬわが心〜」からはぐっとくだけて歌舞伎舞踊になる。寂しげな表情からは一転、気を変えて花街の女のいろいろな場面を踊っていく。
鞠歌を踊るところを見ていて気づく。これって禿のころのおきゃんで可愛い子ども時代を踊っているのかなぁと。そこから娘になって店に出される遊女になって、本気の恋をして、浮気な男心に苦労して......。その時、その時に生きている花子のイメージが広がるような踊りだった。
勘三郎はこんなに可愛く表情豊かに踊るんだとあらためて感心。「顔で芝居をするな」とも言うが、それは身体全体が芝居をしないで顔だけでするのを戒めているのであって、踊りも同じなのだと思う。身体の動きも実に多彩なしぐさを自然に滑らかにつくりだし、見ていて飽きることがない。

玉三郎の花子はずっと異界の者が人間の姿で現れている感じがあるのだが、勘三郎の花子は実に人間臭い感じがする。安珍に恋をした清姫は田舎大臣の娘だっただろうし、それが勝手に安珍に思いをかけてかなわず、妄執にこりかたまっていくのだから、高貴な感じはしなくてもいい気がする。鐘の中に隠れた男への恨みというよりも、思う相手が自分を全く無視していることを勝手に我が侭に拗ねているような表情がなんともいえなく可愛い。
本性を現して鐘に飛び込んだ花子に「あーあ、しょうがないなぁ。早く出ておいでよ」とでもいいたい感じの感情移入がある。

だから鐘が持ち上がって出てきた、茶色の髪がざんばらとしていて二本の角が生えた鬼女もなんだか可愛い。
後シテに変わる間に花道では鱗模様の四天たちが「とう尽くし」を披露。勘三郎が出ているマクドナルドやサッポロビールのネタや「自分にファイトウ」なども飛び出して、三階さんたちの見せ場もつくるという大舞台なんだなぁとあらためて思う。

團十郎の大館左馬五郎が「歌舞伎の花の押し戻し」として登場する。演舞場でも海老蔵が同じような扮装で荒獅子男之助で押し戻しをやっているが、團十郎のそれは存在感の大きさだけでなくふんわりとしたおおらかな感じがあるのが愛おしい。喉をガラガラ鳴らすようにして見得を切る、荒事のお決まりの発声も聞き苦しさを感じないのは現時点では團十郎と吉右衛門の二人だなぁと貴重さを痛感。
勘三郎の後シテが二段の赤い台の上に立ち、四天が蛇体のように連なる。團十郎の押し戻しと絵面に極まっての幕切れは実に贅沢だった。勘三郎の歌舞伎座での道成寺の舞いおさめ踊りおさめに立ち会えたことに感謝したい。  

夜の部はこの「京鹿子娘道成寺」(今回の絵看板)とその前の「車引」が双璧だ。
写真は千穐楽の幕のかかった歌舞伎座正面。
1/26千穐楽夜の部(1)雀右衛門不在の「春の寿」
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10/01/26 歌舞伎座千穐楽夜の部(1)雀右衛門不在の「春の寿」


2008年1月の「けいせい浜真砂」から本興行に姿を見せていなかった雀右衛門。「けいせい浜真砂」は「楼門」の女方向けのバージョン。滝夜叉姫のような拵えの傾城姿で出る亡くなった松緑が晩年に動けなくなっての舞台に「楼門」に石川五右衛門で出たというのを聞いていたので、雀右衛門がこの役で出るというのは、そういうことなんだなぁと思いながら観ていた。鷹が咥えてきた書状の天地を逆に持っての芝居に目もはっきりと見えていないのだろうと思うと見ていてつらかったが、ほんの10分くらいの演目だったが、存在感が素晴らしく、久吉でつきあった吉右衛門と上下に極まった様は実に絵になっていたのを思い出す。
歌舞伎座さよなら公演に初めて出るという「春の寿」。舞踊に出るのは2005年の「豊後道成寺」以来。「豊後道成寺」で踊りきった後、肩で息をしていた姿もせつなかったっけ。

初日から体調不良のために休演ということだったが、19日には出演されたということで千穐楽も大丈夫かと思っていたが、やはりその日だけで休演。その日は「歌舞伎ちゃんねる」の収録日だったらしい。
全く同じ生年月日という小山三も途中休演だったようで、千穐楽にお二人揃って元気な姿を舞台で観ることができるように祈っていたが、残念でならない(小山三は「金冠渡し」でしっかりお姿を見ることができた)。

【春の寿(はるのことぶき)】長唄舞踊
新作ということで、まさに雀右衛門のためにつくられた舞台だった。以下、概要と配役を公式サイトより。
「格調高い王朝風の舞台で、女帝(雀右衛門→休演で代役は魁春)、春の君(梅玉)、花の姫(福助)が雅な舞で、歌舞伎座の初春を寿ぎます。」

筋書にある長唄の歌詞から以下、引用。
「新玉の 春成駒と祝うたる 尽きぬ高砂金銀の 向かい雀の飛び交いて ご贔屓重ぬる京屋結び 目出度かりける年始め」
京屋、高砂屋、成駒屋と三人の屋号をしっかり入れ込んだものになっている。
衣裳も平安王朝風ではあるが、普通の扇を使っての舞いは違和感があった。そうか、檜扇にすると重たいし色の糸の束もついているので捌きが大変なためかもしれないと推測。3人とも普通の扇で揃えていた。後半になって後方の大ゼリで登場する女帝は本当にシンプルな動きだけの振付。さもあろう。
群舞で出てくる若者たちが衣冠束帯でなく、後世の衣裳のようで不自然に思えた。
せっかくの新作だったが、雀右衛門の不在で実に寂しい感じを強く感じてしまった。実に残念(T-T)

1/26千穐楽夜の部(1)勘三郎の「京鹿子娘道成寺」
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10/01/27 今日もお豆腐料理「米永」のランチ!


仕事に行っている日の私は、昼食は外食することにしているので、職場からJR四ツ谷駅を越えてしんみち通りまで足をのばすことが多い。
ひがしん(信用金庫)の向かいにある小泉豆腐店のある小泉ビルの地下にある「お豆腐料理米永」のランチに週一回は通っている。

日替わりランチ、レディースランチ(お刺身と煮物)がいずれも800円、生揚げランチが700円と絞り込まれているが、日替わりランチがいろいろなメニューになっていて楽しみなのだ。
今日は、お豆腐に鶏そぼろ煮がかかっていて菜の花と千本に切ったゆずがのっているのがメイン。菜っ葉と油揚げの煮浸しはわさび海苔が効いていて美味しかった。
さっそく、我が家の古い海苔もあぶってから煮込んでしまえばいいとアドバイスをいただいた。感謝m(_ _)m

何回もこのブログでも書いているはずなのに、ブログ内検索で出てくる記事が少ないのでもしやと思って「米長」で検索してみた。・・・・・・やっぱり!ごめんなさいm(_ _)m
以前、元の上司の定年の激励会で夜にお願いしたことがあるが、その時の記事はちゃんと「米永」になっていたが、店の名前を間違っている記事もけっこうある。後から修正を入れるようにはしたいが、手が回らなかったら申し訳ない。「米長」になっているということでご容赦いただき、両方でブログ内検索していただくようにお願いしますm(_ _)m
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