「豚と軍艦」(1961年)
■製 作:日活
■製作年:1961年
■監 督:今村昌平
■出 演:長門裕之、吉村実子、丹波哲郎、加藤武、小沢昭一、南田洋子、他
「豚と軍艦」がデビュー作となったのが吉村実子。線も細くひょろっとしたチンピラ役を演じた長門裕之と比べて、吉村実子の方は二の腕も太めでお尻もパンと張って力強い。荒れてダンスパーティーを踊るシーンの健康的なボディライン、あるいはブラジ . . . 本文を読む
「豚と軍艦」(1961年)
■製 作:日活
■製作年:1961年
■監 督:今村昌平
■出 演:長門裕之、吉村実子、三島雅夫、丹波哲郎、小沢昭一、南田洋子、他
この映画で見ていて凛々しく力強いのが、吉村実子が演じる春子が、「ばかやろう」と何度も叫んだ後、軍艦マーチの音楽をバックにアメリカ水兵に群がる女達(=娼婦)を尻目にひとり毅然と逆方向に歩いていくシーンである。
戦後貧しい日本が、 . . . 本文を読む
「豚と軍艦」(1961年)
■製 作:日活
■製作年:1961年
■監 督:今村昌平
■出 演:長門裕之、吉村実子、丹波哲郎、加藤武、小沢昭一、南田洋子、他
冒頭、横須賀の夜の繁華街をワンカットでカメラがパンをして、そこに集う群像を描いたシーンが、まず素晴らしい。それは、夜半に照らされた電球に吸い寄せられた昆虫のように蠢く眠れないモンモンたち、今からそこで繰り広げられようとする猥雑性が . . . 本文を読む
にあんちゃん(1959年)
■製 作:日活
■製作年:1959年
■監 督:今村昌平
■出 演: 長門裕之、松尾嘉代、沖村武、前田暁子、北林谷栄、他
題名にもなっている、二番目のあんちゃん、高市こと“にあんちゃん”はとにかく力強い。今我々が忘れてしまっている芯からの力強さだ。これがこの映画の大きな特徴にもなっている。
そんなにあんちゃんの力強さを示した印象深い場面をピックアッ . . . 本文を読む
にあんちゃん(1959年)
■製 作:日活
■製作年:1959年
■監 督:今村昌平
■出 演: 長門裕之、松尾嘉代、沖村武、前田暁子、北林谷栄、他
“<一月二十二日 木よう日 はれ>
きょうがお父さんのなくなった日から、四十九日です。にんげんはしんでも、四十九日間は家の中にたましいがおると、福田のおばさんが、そうしきのときにいわれたので、いままで、まい朝まいばん、ごはんをあげ . . . 本文を読む
にあんちゃん(1959年)
■製 作:日活
■製作年:1959年
■監 督:今村昌平
■出 演: 長門裕之、松尾嘉代、沖村武、前田暁子、北林谷栄、他
舞台は炭鉱地、四人兄弟(喜一、良子、高一、末子)の親の葬式の場面から映画は始まる。子供達だけが残された。人情家の辺見(殿山泰司)は、会社からの死んだ親に対する涙金では3日も食えないから、残された兄弟達の柱となる長男・喜一(長門裕之 . . . 本文を読む
「からゆきさん」(1973年)
成人前10代そこそこの女性が、うまい話に乗せられて船底に押し込められ異国の地へと運ばれてしまい、そこで売春を強要される人生とは?
本日も引き続き、5月に東京国立フィルムセンターで観た今村昌平のテレビ用ドキュメンタリー、棄民シリーズの「からゆきさん」の感想を書いていこうと思う。
当時といっても、ほんのつい最近なのだが、先のような人買いが行われていたことにはびっく . . . 本文を読む
「無法松故郷に帰る」(1973年)
本日も引き続き人間を見つめてはNO.1の監督である今村昌平のテレビ用ドキュメンタリー作品の備忘録です。
昨日の記事として書いた未帰還兵を追っかけた作品に登場した長崎出身の不良少年、現在はタイで農業に従事している元日本兵の藤田松吉氏にスポットを当てた作品である。彼は先の作品の中で支那人の女子供を地下室に閉じ込めて焼き殺すという虐殺行為をしたと驚きの発言をした人 . . . 本文を読む
「未帰還兵を追って マレー篇・タイ篇」(1971年)
5月の初旬、東京国立フィルムセンターで今村昌平のめったに観ることができないテレビ用ドキュメンタリー作品を観にいきました。以下は、寺山修司関連の記事をワッセワッセと書いていたので、とても遅くなってしまったのですが備忘録としてのその感想です。
丁度ボクが小学生の頃、アジアの熱帯地域(場所はどこだったか記憶にありません)の奥地で元日本兵の横井庄一 . . . 本文を読む
「追悼特集 映画監督 今村昌平と黒木和雄」(東京国立近代美術館フィルムセンター)
東京国立近代美術館フィルムセンターで4月中旬から6月初旬にかけて「追悼特集 映画監督 今村昌平と黒木和雄」と題して、2人の偉大な映画監督の作品を上映している。そこでボクはなかなか観ることができない今村昌平のドキュメンタリー作品をお目当てにフィルムセンターに行ってきたのです。
そういえば昨年のお盆に池袋の新文芸座 . . . 本文を読む
先週の土曜日、3/17のNHK教育テレビで放送していた「今村昌平に捧ぐ~スコセッシが語る映像哲学~」を見ました。(同じ日に観た寺山修司の「中国の不思議な役人」について書いてきたので投稿が遅くなったのですが)
マーティン・スコセッシはボクが若い時分「タクシー・ドライバー」「レイジング・ブル」といった作品でそれこそ金槌で殴られたような衝撃を与えてくれた映画監督の一人です。特に「タクシー・ドライバー」 . . . 本文を読む
果てしなき欲望
■製 作:日活
■製作年:1958年
■監 督:今村昌平
■出 演:渡辺美佐子、西村晃、小沢昭一、加藤武、殿山泰司、長門裕之
憎めない小悪党達の宝探し終盤に向かって仲間割れが始まる。所詮は烏合の衆、まずは小沢昭一と加藤武の争い、力で勝る加藤が小沢を叩きのめしてしまうが暗い部屋に揺れる電球の灯りが次の展開を予感するように光と闇を作り出す。思わず包丁を手にする小沢、そして . . . 本文を読む
果てしなき欲望
■製 作:日活
■製作年:1958年
■監 督:今村昌平
■出 演:渡辺美佐子、西村晃、小沢昭一、加藤武、殿山泰司、長門裕之
欲望に取り憑つかれた男4人と女1人の奇妙な取り合わせ。お互いを信用できないが、ただ1つの目的(=モルヒネ・宝探し)のためにしょうがなく同じ屋根の下で共同生活をしながら、穴掘りに勤しむ。穴掘り!そういえば『神々の深き欲望』の三国連太郎もひたすら . . . 本文を読む
果てしなき欲望
■製 作:日活
■製作年:1958年
■監 督:今村昌平
■出 演:渡辺美佐子、西村晃、小沢昭一、加藤武、殿山泰司、長門裕之
突き進む機関車の車輪の部分をローアングルでとらえた映像からこの映画は始まる。『果てしなき欲望』のタイトルどおり、それは“欲望という名の機関車”に相違ない。そしてサスペンス風の音楽と共に男達が、正午という時間に合わせて駅前に集まってくる、一癖も . . . 本文を読む
西銀座駅前
■製 作:日活
■製作年:1958年
■監 督:今村昌平
■出 演:柳沢真一、堀恭子、西村晃、フランク永井
この映画は会社(日活)のお仕着せ企画で不本意に撮った作品と云う。当時ヒットしていたフランク永井の「有楽町で会いましょう」という曲をとにかく本人を主演させ3回歌わせればいい、ストーリーなどはどうでもよいという注文、今村昌平のやる気のなさが画面にも出ていた。
今村の映 . . . 本文を読む