飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

偏在する乱歩・M→鳥羽みなとまち文学館・岩田準一と乱歩・夢二館①

2006-10-31 | 江戸川乱歩
三重県鳥羽市に『鳥羽みなとまち文学館・岩田準一と乱歩・夢二館』なるものがあることを知って、これまた東京からイソイソと出かけたのである。 そこにたどり着く前に、鳥羽と言えば「パノラマ島奇譚」のモデルとなった真珠ミキモトの島があるはず。どれどれと館への道すがらに見ることができそうなので、そちらにも足を運ぶことにした。思ったより小さい島。小説ではここにパノラマの幻影城を築いたという設定なのですが、 . . . 本文を読む
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乱歩を巡る言葉27・・・柘榴石の秘密・紅玉色の傲慢・孔雀石のアンドロギュヌス/美輪明宏

2006-10-30 | 江戸川乱歩
柘榴石の秘密・紅玉色の傲慢・孔雀石のアンドロギュヌス/美輪明宏 乱歩(下)/講談社 三輪明宏は寺山修司の「毛皮のマリー」はじめその実験演劇に参加していた。そして寺山がライバル視したという三島由紀夫がリ・ライトした「黒蜥蜴」の演劇や映画に主演しはまり役となった。江戸川乱歩、寺山修司、三島由紀夫そして三輪明宏・・・。 “江戸川乱歩はアールデコの代表ですよ。あの頽廃美・・・・・・ゴージャスなのよ . . . 本文を読む
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乱歩を巡る言葉26・・・私という謎・少年探偵団同窓会―江戸川乱歩/寺山修司

2006-10-27 | 江戸川乱歩
私という謎・少年探偵団同窓会―江戸川乱歩/寺山修司 講談社文芸文庫 昨日の寺山修司の戯曲「盲人書簡・上海篇」に登場した小林少年はじめ江戸川乱歩のの小説のキャラクター達。彼らは寺山によって面白く拡大解釈されれ、ややもすると揶揄される存在として描かれていた。“前衛”と云う名を欲しいままにした稀代の天才児・寺山、氏が乱歩をどう見ていたかが、俄然気になってきた。そう思っていると、書店で(シンクロしてるな . . . 本文を読む
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乱歩を巡る言葉25・・・盲人書簡・上海篇/寺山修司

2006-10-26 | 江戸川乱歩
盲人書簡・上海篇/寺山修司 寺山修司の戯曲6/思潮社 「天井桟敷」という劇団を引っさげて時代を疾走した寺山修司。ボクはリアルタイムで寺山氏が生きて活躍していた様子はよくは知らないが、彼の死後、妙に気になって寺山の遺産である劇団「万有引力」の芝居を何本か観たりしたことがある。寺山修司の劇作による芝居は、生みの親である主人がそこに居なくても舞台は新鮮で過激、その熱意は間違いなく観客席に届いてきま . . . 本文を読む
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乱歩を巡る言葉24・・・『怪人二十面相・伝』をめぐって/北村想VS中島河太郎

2006-10-25 | 江戸川乱歩
『怪人二十面相・伝』をめぐって/北村想VS中島河太郎 「江戸川乱歩ワンダーランド」/沖積舎 面白くって一気に読んでしまった北村想氏の『怪人二十面相・伝』。それをめぐって第一回江戸川乱歩賞の受賞者でもある中島河太郎氏との対談記事。対談と云うこともあり創作をめぐってのエピソードや北村氏の独特な視点が楽しめる。以下、北村氏の発言の抜粋。 ◇小説を書く動機◇ “シリーズの中に「サーカスの怪人」とい . . . 本文を読む
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乱歩を巡る言葉23・・・怪人二十面相・伝/北村想

2006-10-24 | 江戸川乱歩
怪人二十面相・伝/北村想 出版芸術社 劇作家として名前を聞いたことがある北村想氏が、江戸川乱歩が生んだ最大のキャラクター“怪人二十面相”を主人公とした小説を書いていました。演劇をメインとしている作家による二十面相、意外な取り合わせな気がしました。 実は、小説を読む前、ボクの中の二十面相のイメージが崩れるとイヤだなと内心思いつつ、本の扉を開いたのでした。しかし、いざ読み始めるとそんなこと事前に . . . 本文を読む
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江戸川乱歩の研究?60⇒「鉄塔の怪人」から

2006-10-23 | 江戸川乱歩
木曾山中に巨大な鉄塔を建て、「白ひげのじいさん」に変装し、そこの支配者として君臨せんとする怪人二十面相。着ぐるみのカブトムシに入って日本を制圧しようとする。そのカブトムシ軍隊をつくるため子供達を誘拐し、訓練する。というのもわざわざ着ぐるみのカブトムシに入るわけだから、動きが鈍くなる、引っ繰り返れば足をバタつかせないと元の姿勢に戻れないなど難点が多い。しかし、武器は人の常識を突き破った人並みの大きさ . . . 本文を読む
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江戸川乱歩の研究?59⇒「妖怪博士」から

2006-10-20 | 江戸川乱歩
乱歩の少年向け小説「妖怪博士」を読んでいくと、どこかで見たことがある状景だなと思ったら、ハリソンフォードが主演した冒険活劇「レイダーズ」ではないか! ◆大冒険活劇も見ることができる?奇想 “・・・パッと樽の蓋がとれ、床に落ちた燭台の蝋燭が、メラメラと異様に輝いたかと思うと、その赤茶けた光に照らされて、樽の中から、無数の青い紐のようなものが、もつれながら、床にこぼれ落ちて来るのが眺められました . . . 本文を読む
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江戸川乱歩の研究?58⇒「少年探偵団」から

2006-10-19 | 江戸川乱歩
団塊の世代の憧れのグッズ?ボクは四十も半ばになって江戸川乱歩を発見しました。あの有名な唄“♪ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団 勇気凛々 瑠璃の色・・・♪”は、どこかで聞いて知っていても少年探偵団ごっこをして遊んだ記憶がありません。(ボクなどが遊んだのは忍者ごっこやチャンバラごっこ、そして仮面ライダーの変身ごっこでしょうか) しかし、ボクなどの一つ上の世代である団塊の世代の先輩は、少年探偵団ごっこをして . . . 本文を読む
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江戸川乱歩の研究?57⇒「怪人二十面相」から

2006-10-18 | 江戸川乱歩
明智小五郎の永遠のライバル怪人二十面相。 二十面相にしてもそれは同様であった。 二十面相は、明智に対して最大級のラブコールを送る。そして何度も手をかえ品をかえ二十面相は明智と対決する。それはこれでもか、これでもか!と明智が嫌になってしまうのではと逆に心配してしまうくらいにである。 ◆二十面相のラブコール “「明智君、君は僕が想像していた通りの方でしたよ。最初僕を見た時から気づいていて、気づ . . . 本文を読む
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江戸川乱歩の研究?56⇒「怪人二十面相」から

2006-10-17 | 江戸川乱歩
江戸川乱歩が生み出した最高に魅力的なキャラクター「怪人二十面相」。乱歩の小説はどれも冒頭が素晴らしいと以前にも書きましたが、この「怪人二十面相」も秀逸です。この冒頭の文章でその後の二十面相というキャラクターが定着したといっても過言ではないのではないでしょうか。少々長いのですが、その魅惑的文章を引用したいと思います。 ◆なんたって二十面相 “その頃、東京中の町という町、家という家では、二人以上 . . . 本文を読む
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乱歩No.65・・・<少年探偵団 鉄塔の怪人/1957年>

2006-10-16 | 江戸川乱歩
少年探偵団 鉄塔の怪人   製作:1957年東映 監督:関川秀雄 出演:岡田英次、中村雅子、加藤嘉 第一部の終わりに出てきたカブトムシ・スタイルの戦闘車、目立ってしょうがないのですが、二十面相の手下も宇宙人のような制服=コスプレを着ています。こんな恰好で二十面相のアジトを見張っているわけですから、我々は怪しいですよ、と言っているようなものである。つまり、二十面相らの集団は変なオジさんの集まり . . . 本文を読む
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乱歩NO.64.・・・<少年探偵団 かぶと虫の妖奇/1957年>

2006-10-13 | 江戸川乱歩
少年探偵団 かぶと虫の妖奇  製作:1957年東映 監督:関川秀雄 出演:岡田英次、中村雅子、加藤嘉 前作で二十面相は捕らえられ、刑務所に入っているところから物語は始まります。 この東映製作の二十面相、前作は二枚目であったが、今回は加藤嘉を配役し怪演させます。 さて、二十面相は大胆にも刑務所にヘリコプターを着地させ空へと飛んで行き脱獄に成功します。そして、二十面相は電波をジャック、お . . . 本文を読む
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乱歩NO.63・・・<少年探偵団 二十面相の悪魔/1956年>

2006-10-12 | 江戸川乱歩
少年探偵団 二十面相の悪魔 製作:1956年東映  監督:小林恒夫 出演:南原伸二、中原ひとみ、岡田英次 昨日投稿した「妖怪博士」の続きです。第一部は、二十面相が追い詰められて屋敷を爆破。明智小五郎、少年探偵団、警察らはその屋敷に取り残されている、絶体絶命、その行方は?というところで終わっているのだが、第二部は、瓦礫の中から難なく脱出し、ちょっと拍子抜けのスタートとなります。 傷を . . . 本文を読む
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乱歩NO.62・・・<少年探偵団 妖怪博士/1956年>

2006-10-11 | 江戸川乱歩
少年探偵団 妖怪博士 製作:1956年東映  監督:小林恒夫 出演:南原伸二、中原ひとみ、岡田英次 本日も少年モノの乱歩映画です。一つの話が二部構成となっていて、その一話目。 少年モノの乱歩作品の影の主人公・怪人二十面相は、街を巡回する少年探偵団である子供の興味を惹くために、片足の怪しげな浮浪者に変装し何やら変なマークを路上に書き連ねながら歩いていきます。子供の視点からすると、これは . . . 本文を読む
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