■製作年:2008年■監督:キム・テギュン ■出演:チャ・インピョ、シン・ミョンチョル、他
昨年見たいと思いながら見逃してしまった映画「クロッシング」を見た。ちょうどタイムリーと言っていいのか北朝鮮の金正日総書記が今月の19日に死亡した。今後は三男の金正恩へと権力が移行するだろうとマスコミは報道している。社会主義なのか共産主義なのかわからな . . . 本文を読む
→下高井戸シネマにて
■製作年:2008年
■監督:ハイレ・ゲリマ
■出演:アーロン・アレフェ、アビュユ・テドラ、テジェ・テスフェウン、他
以前、映画館で見かけたこの映画「テザ 慟哭の大地」のチラシ、そこにはまずエチオピアの映画であることと、ヴェネチア国際映画祭で3つもの賞を受賞しているということなどが書かれてあり印象に残ったものでした。アフリカ大 . . . 本文を読む
私の年齢は50歳、中年の域に達している東京在住の男です。10年以上前に父を亡くし母が関西方面で一人暮らしをしています。老いた母親は幸い健康で活発に行動していますが、年齢も年齢なのでいつ何時体の具合が悪くなるかわかりません。男にとって母親とは特別な存在であるとよく言われています。もし母親がこの世からいなくなってしまった時、私の中でどういった感情が湧きあがってくるのでしょうか?大きな喪失感を得るのでし . . . 本文を読む
谷崎潤一郎の「人面疽」を読み朗読CDを聞いたのは昨日書いた通りで、その「人面疽」にはもう一枚朗読CDがあることを知った。朗読者は個性派俳優で知られる蟹江敬三である。同じ小説を朗読するにしても俳優が違うとその印象も変わるに違いない。朗読を聞くことの効用はこれまで何度も書いた通り、ならばそれを聞いてみようと。
森山周一郎が読む「人面疽」はどこか近代化されていくモダンな日本という空気を . . . 本文を読む
谷崎潤一郎の怪異小説「人面疽」の話は、歌川百合枝という女優が海外で撮った自分が主演している映画が本人の知らぬところで密かにあちこちの映画館で上映されているというとことから始まる。英語の原題は「人間の顔を持った腫物」というもの。その内容は、華魁の菖蒲大夫に恋い焦がれる醜顔の乞食が、彼女に騙されたことに恨みを持って自殺してしまう。彼女は白人の男性と恋愛関係にあった。やがで彼女の膝には人の顔のような腫物 . . . 本文を読む
■放送:2010年2月TBS系■監督:橋本光二郎■出演:加藤ローサ、寺田農、夕輝壽太
過去にBUNGO日本文学シネマと題されて放送されたテレビ番組の作品です。原作は昨日アップした谷崎潤一郎の「富美子の足」。谷崎足フェチ文学作品の映像化ということで、加藤ローサが富美子を演じて、綺麗な御足を披露しています。基本は谷崎の原作を忠実に描いており、足フェチの老人・塚越(=寺田農)が死期にお . . . 本文を読む
谷崎潤一郎の小説「富美子の足」を読んた。作品は25歳になる野田宇之吉という美術学校の学生から谷崎潤一郎に宛てた手紙という形式をとっている。登場人物は、隠居と呼ばれている質屋を営んできた塚越という初老の男が61歳、宇之さんと呼ばれている主人公の美術学生の宇之吉が19歳、芸者あがりの娘で塚越の妾である富美子が17歳、この微妙なバランスの3人。内容はそのタイトルからも連想できるように、もろに足フェチをテ . . . 本文を読む
■日時:2011年12月17日(土)、19:00~
■劇場:吉祥寺シアター
■原作:谷崎潤一郎
■演出:鈴木忠志
■出演:蔦森皓祐、高野綾、藤本康宏、竹森陽一、木山はるか
昨日のブログの記事に書いてきたように吉祥寺シアターで上演された劇団SCOTの「別冊 谷崎潤一郎」を見てきました。演出家の鈴木忠志は、実は初めて見る方の作品なのですが、演劇祭「利賀フェスティバル」やスズキ . . . 本文を読む
谷崎潤一郎の短編小説「或る調書の一節」を読みました。時間にして30分もあれば読めてしまう短編なのですが、それをどこで読むことができるのか、わざわざ探したのです。なぜかというと鈴木忠志の劇団SCOTによる「別冊・谷崎潤一郎」という演劇公演を見る予定にしているためで、このお芝居は谷崎の「或る調書の一節」と「お国と五平」をベースにしたものらしいから。
短編に登場するのは何人もの女性と遊 . . . 本文を読む
■製作年:1952年■監督:成瀬巳喜男 ■出演:木暮実千代、大谷友右衛門、山村聡、田崎潤、他
名匠・成瀬巳喜男監督の「お国と五平」は谷崎潤一郎が原作の映画です。もとの谷崎のものは一幕ものの戯曲で、私も2年前の8月に歌舞伎座で坂東三津五郎と中村扇雀が主演したものを見ています。今回この古い映画を見るにあたり、私は谷崎の書いた戯曲を読んでみました。戯曲はほとんどがお国と五平の会話で費やされ、その会話の . . . 本文を読む
寺山修司が死の直前まで谷川俊太郎が交わしたビデオレターを見ました。寺山と谷川は彼等が社会的に大きく成功する前の若かりし日から交流があったそうで、谷川から寺山に宛てた第一信のビデオには若かりし日の寺山や谷川、交流のあった武満徹のモノクロームの写真が映し出されます。そして部屋にいる寺山の背後の壁には演劇「血は立ったまま眠る」のポスターが。その映像に対する寺山の返信が予想外でインパクトがあります。ブツブ . . . 本文を読む
今週は寺山修司づいてます。その寺山が名作童話を揶揄した「ぼくが狼だった頃 さかさま童話史」を読みました。母親が子供に読んで聞かせる童話が、実は○×△□ではないのか?と寺山修司流に解読したもの。後書きで《特にしつけのやかましい家庭に育った訳でもないのに、私は大人になったら「名作童話に復讐してやりたい」と思っていた。ピノキオがポルノだったり、はだかの王さまが形而上学者だったり、赤ずきんがニ . . . 本文を読む
初台にあるライブハウス「ドアーズ」で先週の土曜日に開催された「第3回 寺山修司音楽祭」へ行きました。お目当てはゲストの新高恵子、私にとっては伝説で幻の天井桟敷トップ女優。昨日には彼女の自伝の本を読んだことを記事にアップした通りです。そして面白いことにこのイベントで唄われた歌は全く意識していなかったのですが、これまた事前にビデオを見ていた「時代はサーカスの象にのって」でした。
まず . . . 本文を読む
寺山修司が率いた「天井桟敷」の看板女優・新高けい子さん。私は彼女が演じた舞台を見たことがありません。彼女を感じることができるのは、残されている「天井桟敷」のスナップ写真であり、寺山が監督した映画に出演している映像であり、「天井桟敷」の舞台を収録したヴィデオであり、CDであります。それらは、かれこれ3~40年以上も前の出来事なのだから少ないなと思ってしまうのも致し方ないのですが、そのほんの僅かなもの . . . 本文を読む
■収録:1984年6月2日パルコパートⅢ
■作:寺山修司
■演出:萩原朔美
■出演:MIE、高見恭子、巻上公一、蘭妖子、昭和精吾、若松武、下馬二五七、他
寺山修司が1969年に渋谷に天井桟敷館なるものを作って(私はそれを後年写真でしか見たことがありません)そこでロングラン上演をした「時代はサーカスの象にのって」を15年後に同じ渋谷のパルコにて再演したものを収録したビデオです . . . 本文を読む