三遊亭円朝の「真景累ケ淵」の中に
◎作「お賤さんこれが累の墓だ」
◎賤「おやまア累の墓というと、名高いからもっと大きいと思ったら大層小さいね」
◎作「小さいって、これがどうも何と二十六年祟ったからねえ、執念深え阿魔も有るもので、この前に助と書いてあるが、これはどういう訳か累の子だというが、子でねえてねえ、助というのは先代の与右衛門の子で、これがの継母に虐められ川の中へ打流されたんだという、それが . . . 本文を読む
昨日も書いたとおり、これまで何本かの怪談「累ケ淵」を観てきましたが、一番怖いなと思ったのがこの漫画でありました。絵的にオール焦点的なギッシリ詰まった感があり、多少疲れるものの、随所に映像的に見せても非常に効果的だなという、コマワ割りというのか、漫画としての演出があり、それが非常に効を奏しているのだ。そしてなにより真正面から四つに取り組んでいるのがいい。
昨日書いた三遊亭円朝の原作における豊志賀の . . . 本文を読む
泉鏡花のお芝居が間に入ったが、また「累ケ淵」の話題に戻りたい。
つい先日まで映画になった怪談「累ケ淵」を何本か観てきたが、実際の三遊亭円朝の原作はどうなんだろうかと本を探してみるとこれがけっこう分厚い。円朝の落語を速記したものが新聞に連載され、それが本になったそうだ。そこそこの厚さではあるが、まア、話言葉で書いているため読みやすくなっているかとチャレンジしたのであります。
読んでいくとこれがけ . . . 本文を読む
七月大歌舞伎「夜叉ケ池」
■日時:2008年7月26日(土)17:00開演
■劇場:歌舞伎座
■作:泉鏡花
■監修:坂東玉三郎
■演出:石川耕士
■出演:市川春猿、市川笑三郎、市川段治郎、市川右近、他
昨日の「高野聖」の続き七月大歌舞伎です。初の歌舞伎座、最初の演目は「夜叉ケ池」でありました。舞台の始まりは鐘の音。舞台という人工的空間にリアルな鐘の音は、まさにこれから異次元へと誘うしるしでもあ . . . 本文を読む
七月大歌舞伎「高野聖」
■日時:2008年7月26日(土)17:00開演
■劇場:歌舞伎座
■作:泉鏡花
■補綴・演出:石川耕士、坂東玉三郎
■出演:坂東玉三郎、市川海老蔵、中村歌六、他
昨日、泉鏡花原作のお芝居を歌舞伎座で観てきました。実は歌舞伎座初体験であったのですが、6月に観た新派公演の「婦系図」といい泉鏡花に関心が湧いてきたゆえの歌舞伎座詣でとなったわけです。(ですから歌舞伎も全く初体 . . . 本文を読む
「怪談累が淵」
■製作年:1960年
■配 給:大映
■監 督:安田公義
■出 演:中村鴈治郎、中田康子、北上弥太朗、浦路洋、他
映画「怪談」を観たのがきっかけで、あの有名な怪談「累ケ淵」とはこういった話なの?と当方はその話をあまり知らず、ならばといろいろな「累ケ淵」を観てやれという気になってきて、こんな流れになってしまっているのですが…。そんなわけで今回も大映配給、安田公義監督の「累ケ淵 . . . 本文を読む
<怪奇十三夜>「怪談累ヶ淵」
■放送:1971年・日本テレビ系列
■監督:中川信夫
■原作:三遊亭円朝
■出演:横内正、中谷一郎、木村俊恵
「怪奇十三夜」という番組があった。おそらくボクが小学校の6年生の時にテレビで放送されていたような記憶がある。というのは放送された翌日に、その内容がクラスで話題になったような記憶がうっすらとあり、それが小学6年生と結びついているからである。(記憶違い . . . 本文を読む
怪談累が淵
■製作年:1957年
■配 給:新東宝
■監 督:中川信夫
■主 演:和田孝、高田幸子、丹波哲郎、
先日観た中田秀夫監督の「怪談」があまりおもしろくなかった。しかしそれがきっかけで、だんだんと累ケ淵のことが気になってきて、今度は、怪談映画を撮るらせたらとその名も高い中川信夫監督の作品を観てみることとしまた。
以下、この1時間強の古いモノクロ映画を観て感じたことつらつらと書き . . . 本文を読む
昨日アップした映画「怪談」、原作となった三遊亭円朝の「真景累ケ淵」、子供の頃は夏のこの時期になるとその名前はよく目に入ってくるものの(最近は古典的な怪談物はメッキリ減ってしまいましたが)、話自体はよく知らなかったわけです。そこで他はどうなっているんだろうという素朴な疑問が。
ここはひとつ以前からチェックしていた人間国宝にもなった一龍斎貞水の怪談話を見てみようかなと。貞水の怪談ビデオが図書館にあっ . . . 本文を読む
■製作:2007年
■監督:中田秀夫
■出演:尾上菊之助、黒木瞳、井上真央、麻生久美子
「リング」や「女優霊」を監督、ジャパニーズ・ホラー・ブームを巻き起こし、一躍人気監督の仲間入りを果たした中田秀夫が、日本の怪談話を題材に映画を創った。それがこの「怪談」で、先日CS放送で流されそれを観ました。原作は三遊亭円朝の「真景累ケ淵」、この著名な怪談話ですが、恥ずかしながら、実はその話よくは知りません . . . 本文を読む
「知るを楽しむ・私のこだわり人物伝/横溝正史」(NHK教育テレビ番組6月放送)
6月のNHK教育テレビの番組「知るを楽しむ・私のこだわり人物伝」に小説家・真山仁をナビゲーターとして横溝正史が登場した。実はボクは、江戸川乱歩の小説については、このブログを始めると同時に読み始め、それとともに乱歩の記事を連続して書いてきたのだが(だから乱歩の小説を読んだのはほんの数年前からとなる)、横溝正史の小説は全 . . . 本文を読む
「身毒丸2000」
■収録:2000年10月
■劇場:東京芸術劇場小ホール1
■作:寺山修司
■演出:長野和文
■出演:稲垣悟、井上美千代、今力、小出達彦、他
演劇集団「池の下」は寺山修司の全作品を上演するという計画を標榜している。今回のものはその過去公演を収録したビデオである。「池の下」の公演チラシはあの丸尾末広が描いており、文句なく素晴らしい。寺山修司に見ることができるオドロオドロしい面が . . . 本文を読む
「身毒丸」作曲:J・A・シーザー
寺山修司の世界を語るには欠かせない存在が、このブログでも何度か登場しているJ・A・シーザーの音楽であります。それがあまりに独特な世界を持っているため、よくもわるくも寺山修司という存在を思いうかべる時、同時にシーザーの音楽も一緒についてくるくらいです。もしかしたら、シーザーの音楽がなかったらここまで寺山修司に対して興味を持つことがなかったかもしれません。それほどに . . . 本文を読む
「身毒丸」(1978年)
■収録年:1978年
■劇場:新宿紀伊國屋ホール
■台本:寺山修司、岸田理生
■共同演出:寺山修司、J・A・シーザー
■音楽・作曲:J・A・シーザー
■出演:新高恵子、蘭妖子、若松武、サルヴァドール・タリ、他
天井桟敷による寺山修司演出の「身毒丸」。貴重な映像なのですが、録音状態もよくなく画面も暗く細部までよく見えないのが残念です。もともとこの「身毒丸」はどれが現実で . . . 本文を読む
「身毒丸」(1995年・2002年)
■作:寺山修司/岸田理生
■演出:蜷川幸雄
■出演:武田真治(1995年)、藤原竜也(2002年)、白石加代子、蘭妖子、石井愃一、他
ビデオ&DVDで出ている蜷川幸雄演出による「身毒丸」を立て続けに2本観た。以前に記事として書いた埼玉における公演と、細部は若干違いがあるかもしれないが、概ね同じである。記憶の再構成に役立ったというか。基本的にはオドロオドロ . . . 本文を読む