飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

鏡花幻想譚への接近#89・・・鳥山昌克一人語り「眉かくしの霊」(DVD)

2011-06-30 | 泉鏡花
インターネットで泉鏡花を検索していると、彼の作品を一人芝居で演じたものを記録した自主DVD作品があることを見つけました。扱われた鏡花の作品は「眉かくしの霊」。さっそくそれを購入してみました。演じるは鳥山昌克という役者さん。プロフィールを見ると唐十郎の「唐組」に所属する方らしい。となれば間違いないかと思いながらも、どのような感じのものなのか届くまでわかりません、その期待感がなんとも新鮮です。いずれに . . . 本文を読む
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鏡花幻想譚への接近#88・・・「眉かくしの霊」を読む

2011-06-29 | 泉鏡花
泉鏡花の「眉かくしの霊」を読みました。例によって鏡花の文体は読む側に読解力とそれによるイメージ構成力の豊饒さを要求するもので、物語の展開を把握するのが正直難解だなあと。特にこの小説は短編でありながらも一筋縄じではいかないような構造を持っていて、悪戦苦闘しながら読んだのでした。しかし、難解であるという一方で鏡花の小説は毎回読むとその才能と驚きを感じずにはいられず、他の小説家では味わえない独特の特徴が . . . 本文を読む
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鏡花幻想譚への接近#87・・・静岡県舞台芸術センター『天守物語』(野外劇場「有度」)を見た

2011-06-28 | 泉鏡花
■日時:2011年6月25日(土)、19:30~ ■劇場:舞台芸術公演・野外劇場「有度」 ■作:泉鏡花 ■演出:宮城聰 ■出演:美加理、阿部一徳、大高浩一、本多麻紀、他   野外演劇による泉鏡花の「天守物語」を見てきました。場所は私の住んでいる東京から少し遠い静岡でです。静岡県舞台芸術センター主催の「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」という企画の上演演目の一つなので . . . 本文を読む
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狂咲き万歳!鶴屋南北の世界17 コクーン歌舞伎「盟三五大切」(シアターコクーン)

2011-06-27 | 鶴屋南北
■日時:2011年6月25日(土)、12:00~ ■劇場:シアターコクーン ■作:鶴屋南北 ■演出:串田和美 ■出演:中村橋之助、尾上菊之助、中村勘太郎、笹野高史、他   コクーン歌舞伎「盟三五大切」を見に行きました。歌舞伎を見るのは久しぶりです。演目が鶴屋南北の「盟三五大切」なのでこれは見なきゃって感じで足を運びました。というのも、この作品によって戯作者・鶴屋南北という存在 . . . 本文を読む
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男達は過剰を目指す。ヘルツォークのシネマ#4「コブラ・ヴェルデ 緑の蛇」を見た

2011-06-23 | Weblog
■製作年:1987年 ■監督:ヴェルナー・ヘルツォーク ■出演:クラウス・キンスキー、他   シアター・イメージフォーラムで開催中(~6/24まで)の「ヘルツォーク傑作選2011」で、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の「コブラ・ヴェルテ 緑の蛇」を見ました。ヘルツォークと言えば、代名詞のように「アギーレ 神の怒り」や「フィツカラルド」が想起され、大自然と格闘する狂気を帯びた男の話を連 . . . 本文を読む
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男達は過剰を目指す。ヘルツォークのシネマ#3「The Wild Blue Yonder」を見た

2011-06-22 | Weblog
■製作年:2005年 ■監督:ヴェルナー・ヘルツォーク ■出演:ブラッド・ドゥリフ   昨日に続き、シアター・イメージフォーラムで開催中(~6/24まで)の「ヘルツォーク傑作選2011」で上映されているヴェルナー・ヘルツォーク監督の日本未公開作品を見た。映画の冒頭、人間の恰好をしたアンドロメダ星人、彼が実は自分らの星が壊滅的になって移住するために相当前から地球にやってきているのだ . . . 本文を読む
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男達は過剰を目指す。ヘルツォークのシネマ#2「My Son,My Son,What HaveYe Done」を見た

2011-06-21 | Weblog
■製作年:2009年 ■監督:ヴェルナー・ヘルツォーク ■出演:マイケル・シャノン、ウィレム・デフォー、クロエ・セヴィニー、他   シアター・イメージフォーラムで開催中(~6/24まで)の「ヘルツォーク傑作選2011」で上映されている「My Son,My Son,What Have Ye Done」を見ました。母親殺しの青年の話で実話を映画化したものだ。日本未公開作品でファンも多 . . . 本文を読む
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映画「ドリーム・ホーム」(監督:パン・ホーチョン)を見た

2011-06-20 | Weblog
■製作年:2010年 ■監督:パン・ホーチョン ■出演:ジョシー・ホー、イーソン・チャン、デレク・ツァン、他   映画館で映画を見ることが今年になってから多くなり、そこで入手するチラシで面白そうな映画を探すのがちょっとした楽しみになっています。そんな中でこの映画を見つけたのです。それは香港のパン・ホーチョン監督の作品。熱狂的な支持者がいるのにこれまで一本も日本では一般公開されてい . . . 本文を読む
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「破天荒の浮世絵師 歌川国芳 豪快なる武者と妖怪」展(太田記念美術館)を見た

2011-06-17 | 美術&工芸とその周辺
面白い。断然、断トツに面白かったです! 太田記念美術館で開催中の「歌川国芳」展を見に行きました。この国芳展は前後期の2回に分けて開催され、今回見てきたのは「豪快なる武者と妖怪」のパートとなります。歌川国芳は去年にも府中市立美術館でも開催され見に行ったのですが、それには展示されていなかった絵も多くあり、見応え十分の内容でした。会場も程よい混み具合で、最近の人気の展覧会の現象としてよく見られる人 . . . 本文を読む
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鏡花幻想譚への接近#86・・・「貝の穴に河童のいる事」を読む

2011-06-16 | 泉鏡花
渋谷で上演された泉鏡花の素材をテーマとした合唱オペラを見に行ったのはすでに書いた通りです。その演目の中にあったオペレッタ「貝の穴に河童のいる事」、合唱の部分の言葉が聞き分けることができず、途中、話の筋を見失ってしまったと書きました。そこでどんな話かと、私は原作にあたってみることにしました。どうでしょう。最初に舞台のパフォーマンスを見ていたのでサラサラと読めるものかと思っていました。ところがどっこい . . . 本文を読む
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鏡花幻想譚への接近#85・・・コーロ・カロス公演「アシタノキョウカー泉鏡花を歌うー」を見た

2011-06-15 | 泉鏡花
■日時:2011年6月8日(水)、19:15~ ■劇場:渋谷区文化総合センター大和田さくらホール ■作曲:林光 ■作・演出:加藤直 ■指揮:栗山文昭 ■歌:コーロ・カロス   コーロ・カロスという団体による合唱オペラ「アシタノキョウカー泉鏡花を歌うー」を見に行きました。もともと合唱というジャンルには馴染みがないのため、こうした公演は初めてといっていいでした。上演のテーマが< . . . 本文を読む
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鏡花幻想譚への接近#84・・・漫画「天守物語」池上遼一

2011-06-14 | 泉鏡花
漫画家・池上遼一による泉鏡花の「天守物語」を漫画化したものを読みました。以前、同じ池上遼一による江戸川乱歩の「お勢登場」を漫画化したものを読んで、このブログの記事にもアップしたことがあるのですが、こちらの漫画は乱歩の世界を絶妙に描いていました。特に男を死に至らしめる時の女の狂気、残酷さを視線だけで見事に表現していました。   ただこの「天守物語」については、池上遼一の精密でリアルなタ . . . 本文を読む
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鏡花幻想譚への接近#83・・・少年社中演劇公演「天守物語」を見た

2011-06-13 | 泉鏡花
■日時:2011年6月5日(日)、14:00〜■劇場:吉祥寺シアター■原作:泉鏡花■脚色・演出:毛利旦宏■出演:あづみれいか、甘浦裕介、堀地直毅、井俣太良、大竹えり、岩田有民、他   自宅から一番近い劇場が吉祥寺シアター、そこで少年社中の「天守物語」を見ました。この劇場は近くといいながら実は初めてでした。なかなかいい感じなんだけど商店街から少しだけ離れているところがある . . . 本文を読む
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NHK「浮世絵ミステリー 写楽 天才絵師の正体を追う」(5/8放送)

2011-06-10 | 美術&工芸とその周辺
昨日の記事のテーマにした江戸の街に彗星の如くあわられ活躍し、忽然と消えた絵師・写楽。その写楽とは一体誰なのか?なぜ忽然と消えたのか?諸説が渦巻く写楽の正体論、これまでいろいろな方がそれを唱えてきました。NHKは東京国立博物館で開催されている「写楽」展に合わせるように、写楽と誰なのか?という日本美術の謎に迫る番組を放送していました。(今年の5月8日に放送)   その番組によると、200 . . . 本文を読む
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「写楽」展(東京国立博物館)を見た

2011-06-09 | 美術&工芸とその周辺
東京国立博物館で開催中の「写楽」展を見ました。寛政6年(1794)の江戸に突如登場し僅か約10ヶ月間という短い期間活躍して消えた謎の絵師、写楽!現存する作品は145図にすぎず、さらに写楽を写楽たらしめているのは登場したときに描いた大首絵と呼ばれるほんの28図。デビューですごい才能を見せた写楽は、あまり記録が残っておらず、一体誰だったのかと様々な説が飛び交う後世にまで話題を提供するあの写楽です。 . . . 本文を読む
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