映画「ローラ」（監督：ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー）を見た

■製作年：１９８１年1981年■監督：ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー■出演：バーバラ・ズコヴァ、アルミン・ミューラー＝シュタール、他   結局、渋谷のイメージフォーラムで開催中のライナー・ベルナー・ファスビンター監督の特集上映（３作品）を全部 見てしまうことになりました。今回見た「ローラ」は戦後復興してくるドイツの利権渦巻く中、欲望に忠実な裏の歴史を一人の娼婦を通して描いた作品 . . . 本文を読む

映画「マルタ」（監督：ライナー・ヴェルナー・ファスビンター）を見た

■製作年：１９７５年 ■監督：ライナー・ヴェルナー・ファスビンター ■出演：マルギット・カルステンセン、カールハインツ・ベーム、他   ３０年ぶりに見たライナー・ヴェルナー・ファスビンター監督の「マリア・ブラウンの結婚」が面白かったので、特集上映をしているイメージフォーラムで同じ監督の「マルタ」も見ました。前半少しかったるく実は頭がボーッとして意識が飛んでしまう部分も正直ありまし . . . 本文を読む

映画「マリア・ブラウンの結婚」（監督：ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー）を見た

■製作年：１９７９年■監督：ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー ■出演：ハンナ・シグラ、クラウス・レーヴィッチュ、イヴァン・デニ、他   今年といってももう残り僅かなのですが、２０１２年はドイツのニュー・ジャーマン・シネマの旗手とされたライナー・ヴェルナー・ファスビンター監督の没後３０年にあたるようで、渋谷の映画館イメージ・フォーラムでファスビンター監督の特集を組んでおり、それを見 . . . 本文を読む

映画「恋のロンドン狂騒曲」（監督：ウディ・アレン ）を見た

■製作年：２０１０年■監督：ウディ・アレン  ■出演：ナオミ・ワッツ、アントニオ・バンデラス、アンソニー・ホプキンス、他 「人生は単なる空騒ぎ。意味など何ひとつない」シェイクスピアの戯曲「マクベス」の台詞の引用から始まり、その言葉が印象に残るウディ・アレン監督の映画「恋のロンドン狂騒曲」を新宿武蔵野館で見ました。久々に映画館で見たウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」が最高 . . . 本文を読む

音楽音痴のＪＡＺＺ楽聴＃８…デクスター・ゴードン②

デクスター・ゴードンが奏でる音楽は、豪快にして悠然な印象を与えてくれます。それは私に大人の、成熟した男性のイメージを換気させてくれます。ジャズに詳しい私ではありませんが、彼の音楽にはさほど目新しさは感じません。しかし、その包み込むような豪快にして悠然なサックスの音色は中年の域にずっぽりはまって人生の目新しさはどこにあるんだろうかとどこかで思いながら決まりきった日常を漂っている私に、いやいや大人の男 . . . 本文を読む

音楽音痴のＪＡＺＺ楽聴＃７…デクスター・ゴードン

今日取り上げようとしているのはテナー・サックス・プレイヤーのデクスター・ゴードンです。ジャズ・プレイヤーについて書くのは３人目ですが、偶然なのか、気になるのはどのプレイヤーも薬中毒になり、若死にしていることです。このデクスター・ゴードンも若死にはしていないものの薬で身を持ち崩した経験があります。華々しくデビューしこれからという時に、１９５２年ヘロイン所持で投獄、５５年に仮釈放されたものの麻薬を断ち . . . 本文を読む

都会の風よ！ジョン・カサヴェテスの映画＃９・・・「グロリア」

■製作年：１９８０年 ■監督：ジョン・カサヴェテス ■出演：ジーナ・ローランズ、ジョン・アダムス、バック・ヘンリー、ジュリー・カーメン、他 ジョン・カサベテス監督の「グロリア」は私が見てきた映画の中でも指折りの傑作と言いたい作品です。いきなりの導入部がとても素晴らしいのです。哀愁漂うフラメンコ・ギターとともに都市を描いた抽象的な絵、そしてサックスによるJAZZYなのメロディにのって都市の絵は . . . 本文を読む

都会の風よ！ジョン・カサヴェテスの映画＃８・・・「ビッグ・トラブル」

■製作年：１９８６年 ■監督：ジョン・カサヴェテス ■出演：ピーター・フォーク、アラン・アーキン、ビヴァリー・ダンジェロ、チャールズ・ダーリン、他   ジョン・カサヴェテス監督の映画「ビッグ・トラブル」を見ました。この作品はカサヴェテス監督の一連のものに比べると比較的ストーリーがあり、時間も短く、見やすい？部類のものと言えるでしょう。テイストといえば、ちょっとしたサスペンス風に仕 . . . 本文を読む

都会の風よ！ジョン・カサヴェテスの映画＃７・・・「ラヴ・ストリーム」

■製作年：１９８４年■監督：ジョン・カサヴェテス  ■出演：ジーナ・ローランズ、ジョン・カサヴェテス、ダイアン・アボット、他 「ラヴ・ストリーム」はジョン・カサベテスの自宅で撮影されたそうです。そして登場するのは監督本人＝ジョン・カサベテスとその妻であるジーナ・ローランズ、実生活では夫婦であるところを、映画では兄弟として演じています。カサベテスは流行小説家でひたすら女好きで自宅にも . . . 本文を読む

都会の風よ！ジョン・カサヴェテスの映画＃６・・・「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」

■製作年：１９７６年 ■監督：ジョン・カサヴェテス ■出演：ベン・ギャザラ、ティモシー・アゴレア・キャレイ、シーモア・カッセル、ロバート・フェイリップス、他 ジョン・カサベヴェスの「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」を見ました。主人公はＬ．Ａ郊外で女性のヌードを売り物にするバーレスク・ダンスを見せる一見ショーパブのような風俗店を経営しているコズモと呼ばれる男であります。演じているのはカサヴェ . . . 本文を読む

都会の風よ！ジョン・カサヴェテスの映画＃５・・・「オープニング・ナイト」

■製作年：１９７７年 ■監督：ジョン・カサヴェテス ■出演：ジーナ・ローランズ、ジョン・カサヴェテス、ベン・ギャザラ、他   ジョン・カサヴェテス監督の映画「オープニング・ナイト」も他のカサヴェテス作品同様に個性的な作品でした。こんな映画みたことないと思いながらも、見続けるにつけ、なるほどこういう映画もあるよな、と最後は思わされる見応え充分の秀作でした。話はいたってシンプルなので . . . 本文を読む

都会の風よ！ジョン・カサヴェテスの映画＃４・・・「こわれゆく女」

■製作年：１９７５年 ■監督：ジョン・カサヴェテス ■出演：ジーナ・ローランズ、ピーター・フォーク、他   これまでジョン・カサヴェテスの作品を続けて見てきているが、彼がこんなヘビーな映画を撮っていたなんて露知らずにいた。この「こわれゆく女」も同様ヘビーな映画である。ある家族の、夫と妻子供が３人の、家族の日常の一断面を描いた映画がここまで重苦しいとは、映画を見はじめるまで誰が予測 . . . 本文を読む

都会の風よ！ジョン・カサヴェテスの映画＃３・・・「ハズバンズ」

■製作年：１９７０年 ■監督：ジョン・カサヴェテス ■出演：ジョン・カサヴェテス、ピーター・フォーク、ベン・ギャザラ、他   ジョン・カサヴェテス監督の「ハズバンズ」とはハズバンドの複数形、つまり３人の夫（男）たちの話であります。この３人の夫、基本的に仕事もしっかりあり、結婚し家庭をもった立派な大人であるのですが、友人の葬儀に出席した冒頭からどこかおかしく徐々に普段は締めているで . . . 本文を読む

都会の風よ！ジョン・カサヴェテスの映画＃２・・・「フェイシズ」

■製作年：１９６８年 ■監督：ジョン・カサヴェテス ■出演：ジョン・マーレイ、ジーナ・ローランズ、リン・カーリン、シーモア・カッセル、他   ジョン・カサヴェテス監督の「フェイシズ」は、とにかく乱痴気騒ぎというか悪ふざけ、悪態が延々と続く映画なのです。この映画に何かの劇的な展開を期待することはできません。カサヴェテスはインディペンデント映画の父といわれるようにハリウッドの映画制作 . . . 本文を読む

都会の風よ！ジョン・カサヴェテスの映画＃１・・・「アメリカの影」

■製作年：１９５９年■監督：ジョン・カサヴェテス  ■主演：レリア・ゴルドーニ、ヒュー・ハード、ベン・カラザース、他  この映画を見ていて思い出したのが、ゴダールの「勝手にしやがれ」であり、フェリーニの「甘い生活」です。調べるとこの２作品、「アメリカの影」と全く同時期に製作されていました。これには驚きました。「勝手にしやがれ」はパリの、「甘い生活」はローマの、「アメリカの影」 . . . 本文を読む