新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月26日 #1

2015-06-26 07:39:23 | コラム
実に半年ぶりに商社マンと懇談した

当方にとっては感動の再会だった。彼は多忙中に時間を割いて新大久保駅まで来てくれて、11時過ぎから昼食会となった。彼は私の顔を見るなり「メールから想像していたのとは全く異なって顔付きは窶れてもおられず痩せたとも見えないし、半年前と変わっていないのでは」と嬉しいことを言ってくれた。約1時間語り合えたのは本当に有り難かった。

彼は「大手商社の業績は順調で、一般的に見ても景気は確かに回復軌道上にあるが、残念ながら紙パルプ業界は蚊帳の外である。特にあの為替では輸入紙を買って下さるような奇特な需要家はほとんどおられず、担当分野では海外メーカーとともに苦戦が続いている」と嘆いて見せた。これは以前から商社の内部では言われていたことだが「新卒で入社した際に配属された部門次第では不運な巡り合わせになることがある」のだ。

私は今年になってから一度も行く機会がなかったのだが、彼は「ヨドバシカメラやビックカメラのような量販店ではコピー用紙のように圧倒的に輸入紙が安く売られていたものが、今や高品質というかユーザーが信頼するに足ると思っておられる国産紙の方が経済的な価格になっているので驚かされる。体調が整ったならば是非一度市場調査に行かれては」と勧めてくれた。この逆転現象は理解出来るが、需要が何時まで続くかの心配もせねばなるまい。

次ぎに今となっては当方には全く縁がない就活の話を聞かせてくれた。お嬢さんが某私立大の4年生で目下懸命である由だが、大手企業(上場会社のことかな)は7月から解禁のために、現時点ではそれ以下の規模の会社が狙いで、そこでは大手に獲られる前にこれと思う学生の確保に懸命であり、学生の方も今のうちにある程度以上の企業の確保(内定とは言わないのだとか)に励んでいるのが実態である由だった。

当方は大手等で採用されている「エントリーシート」なるものはマスコミ報道でしか知らなかった。ところがこれが現時点では大変なことになっているのだそうだ。即ち、会社訪問であれば物理的には近隣しか回れないが、コンピュータを使うとなれば日本全国からこれという会社にはエントリーが殺到するので、接続出来ないことがあるし、その数も万単位になっているのだとか。ICT化進捗のコインの裏側が見える現象だ。

お嬢さんは方々でアルバイトをされてきたそうで、外食産業等では如何に多くの学生が働いているかは想像以上だった。彼女の場合には経験と能力を評価されて言わば管理職的な地位を与えられ、望むならば卒業後には何時でも社員に登用すると保証されていたとか。そこには巷間噂されている「ブラック」とやらの範疇に入れられそうな企業もあり、その背景には人不足があると思わざるを得ない実態もあるようだった。

以上が公開する価値がある話題だったが、後は言わば久闊を叙した形で(は大袈裟か?)、私的な話題が多かった。彼もそろそろ定年と年金受給開始年齢が気になっており、そういうことには当方が経験を披露出来た次第だった。日頃から家内に「おしゃべり」と批判されているので、1時間も語れたことで快感を味合うことが出来て体調が極めて安定した午後を過ごすことが出来たのは望外の幸せだった!



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