新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月19日のスポーツ中継

2018-10-20 08:22:34 | コラム
スポーツ雑感:

19日はヴァレーボールとNPBのクライマックスの中継放送をザッピング(カタカナ語の如きだが、元の英語は zappingである)で見ていた。

女子のヴァレーボール:
先ずは野球中継よりも後で始まった女子の世界ヴァレーボールの日本対アメリカの試合に注目していた。世界のランキング2位のアメリカが6位の我が代表と5位を争う決定戦をするという点に興味があったのだ。この世界ヴァレーボールの試合はいくつか見てきたが、善戦健闘して来た我が国の代表選手たちにとっては非常に残酷な競技に思えてならなかった。如何に鍛え抜かれた技術と技巧と懸命な守りを「一丸となって」展開しても、所詮は外国人との「身長の差」と「身体能力」の前には「上手いことは無類に上手いのだが」という結果に終わってしまった。

私は「身長の差」という風に表現したが、あらゆるスポーツ中継では何処の局アナか解説者が言い出した表現かが不詳だが、「高さがある」という(私に言わせれば「珍妙な日本語」がテレビ中継用語集とでもいえば良いかと思わせるマニュアルに載っているようだ」遍く普及してしまった。人の身長を捉えて「高さがあります」と恰も山の高さのように言うのがおかしいと思わない彼らの国語力をあらためて批判したい。それとも、あれはスポーツ界の隠語か符丁(=slang)ででもあり、テレビ局も従えとでも命じられているのか。

話が逸れた。長い年月かけて我が国独特のヴァレーボールの技術を創造して若い選手たちを鍛え上げてきたのだと私は見ているが、昨夜解説者の川合俊一がいみじくも嘆きの口調で述べた「我が国の女子選手にも198 cmと言ったような選手が現れれば」辺りが、核心を突いていると思う。私は日本女子代表が負けた試合は全部見たと思うが、その磨き上げられた技巧も身体能力に支えられた身長と力業の前にあっては、最終的に負けになってしまうのだ。

「相手の技術力はどう見ても我が代表以上とは見えなくとも」だったのである。私は東京オリンピックにおける「東洋の魔女」の大活躍以来、欧米の諸国は「如何にして日本を追い抜き、更に確実に倒すには」に磨きをかけてきたのだから、身長と身体能力の差には追い付かなくなったのだと見ている。外国勢は「身体能力」対「精密な技巧と技術」の争いにしてしまったのだった。そこに「高さの差」もイヤと言うほど現れたと言える。

クライマックスシリーズ:
これの論評に行こう。悲観論者の私は読売巨人軍が広島に勝ってしまうのではと警戒していたが、これが杞憂に終わったのは高橋由伸君には気の毒だった。結果的にはシーズン中の成績通りに、広島の敵ではなかったのだった。私は2018年の読売の不出来の責任の半分以上は駄目だった高橋監督にはなく、ろくでもない補強しか出来なかった、イヤしなかった所謂「フロント」が負うべきだったと思っている。

噂では「現場はクローザー」となる投手を必要としていると言われているのに、獲ってきたのが結局は2軍ばかりだったようなソフトバンクの森福だけで、後は吉川光、野上、山口俊等々のローテーション投手ばかりで、それも従来からいた内海のような将来性も何もないような投手を優先して起用して、新入りを中継ぎか2軍で使っていては埒があく訳がなかった。投手でまともだったのが菅野だけで、それもシリーズの広島戦では使えない起用法ではねー。

それに外野手に名監督なしの鉄則(?)通りに高橋監督の若手の使い方も出鱈目で、内野の要である2塁手に何人使ってみたか。私が以前に指摘したビリから2番目のテイームのホームラン王・ゲレーロを大枚4億円を叩いて獲ってきたのは良かったが2軍暮らしをさせ、昨夜も最後に打者で出せば高いボールを振っての無残な三振。あれでは監督にも責任があるだろうが、彼も含めてろくでもない投手どもを使おうと言ったコーチ連中は自発的に退職すべきだ。

兎に角、シーズン中に伸びたのが岡本一人だったが、肝腎のシリーズで打てたヒットが1本では救いようがない。私が読売の首脳部だったならば、「泣いて馬謖を斬る」ではなく無表情で、阿部慎之助、亀井善行、中井大介、内海哲也は戦力外通告にする。吉川光夫だが、ローテーションを外された恨みだか何だか知らないが、昨夜の中継ぎでは解説の山本浩二が「この(敗勢処理)場で出てくる投手ではない」と褒めたほど言うなれば「鬼気迫る」好投を見せた。その意味では斉藤雅樹も首だ。

パシフィックリーグの方は西武もソフトバンクのシーズン中から見せていた不揃いだった投手陣の出来が、事ここに至っても現れてような乱打戦ばかりで、観戦の興味を削がれた。私の目には西武の菊池雄星の不出来が気になった。アメリカに行きたいと言っているようだが、あんな出来では目が肥えたMLBのスカウトたちをその気にさせられるのかと言うこと。ソフトバンクとの第一戦目では全く「やってやろう」という気迫が感じられなかった。

この両者の争いの結末は私には全く見えない。だが、何れが勝ち上がっても日本シリーズでは大瀬良とジョンソン以外に頼れる投手がいないし、中崎に不安要素がある。(とは言っても、九里は昨夜は途中まで好投したし、フランスアは良かったが)広島とパシフィックリーグの勝者のシリーズは如何なる展開になるのかも見当がつけられない。何れにせよ、広島の投手陣が何処までやれるかと、パシフィックの投手が広島の丸、鈴木、松山、新井、野間等を何処まで抑えるかにかかってくるだろう。