新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

悲観的な予想はしない方が良かったか

2014-02-25 15:21:52 | コラム
勝負運と高梨沙羅と浅田真央:

私は2月18日に浅田真央はせめて上位3位内に入ってくれ「一番になるのに優ることはないが、3位以内でも十分に立派な成績ではないのだろうか」と述べていた。冷静なる評論家を自称する悲観論者としては、正直なところ、またもや悲運の浅田真央となってしまわねば良いのだがと怖れていたのだ。浅田はあの気迫のこもったフリースケーティングの後では感情を露わにして見せたが、これが一層彼女を可哀想に見せた。

高梨沙羅については、1月27日に「はあの体格で折角それほど強いのは結構だが、五輪本戦前にそれほど勝ってしまってはソチに着いた時には勝ち運を使い果たしてしまわないかと心配している。」と危惧していた。私は「勝負の世界ではついているいないも腕のうち」で、運は自分から掴むものだと思っているが、高梨沙羅の場合には確かに運とは無情なもので、2回目のジャンプの時にだけ追い風だったと報じられていた。

高梨沙羅は4位に終わった後のインタビューでは淡々としていたが、その後で涙を流したと報じられたのは余計痛々しかった。かく申し私は国体の決勝戦で負けたのは高校1年だったから年齢的にはほぼ同条件なのでその辛さは察するに余りあるが、オリンピックと国体と比較するのは僭越だろうとは思っても、「勝負の怖さ」を経験させられたことが彼女の将来の運動選手としての活動に役立ってくれることを祈るだけだ。

浅田真央の場合はこのオリンピックを最後に辞めるとか報じられているが、あのままではさぞや寝覚めが悪いだろうし、心残りだろうと思う。一度は2位になったことを良しとして辞めるか続けるかは浅田が決めること。それは何れにせよそれが彼女の人生であるからだ。どうするかは自分で決めれば良いことだ。個人的には22歳や23歳で「引退」という言葉を使うのには違和感がある。

もし選手生活を辞める気ならば「これからは大きな大会に出ようとすることは辞めて、自分が好きなようにスケートを楽しむ」という辺りが適切な気がしてならない。または「プロのスケーターという方向を選ぶ」といった荒川静香のような道もあると思う。マスコミは軽々に「引退」等と言うな。

アメリカに関税撤廃を言う資格があるか

2014-02-25 15:18:15 | コラム
理解出来ないアメリカの対日強硬姿勢:

私はこれまでに何度かアメリカにはTPP交渉の一環として関税の撤廃などを言う資格があるのかと指摘してきた。その根拠はもう何年も前からアメリカの商務省は製紙業界の請願を受けて中国、インドネシア、韓国等からの印刷用コート紙に高率の反ダンピング税と相殺関税を賦課してアメリカ市場から閉め出していたし、中国やドイツ(アジアの国ではない、念のため)等からの店頭のレシート等に使われる感熱紙にも関税をかけてきた実績があるからだ。

アメリカ政府がやってきたことは自国の国際競争力が衰えた産業の立派な?保護であり、TPPの理念だか理想だかとは正反対の方向にある。流石に国際貿易委員会はコート紙への関税の賦課は撤回を促したようだ。だが、こういうことをやりながら良くも聖域なき関税撤廃などと言えるものだと感心している。私はまさか経産省やJETROがこのアメリカの保護政策を知らないとは思っていない。甘利大臣はこういう点を交渉の場には持ちだしておられないのだろうか。

それだけではない。私が何年前だったか、この件を当時のizaのブログにエントリした際には全く何処からも反応がなかった。それは何方もTPPに関心がないのか、あるいはアメリカの製紙産業の横暴だと言いたい振る舞いに興味を持たれなかったかの何れかだろうと勝手に解釈していた。この関税を請願したアメリカ最大のコート紙のメーカーはこの努力も虚しくChapter 11の申請に至り、その手続き終了した後のごく最近に言わば最大のライバルとの経営統合にまで落ちぶれてしまった。

私はこの一件のみだけがアメリカの我が国に対する強硬姿勢に対する有力な反発の材料にはならないとは思うが、甘利大臣の一層のご奮闘を祈って止まない。また詮なきことだが、マスコミは彼等の需要にも関係があるコート紙の分野でアメリカがかかる所業に出ていることを報じた気配がないのは残念だ。このような材料こそ真っ向からアメリカを批判するに足るものだと思うのだが、如何か。