●噛み嗜好品”キンマ”の諸道具・材料を置くための脚付き盆
製作地 タイ・イサーン地方南部 スリン若しくはブリラム
製作年代(推定) 20世紀前期~半ば
民族名 クメール系タイ人
※下の絹絣はカンボジアのクメール人(或いはチャム人)の手によるもの
側面のパネルが彫刻と彩色により装飾されたこの木箱状の品モノは、噛み嗜好品”キンマ”の諸道具・材料を納める(置く)ため脚付き盆となります。
スリン若しくはブリラムに生活するクメール系の人々の村で手掛けられたもので、装飾の意匠は染織(絹絣)の文様と符号するものであることが確認できます。
古来よりキンマの慣習は仏教(宗教)儀礼との結び付きが深く、四面上下のパネル毎に少しずつ異なる卍格子と生命樹の表情、いずれからも豊穣や平安の祈りとともに手掛けられたものとしての力強い生命感と濃密な精神性が薫ってまいります。
●仏法を守護する卍繋ぎ菱格子文(菱格子は蛇龍神ナーガの身体を表わす)
●農作物の豊穣を祈願する生命樹文(供花を表わすものでもある)