アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

琉球王国 19c 木綿地”浅地雲に雁若松楓流水模様”紅型裂

2022-05-29 09:47:00 | 染織







製作地 琉球王国(現日本国・沖縄県)
製作年代(推定) 19世紀前期-半ば
素材/技法 木綿、天然顔料 / 型染、糊防染、片面染め
サイズ 横12.7cm、縦18.3cm

19世紀前期~半ば、今から180~200年前の琉球王国で手掛けられた木綿”浅地雲に雁若松楓流水模様”紅型裂。

大模様・大柄型紙が使用され多色の染め分けを交えて飛雁・流水のモチーフが生き生きと染め描かれたもので、この裂には収まっていない箇所を含める型紙全形(これに近いものを過去にご紹介)では複数の飛雁と若松・楓モチーフが配されたパノラマ的絵図の作品となります。

王候貴族階級の衣裳の衿の部分裂と考察されるもので、約13cm×約18cmの小ぶりな裂ながら固有の格調の高さが薫ってまいります。























(光学顕微鏡による画像)






●参考画像

苧麻地「浅地雲に雁若松楓流水模様」紅型衣裳(部分)
東京国立博物館収蔵
※上画像は京都書院発行「琉球紅型」より転載いたしております