アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

20c初 コウンショー 木綿経縞織・衣装

2018-05-17 00:53:00 | 染織





製作地 ミャンマー中西部 ラカイン(ヤカイン)州 Rakhaing
製作年代(推定) 20世紀初め
民族名 コウンショー族(Kounsho)
素材/技法 木綿、天然染料 / 平織・経地合、経縞織、刺繍
サイズ 肩幅(身ごろ幅):118cm、着丈:98cm

ミャンマー中西部のラカイン(ヤカイン)州に生活する「コウンショー族(Kounsho)」の手によるチュニックタイプの盛装用衣装上着“フヤン(phyang)”。

コウンショー族は、ラック染料(ラックカイガラムシ)の“赤”の染色を多用する民族であり、伝統に培われた高度な媒染技術による鮮やかな“赤”を筆頭に天然染色による木綿の多色表現に秀でております。

本衣装は細手に手紡ぎされた木綿糸を素材に、腰機によりタイトな経地合で織られており、織り地は何とも繊細で特別な衣装たる格調の高さが感じられるもの、そしてラック染めの紅赤と黒(濃藍)染めの縞の色彩コントラストが力強く印象的、天然染色の鮮やかかつ深みある色彩美が際立つ一品です。

さらに縞の中には”白””山吹””黄緑”、胸元には”白””薄茶””山吹””黄緑”の刺繍が加えられており、力強さの中にも繊細さが感じられます。
































●本記事内容に関する参考(推奨)文献