アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

17-18c 鬼手”茜地花瓔珞文”インド更紗裂

2016-10-15 00:46:00 | 染織




製作地 インド南東部 コロマンデル海岸エリア
製作年代(推定) 17世紀~18世紀
渡来地・使用地 インドネシア ~ 日本 ※或いは直接日本に渡来
素材/技法 木綿、天然染料 / 木版捺染及び手描き、媒染、片面染め
サイズ 43cm×44cm

鋸歯文様(ギザギザ文様)の亜種と考察されるペンダント状の”花瓔珞文様”が二重で配された多層ボーダー・デザインに独自の表情と新鮮味が感じられる17-18cインド更紗裂。

鬼手木綿の豊かな質感と茜赤の濃厚な色味、茶人好みと呼べる糸味・染め意匠の鬼手茜地更紗であり、画像で目にできるように包裂とした際の絵柄の出方にも秀逸な味わいがあります。

当時インドのみが有していた木綿を濃厚な色味に染め上げ定着させる高度な媒染技術、更に3百年前後の時を経て色褪せず深くかつ瑞々しく残る茜赤の色彩の美しさ、歴史の浪漫を薫らせる古渡り期インド更紗の逸品裂です。
























●本記事内容に関する参考(推奨)文献