ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

歴史編(35)恋の火点いたら命もいらん

2009年12月03日 | 歴史編
■平成21年12月3日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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但馬皇女たじまひめ 点いた恋の火 止めない 火でも水でも お構いなしや
秋の田の きに寄れる かたりに 君に寄りなな 言痛こちたくありとも
《なにやかや うるそう言われ つらいけど あんたに寄りたい 稲穂いなほみたいに》
                         ―但馬皇女―〔巻二・一一四〕 

おくて 恋ひつつあらずは かむ 道の隈回くまみに しめ
《残されて 泣いてるよりは うて行く 通る道々 〔追っ手止める〕標縄しめ張れあんた》
                         ―但馬皇女―〔巻二・一一五〕 


人言ひとごとを しげ言痛こちたみ おのが世に いまだ渡らぬ 朝川渡る
《あんまりに やかましよって 心決め 一線越えた うちのせいちゃう》
                         ―但馬皇女―〔巻二・一一六〕 





しめへ我が背】へ


日めくり万葉集<9月>(その2)

2009年12月01日 | 日めくり万葉集
■平成21年12月1日■
NHKテレビ「日めくり万葉集」で取り上げられた 万葉歌を 「大阪弁」で訳します
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★船団は 那の津目指して 西へ行く 百済を救え 新羅を倒せ

海神わたつみの 豊旗雲とよはたぐもに 入日見し 今夜こよひの月夜 清く照りこそ
なびき雲 夕日射し込み 輝いて え月照るで 間違いなしに》
                         ―中大兄皇子―(巻一・一五) 

★妖艶な 石川郎女いらつめ待って 露に濡れ 大津待ちぼけ 惚れた弱みか
あしひきの  山のしづくに 妹待つと我 れ立ち濡れぬ 山のしづくに
《お前待ち  夜更けの露に 濡れてもた お前待ってて しずくに濡れた》
                         ―大津皇子―(巻二・一〇七) 

★内緒ごと 人に知れたら 潰される 今も昔も おんなじ気持ち
嘆きせば 人知りぬべみ 山川の たぎつ心を かへてあるかも
《嘆いたら 知られてしまう 胸の内 辛抱しんぼたまらん けど辛抱しんぼうや》
                         ―作者未詳―(巻七・一三八三)