ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

家持編(二)青春・内舎人青雲(04)上達振りは 中々じゃわい

2011年10月13日 | 家持編(二)青春・内舎人青雲
■平成23年10月13日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁(満載弁)」で訳します
いわく 「大阪弁(関西弁)万葉集」
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ニシワキタダシさんの「かんさい絵ことば辞典」が好評です。
「大阪弁(関西弁)万葉集」も あやかりたいものです。
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★どうじゃなと 叔父稲公いなきみも 駆け参じ 出来は如何にと 修行の加勢

時雨しぐれの雨 無くし降れば 三笠山 木末こぬれあまねく 色づきにけり
時雨しぐれ雨 降り続いたで 三笠山 梢全部ぜえんぶ 色づいて仕舞た》
                         ―大伴稲公おおとものいなきみ―〈巻八・一五五三〉
大君おほきみの 三笠の山の 黄葉もみちばは 今日の時雨しぐれに 散りか過ぎなむ
《三笠山 山のもみじ 降る雨に 今日あたりもう 散るんとちゃうか》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〈巻八・一五五四〉

我が屋戸やどの 草花をばなが上の 白露を 消たずて玉に くものにもが
《庭にある ススキにりた 玉露を 消さんと糸に とおしてみたい》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〈巻八・一五七二〉
今日けふ降りし 雪にきほひて わが屋前やどの 冬木の梅は 花咲きにけり
《今日降った 雪に負けんと 庭の梅 枯れ木やけども 白花はな咲いたがな》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〈巻八・一六四九〉
沫雪あわゆきの 庭に降りしき 寒き夜を 手枕たまくらかず ひとりかも寝む
淡雪あわゆきが 庭にみ 寒い夜 手ぇつなげんと 独り寝るんか》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〈巻八・一六六三〉

あしひきの いはこごしみ すがの根を 引かばかたみと しめのみそ
《山の岩 ごつごつしてて すがの根を 抜かれへんので しるししといた》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〈巻三・四一四〉

牽牛ひこぼしの つま迎へぶね 漕ぎらし あま川原かはらに 霧の立てるは
《彦星の 迎えの船が 出たんやな あま川原かわらに 霧出てるがな》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―〈巻八・一五二七〉

織女たなばたし 船乗ふなのりすらし 真澄まそかがみ 清き月夜つくよに 雲立ち渡る
織姫おりひめが 迎船ふね乗ったや 波しぶき 澄んだ月夜つきよに 雲起してる》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―〈巻十七・三九〇〇〉







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