本の迷宮

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妖怪ハンター 魔障ヶ岳 (諸星大二郎)

2006-12-14 07:53:20 | 漫画家(ま行)
(2003年~2005年 小説現代「メフィスト」掲載)

帯に書いている言葉より

魔障ヶ岳の山中にあるという古代の祭祀遺跡「天狗の秘所」を調査に訪れた稗田礼二郎らが出会ったものとは……?
以降、調査に同行していた学者や山伏の身辺に異変が次々と起こる。
”御神宝”「天狗の宝器」とはなんなのか?
妖怪ハンター稗田礼二郎がすべての謎を明らかにする!


不思議な女が、魔障ヶ岳の山中にある洞窟の中にいる何かに「名をつけろ」と言う。
一人は”魔”、一人は”神”、もう一人は”人間”の名をつける。


稗田礼二郎だけはその”モノ”に名をつけなかった。


稗田礼二郎は語る。

「そもそも言葉が生まれて初めて
世界は世界としての姿を持ち始めたのだ
鬼も神も魔も
人間が名付けることによって生まれた
それ以前はただのモノだ」



名前を付けるという行為(或いは本当の名前を知られてしまう事)が、非常に重要だということを描いた作品は多い。



「イティハーサ」(水樹和佳)・「陰陽師」(夢枕獏)・「モンスター」(浦沢直樹)・「千と千尋の神隠し」等など…
ちょっと考えただけで色々と思い浮かぶ。
そういえば「ゲド戦記」も真の名を知られるとそのものに支配されるという設定だった。



そもそも<真の名>というのは一体何を指すのだろうか?
戸籍に載っている名前?
それだと、「ゲド戦記」のように支配するのだったら
例えば親が付けたのなら親が子供を支配することになるのだろうか?
自分自身が自分で付けた名前ならば、自分を支配出来るのは自分だけ、ということになるのだろうか?

まあ、何にしろ<名前>というものは非常に重要なものであることは間違いない。


もし、魔障ヶ岳の山中にある洞窟の中にいる何かに「名をつけろ」と言われたら、どうしようか?
名前をつけないのが一番いいのはわかっているけど・・・つい、何かを考えて名をつけてしまいそうな気がする・・・。



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