マックンのメモ日記

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フェイスブック導入の新ボタン、使い方にご注意!

2016-03-02 10:00:11 | ネット、ビジネス、IT
 人生は、親指を立てて喜びたいほど良いことの連続ではない。しかし、過去7年間、交流サイト(SNS)のフェイスブックで、指で簡単に示せる選択肢は、曖昧模糊として楽天的な感情(「いいね!」)だけでした。

 ただし、それも水曜日(24日)までで、世界最大のSNSであるフェイスブックはこの日から、ユーザーが怒ったり、悲しんだりするのを可能にし始めます。はたまた愛を広めたりすることさえ可能になります。世界で新たに5つの「リアクションボタン」の運用を始めるのです。その中に要望の多かった「Dislike(よくないね)」は入っていません。

 「いいね!」ボタンがなくなるわけではないのえすが、今後はその上にマウスのカーソルを合わせると、5つの選択肢が現れます。「超いいね!(Love)」、「うけるね(Haha)」、「すごいね(Wow)」、「悲しいね(Sad)」、「ひどいね(Angry)」の5つです。スマートフォン用アプリでは、いいね!を長押しすると、これらの選択肢が表示されます。少し見つけにくいかもしれませんが、これらはこれまでの「いいね!」と同じように機能します。リアクションの集計数は投稿の一番下に表示され、投稿が公開されているのであれば、リアクションも同様に公開されます。

 疑問を持つ人のために一応言っておくと、フェイスブックは、このリアクションを使った広告の微調整は現時点ではしないとしています。ただし、将来についてはそれを否定していません。

 シンプルなことのように聞こえるかもしれませんが、そうでもありません。この小さなボタンには大きな社会的意味合いがあります。複雑な人間の感情を一連のパックマン・フェイス(丸顔の絵文字)に押し込めるのは危険です。とりわけ、われわれはこれまで既に「いいね!」で満足感を伝えていたのだから。あの小さなボタンは1日に何十億回も押されているのです。

 カリフォルニア州立大学のラリー・D・ローゼン名誉教授(心理学)は、われわれが「最小限の努力で感情を表す方法を探そうとしている」と指摘しています。テクノロジー依存に関する書籍「iDisorder(邦訳「毒になるテクノロジー」)」の著者でもある同教授は、「『悲しいね』ボタンをクリックして、即座に深い感情を表現できたように感じるのであれば、問題だ」と話しています。

 新しいリアクションボタンを1週間使ってみて、わたしは「いいね!」だけのときには問題にならなかった微妙なバランスがあることを発見しました。われわれにはそれらをいつ使えて、いつ使えないかを示すルールが必要えす。そこでわたしは、それについて考えてみたいと思います。

 皆さんは否定的な感情を示す新しいボタン(「悲しいね」と「ひどいね」)が一番問題になると思うかもしれませんが、実際に大問題だと分かったのは、「超いいね!」ボタンだったのです。

 わたしはこのツールを使い始めた最初の日、ニュースフィードのほぼ全てに「超いいね!」を押しました。婚約の発表や、猫がスキーする動画などだ。もともと猫が「好き(like)」なわけでもないのに。

 しかし、「All You Need is Love」と歌ったジョン・レノンは間違っていました。われわれに必要なのは「love(愛)」だけではありません。親友に生まれた女の赤ちゃんと、マクドナルドの新製品と、どちらの方を強く「愛する」かという質問は愚問です。つまり、実生活と同様、このloveという言葉は慎重に使うべきなのです。

 カリフォルニア大学のトマス・ブラッドベリー教授(心理学)は、「loveはたくさんのlikeを上回るものだ。質的に違う」と述べ、「超いいね!ボタンを押すときは、『これは本当に特別だ』と考えるべきだ」と話しています。

 どうやらマーク・ザッカーバーグ氏の母親は、彼が幼少時に、「他人に伝えたい素晴らしいことがないなら、何も言わないの!」と繰り返し言っていたに違いありません。フェイスブックは(最高経営責任者=CEO=である彼の母親のそうした教えもあったせいか)、われわれを泣かせたり、怒らせたりする人やモノが、われわれの生活に一切存在しないと想像していました。

 2つの否定的なボタンの追加は、この状況からの解放を意味します。悲しい投稿に直面したとき、応援したい気持ちを示すために「いいね!」ボタンを押すべきか否かについて、話し合う必要がなくなるのです。今後、怒りと悲しみをクリック1つで表現できるようになります。でも、だからと言って、そうすべきだという意味ではありません。

 「悲しいね」ボタンの導入前は、最愛の人の死や難病との戦いといったつらいニュースを読んだとき、意味のある返事を入力する必要がありました。導入後は、既に非人格的なショートカット(そっけない手法)、つまり冷たく感じられるそっけない感情表現が、はるかに非人格的に冷たく感じられるようになるでしょう。

 前出のローゼン教授は「われわれは既に、面と向かったインタラクション(やりとり)を減らしてきた。これは真のコミュニケーションのための時間を取らないもう1つの言い訳になるだろう」と述べ、「これらのツールは既に、関与するためのわれわれの能力に影響を及ぼしている。怒ったり、あるいは共感したりする能力に影響していくのだ」と語りました。

 ローゼン教授らの研究によると、つらいときに応援されているような気分にさせるという点においては、実際に面と向かって共感を示された方が、バーチャルに共感を示されるより6倍効果が高いといいます。フェイスブックの投稿にそれほど効果がないのであれば、悲しい顔の絵文字の効果はずっと小さいと想像できるでしょう。

 では、どうすれば良いのだろうか。たった一粒の涙をうかべるだけのパックマンの顔を受け取る人のことを考えてみよう。ボタンを押す代わり、または押した上で、じっくり考え、メッセージを書くべきです。

 フェイスブックの製品開発責任者であるジュリー・ジュオ氏によると、同社はユーザーがコメント、ステッカーないし絵文字で最も多く示していた感情を基に、5つのリアクションを選んだといいます。「すごいね」は、幅広いOMG(Oh My God)レベルの感情を、良いものも悪いものも含め、カバーしているように見える。「うけるね」は、それよりずっとシンプルな印象です。しかし、そこでわたしは、これがインターネットなのだということを思い出しました。

 「すごいね」には、これと逆の問題があります。どれにでも合うように見えるのです。しかし、キラキラと輝くダイヤの指輪と、ひどい車の事故に同じボタンを押して本当に良いのだろうか。

 最後に、新しいボタンを押される側の人に向けてアドバイスすると、あまり真剣に受け取るなということです。結局のところ、それらは人間の感情にみせかけた顔の絵であり、ただのボタンに過ぎないのです。(ソースWSJ)

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