マックンのメモ日記

気になったニュースや関心事などをピックアップ。
今チワワのプッチという犬を飼っています。
可愛いですよ。

インカの古都 はびこる盗品!

2014-10-21 18:55:41 | 旅行(国内・海外)
古都を訪ねる旅人は現地の人の振る舞いにも伝統の影を探しがちですが、人は時代とともに移ろうもの。インカ帝国の都だったペルーの町クスコも例外ではありません。若者は腰の高さに下げた右手をこちらに向け、指を軽く曲げると、時計と反対方向に軽く回して見せて、「200ルソ(7300円)でどう?と言うと、左手でズボンのポケットから白い携帯電話「iPhone」を取り出しました。

20代半ばだろうか。名を「エクトル」と言ったそうです。手のひらを回したのは「盗品」の合図です。盗んだ場所はクスコ。こちらに買う気がないとさするや否や早々に人ごみに紛れ込んで消えていきました。ここは古い石田畳を残すクスコの一角。土曜日のみ開く市場「バラティーヨ」です。

盗人がいなかったと言うインカの古都なのに、今は堂々と盗品が売られています。顔の利く通訳のベト氏を連れて探ってみたそうです。マカの滋養ドリンク、家畜の油の傷薬、廃タイヤで作ったサンダル、古い日本製ラジオ。狭い路地を埋める品々の大半は中古品です。しかし、洋服を売る女性は、役人が巡回し20円相当の出店料を取り立てるといいます。

盗品は携帯電話だけらしい。確かに他の店と異なり、携帯の売り手は人相がよくない。頬に傷のあるおばさんに仕入れ先を尋ねると「いろいろ聞くじゃないよ」と凄まれ、チンピラ風の若者を従えた“兄貴”に尋ねようとするとベト氏は逃げ出してしまいました。ちなみに、他店では「隣国チリで仕入れた」と言います。

過去20年間、毎週欠かさず市場に来てはギターを売る英語教師のエルナン・ゲーラ氏は「20年前は白黒テレビ、10年前はカラーテレビ、今は携帯」と、売られる盗品の変遷を語ります。3時間の探索の後、「エクトル」氏に偶然再会したそうです。「携帯は売れなかった。180ソルでどう?」駆け出しの盗人なのだろう。薄い財布には1歳の娘の写真が。「食べさせる金がないんだ」と。

16世紀に滅んだインカ帝国の王は、民を徹底的に管理する一方で、衣食住に困る民は出さなかったと言います。盗品を売り生計を立てている現代ペルーの民を、どうご覧になっているのだろうか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿