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アップルはなぜ中国減速に逆らえるのか。 それは「2つの経済」で明暗!

2015-10-03 12:08:13 | 経済・金融・投資
今の中国には「2つの経済」が存在します。このうち1つは沈みつつあり、もう1つは、以前ほど栄えていないにしても成長を続けているためです。アップルのような企業が依然として中国で好調を維持できるのは、このためです。重工業、資源採掘業、建設業は不況に陥っている一方で、旅行や外食、電子商取引などのサービス業を含む他の業界は依然として十分な成長ペースを保っています。

 こうした二極化の兆候はあらゆる所で見受けられます。直近では、政府が1日に発表した購買担当者指数(PMI)にそれが出ていました。9月の製造業PMIは2カ月連続で節目の50を下回り、景気収縮が続いていることを示していました。しかし非製造業PMIは53.4と、依然として順調に伸びていることがうかがえたのです。各種サービス業を対象とした非製造業PMIは長年、製造業PMIを上回っています。

 二極化は地理的にも特徴づけられます。中国東北部の老朽化した国営工業コンビナートの集積地は新たなラストベルト(さびれた工業地帯)になっていて、調査会社ゲーブカルのアナリストであるアンドリュー・バトソン、チェン・ロンの両氏によると、中国では今年上半期に3省の名目GDP(国内総生産)の伸び率がマイナスとなりました。3省とは東北部にある遼寧、黒竜江、山西の各省で、山西省は石炭が生産される州です。

 一方で、ホワイトカラー労働者が集まる北京、上海、深センといった大都市や、裕福な南東部の省では、名目GDPは7.5%を超えたといいます。

建機大手キャタピラーのような米国企業の中国売り上げが著しく低迷する一方で、ナイキやアップル、スターバックスなどが依然として高い成長を遂げている背景には、こうした実態があるのです。鉄鋼労働者や炭鉱労働者は苦しんでいるかもしれませんが、都市部のプロフェッショナルたち(専門職労働者)は今もスニーカーや高級スマートフォンにお金をかけ続けているのです。

 とはいえ、個人消費がすべて無傷というわけではありません。例えばビールの売り上げは打撃を受けました。ただし、これも地理と関係しています。中国の北部と東北部はビールを好む傾向が強く、市場調査会社ユーロモニターによれば、人口1人当たりの消費量は中国の他の地域より62%多い。中国ビール大手もこれらの地域を本拠地としています。

重工業の減速は、新たな成長モデルへの移行を目指す政府の取り組みを反映しています。しかしその移行は順調ではありません。主な原因は過去の政策の失敗にあります。好景気のときに、鉄鋼から自動車に至るまで重工業界の生産能力が過剰に増えることを政府が許してしまったのです。これらの業界での再編・統合は難しいというのは、地方政府に保有ないし保護されているメーカーが少なくないからです。

 同様に、マンションの建て過ぎも足を引っ張っています。住宅販売は回復しつつありますが、不動産開発業者が未入居ビルの在庫を抱えているため、建設はまだ回復していません。鉱山労働者や金属労働者を職場に戻すためには、新たな建設が必要なのです。

 古い経済から新しい経済にリスクが広がる恐れがあります。例えば、経営不振の地方政府系企業の予期せぬデフォルト(債務不履行)がきっかけになりかねないのです。これに加えて政治的な事情もあり、中国政府当局は重工業地域に過剰な痛みを強要することができないのです。こうした地域ではインフラと景気刺激のためのさらなる支出が続くことでしょう。

 しかし、過剰な生産能力が絞り出されるまで古い産業はきしみ続けるだろう。投資家は「2つの中国」という概念に慣れる必要があるのです。

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