ノルウェー製超小型無人偵察機 BLACK HORNET！

フロリダ州のタンパ・コンベンションセンターで、開催された展示会の席で、ノルウェーの Prox Dynamics がデザイン設計したマイクロ ヘリコプター型ドローン、Black Hornet が展示されました。

片手での操作を可能とするスティック式のリモートコントローラーや、映像スクリーン、クラムシェル型ホルスターに 2 機の Black Hornet "バード"を含めても、システム全体での重量は僅かに 1.3 キログラムに過ぎません。

ホルスターに格納された Black Hornet は、その状態で充電がおこなわれ、30 分以内で 90% の回復が見込まれます。その為、交互に使用することで、連続的な運用が可能となるのです。また、満充電となった機体は、最大 25 分の操縦が可能で、兵士の手元から放たれた Black Hornet は、秒速 5 メートルの速度で敵拠点へ近付くことができるそうです。水平線下でのデジタルデータリンクは 1,600 メートルまで飛び、Black Hornet が捉えた映像や写真データをリアルタイムで偵察できます。

機体が非常に小さく、機体カラーの色彩設定がグレーとなっていることから、日中でも視認性が低く、上空を飛行中に発見されることは難しいとされています。また万一、敵が Black Hornet の存在を確認できたとしても、至近距離からショットガンで撃ち落とすか、はたまた無線妨害による操縦を不能とするしかないとのことです。そして Black Hornet の機体自体に偵察した際のデータを残さないので、捕獲されても安心とされています。

このように、ノルウェーの会社が開発した超小型無人偵察ヘリは、まるでトンボようです。

回転翼の長さは十二センチで機体はおよそ十センチと、オニヤンマほどの大きさながら、最高で秒速五メートル、最長で２５分間飛び、映像を送ります。英国防省は、一機一千万円以上もするこの超小型ヘリを、大量購入して実戦投入し、さらに開発に数十億円を投ずるというので、軍用トンボは紛争地の空を飛び交うようになるのでしょう。

もちろん、この手の技術の用途は軍事に限りません。被災地で助けを求める人を探して飛び回る災害救助トンボにも使えます。要は同じトンボ型ヘリに、殺すべき敵を探させるのか、救うべき人を探させるのかという問題なのです。