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食道がんは飲酒でリスクが急上昇。特に顔が赤くなる人は要注意!

2014-04-21 16:39:28 | 健康・医療・スポーツ
食道は体の中心部にあり食べたり飲んだりした物を口から胃に受け渡す役割を担っています。この臓器は飲酒の影響を受けやすく、がんを発症します。毎日酒を飲み続けると発症リスクが跳ね上がってしまうのです。特に顔が赤くなる人は要注意です。早期に見つかれば内視鏡などで取り除けますが、進行してからだと大がかりな手術が必要となります。こうした事にならないためには酒を控えることと早期発見が重要だと専門家は言っています。

「お酒を飲んで顔が赤くなる人は注意してほしい」と京都大の武藤教授は強調しています。同教授らがまとめた研究などから、こうしたタイプの人は食道がんを発症するリスクが高いことが分かったためです。

食道は長さ約25センチ、太さ2~3センチの筒状で、壁の厚さは0,4センチです。この壁にできるがんを食道がんと呼びます。そして食道の調査ではそれがどのくらいダメージを受けているか3段階に分けるとともに、飲酒すると顔が赤くなるかどうかで区別したそうです。飲酒量は日本酒換算で1日1合、2合、4合とゼロで分類し、それぞれの組み合わせでリスクをはじき出しています。酒を飲んでも顔が赤くならず、1日の飲酒量はゼロ、食道のダメージも3段階の中で最も低い人の発症リスクを1としています。

調査の結果、食道のダメージが3段階で最も高く、顔が赤くなるタイプで1日4合飲む人の発症リスクは1721倍になりました。2合でも751倍、1合では30倍だったそうです。顔が赤くならない人は赤くなる人ほどリスクは高くありませんが、それでも食道のダメージが大きくて飲酒量が4合だと516倍になったそうです。

酒を飲んで顔が赤くなるのは体質の差です。アルコールは体内でまず「アセトアルデヒド」と言う物質に変わります。アセトアルデヒドは有害なので、酵素の働きで無害の酢酸に分解されます。分解酵素の能力は遺伝子のタイプで異なり、能力が低いと体内に有害物質が長時間とどまり、顔が赤くなるとともに悪影響を及ぼします。分解能力が高かったとしても飲酒量多ければ、処理が追いつかずにアセトアルデヒドが体内にとどまってしまいます。食道がダメージを受ける原因も飲酒です。熱いものを好んで食べたりするのもよくないと言います。いずれのケースでも食道の粘膜が傷付き、ダメージを受けるのです。

食道がんは国内で年間2万人が新たに診断され、約1万2000人が亡くなっています。発症は50~60代が多く、女性よりも男性の割合が高いのです。国立がんセンターによると、がんと診断されてから5年後にどのくらいの人が生存しているかを示す「5年相対生存率」は男性で32,3%、女性で41,3%です。これに対し、胃ガンは男女とも6割強、大腸がんは7割前後で、食道がんはかなり下回っています。この理由の一つとして挙げられるのが、「患部の近くにあるリンパ節に転移する確率が大腸や胃より食道の方が2倍以上高いことです」と大阪大の土岐教授は話します。食道の構造は単純ですが背骨や気管、心臓、大動脈などに取り囲まれています。このため、患部を切除する手術では胸や腹などを開くケースが多く、体への負担が大きくなります。ただ最近は食道がんの治療成績が向上しており、「手術ができた場合、5年後の生存率は約5割になる」と土岐教授は説明しています。

初期は自覚症状がほとんどない食道がんですが、内視鏡検査などで早期に見つかれば、負担の少ない手術も可能です。「早期に発見し内視鏡で処置した場合は5年後生存率が9割程度になる」そうです。また抗がん剤を投与する時期をうまく制御することで手術成績を高めることもできると言います。

抗がん剤や放射線治療も進化していて、がんの進行度によりますが、食道を温存しながら治療を進める方法も選べるようになりつつあります。最近は手術、抗がん剤、放射線などの複数の専門医がチームを組んでがんと向き合う例も増えていると言います。患者は自分の意志を医師に伝えるとともに、よく相談して病状に合った治療を選ぶようにしたいものです。

飲酒以外では喫煙も発症リスクを高める要因です。野菜や果物をあまり摂らない人も気をつけてほしいと言います。されに暴飲暴食を避けることも大切です。そして食べたり飲んだりする際にしみる、ものが使える感じがする、食道に何かある感じがする、といった症状が現れた場合は放っておかず医療機関を訪ねることが欠かせません。

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