宇宙航空研究開発機構(JAXA)は宇宙空間に設置した太陽光パネルで電気を作り地上へ送る「宇宙太陽光発電」の実証衛星を2017年度にも打ち上げる計画だそうです。火力や原子力に代わるエネルギー源として太陽光発電の普及が急ピッチで進んでいますが、夜や悪天候のときには電気が作れません。宇宙太陽光発電が実現すると、天候に左右されずに電気を安定供給できるようになるためこうした計画が作られたという事と、福島原発で原子力発電の廃止が議論されていることで、将来を見越しエネルギー確保の手段としての実証実験を行うものです。
しかし意外と実証衛星の打ち上げが早いなと言うのが印象です。いつもなら予算不足だとか、政党間の政争に明け暮れてなかなか計画が進まないのが最近の政治だからです。原子力発電所の廃止が進みそうなためエネルギーに対する危機機感が高まったのか、それとも民主党の素早い決断力を見せ選挙のプラス要因にするため決断を早めたのか、いずれにしても良いことには違いないと思います。ただ問題は今後の資金手当てのほうがネックになってくるでしょう。
ちなみに米国では、米国防総省の研究グループが、宇宙に巨大な太陽光発電装置を打ち上げて地球に送電するシステムを、2050年までに商業化することを念頭に、他国とも協力して10年以内に小型実証衛星を打ち上げるべきだとする報告書をまとめたと言う記事が、2007年に出ていました。報告書は技術革新や原油価格高騰を背景に、これまでになく実現可能性が高まっているとした上で「エネルギー資源をめぐる国際紛争を回避できる。被災地や戦場にも電力を供給でき、戦争の死命を制する」と軍事的な活用も想定していました。
見込まれる実用システムとしては、高度約3万6000キロの静止軌道に5キロ程度の間隔で2組の反射鏡を配置。中央の太陽電池パネルに光を集め、電力をマイクロ波に変換して地上の直径500メートル以上の受信装置に送電すると言う計画だったのですが、その後この計画がどうなったのかわかりません。2007年と言う年月からすると計画自体頓挫している可能性があります。それを今回は日本が実証衛星を17年度にも打ち上げようと言うのです。こうしてみると日本の宇宙技術も米国などに引けを取らぬものを持っているという事をあらためて感じます。
さて日本の実証衛星ですが、重さ約400キログラムで、JAXAが開発中の新型固体燃料ロケット「イプシロン」で打ち上げる予定です。発電能力は2キロワットで、電気をマイクロ波に変えて直径2メートルのアンテナで地上へ送り、再び電気に変換して使うと言うものです。衛星は地上から高さ370キロメートルの軌道を回ります。この辺りは電離圏と言って、薄い大気中の分子や原子が、紫外線やエックス線の影響で電子が分離した「プラズマ」状態になっています。電気を転換したマイクロ波が周囲のプラズマと干渉せずにきちんと地上に届くかを確かめるのが目的です。
政府は宇宙政策の柱となる5か年計画の次期「宇宙基本計画」の素案に宇宙太陽光発電の推進を盛り込みました。これをうけてJAXAは13年度以降、衛星の設計などを始め、17年度に打ち上げる目標を設定しました。宇宙太陽光発電は地上の約10倍の発電量を見込めるそうです。しかし10倍とは大きい発電量ですね。ただマイクロ波を受信するには大掛かりなアンテナが必要になるのですが、現在のメガソーラーに比べ、設備面積当たり2倍の発電量が得られるのです。
将来は大型の発電衛星を数基打ち上げて実験を重ね、40年度の商用発電開始を目指すそうです。やはり時間はかかるのですね。ただ原発1基分の発電能力を持つ衛星1基は1兆円超かかるとされ、実用化に向けては太陽電池やアンテナ、衛星の打ち上げコストなど、様々な技術革新が必要なのです。こうした技術的課題を乗り越えなければ、このような大掛かりな太陽光発電を開発することはできず実用化なるまでには多くの資金も必要となるため、米国などとの共同開発なども将来的にはあるかもしれないですね。
しかし意外と実証衛星の打ち上げが早いなと言うのが印象です。いつもなら予算不足だとか、政党間の政争に明け暮れてなかなか計画が進まないのが最近の政治だからです。原子力発電所の廃止が進みそうなためエネルギーに対する危機機感が高まったのか、それとも民主党の素早い決断力を見せ選挙のプラス要因にするため決断を早めたのか、いずれにしても良いことには違いないと思います。ただ問題は今後の資金手当てのほうがネックになってくるでしょう。
ちなみに米国では、米国防総省の研究グループが、宇宙に巨大な太陽光発電装置を打ち上げて地球に送電するシステムを、2050年までに商業化することを念頭に、他国とも協力して10年以内に小型実証衛星を打ち上げるべきだとする報告書をまとめたと言う記事が、2007年に出ていました。報告書は技術革新や原油価格高騰を背景に、これまでになく実現可能性が高まっているとした上で「エネルギー資源をめぐる国際紛争を回避できる。被災地や戦場にも電力を供給でき、戦争の死命を制する」と軍事的な活用も想定していました。
見込まれる実用システムとしては、高度約3万6000キロの静止軌道に5キロ程度の間隔で2組の反射鏡を配置。中央の太陽電池パネルに光を集め、電力をマイクロ波に変換して地上の直径500メートル以上の受信装置に送電すると言う計画だったのですが、その後この計画がどうなったのかわかりません。2007年と言う年月からすると計画自体頓挫している可能性があります。それを今回は日本が実証衛星を17年度にも打ち上げようと言うのです。こうしてみると日本の宇宙技術も米国などに引けを取らぬものを持っているという事をあらためて感じます。
さて日本の実証衛星ですが、重さ約400キログラムで、JAXAが開発中の新型固体燃料ロケット「イプシロン」で打ち上げる予定です。発電能力は2キロワットで、電気をマイクロ波に変えて直径2メートルのアンテナで地上へ送り、再び電気に変換して使うと言うものです。衛星は地上から高さ370キロメートルの軌道を回ります。この辺りは電離圏と言って、薄い大気中の分子や原子が、紫外線やエックス線の影響で電子が分離した「プラズマ」状態になっています。電気を転換したマイクロ波が周囲のプラズマと干渉せずにきちんと地上に届くかを確かめるのが目的です。
政府は宇宙政策の柱となる5か年計画の次期「宇宙基本計画」の素案に宇宙太陽光発電の推進を盛り込みました。これをうけてJAXAは13年度以降、衛星の設計などを始め、17年度に打ち上げる目標を設定しました。宇宙太陽光発電は地上の約10倍の発電量を見込めるそうです。しかし10倍とは大きい発電量ですね。ただマイクロ波を受信するには大掛かりなアンテナが必要になるのですが、現在のメガソーラーに比べ、設備面積当たり2倍の発電量が得られるのです。
将来は大型の発電衛星を数基打ち上げて実験を重ね、40年度の商用発電開始を目指すそうです。やはり時間はかかるのですね。ただ原発1基分の発電能力を持つ衛星1基は1兆円超かかるとされ、実用化に向けては太陽電池やアンテナ、衛星の打ち上げコストなど、様々な技術革新が必要なのです。こうした技術的課題を乗り越えなければ、このような大掛かりな太陽光発電を開発することはできず実用化なるまでには多くの資金も必要となるため、米国などとの共同開発なども将来的にはあるかもしれないですね。
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