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サムスンの誤算、野心的な鉱山開発で逆風!

2016-07-19 07:29:27 | 経済・金融・投資
韓国サムスングループの幹部は2013年6月、西オーストラリア州の州都パースの公園に集まり、豪実業界の大物と世界最大級の鉱山開発で合意できたことを祝っていました。バーベキューでワニ肉のステーキを焼きながら、上級幹部の1人は60億ドル(現在の為替レートで約6400億円)近い大口契約を獲得した従業員たちをねぎらっていました。

 これ以前にもサムスンは巨大プロジェクトを手がけたことがあります。例えば、サムスン物産を通じ、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイに世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」を施工しました。オーストラリアの富豪ジーナ・ラインハート氏が保有する「ロイヒル鉱山」の開発でも成功を収め、世界的なコモディティー(商品)ブームの波に乗るはずでした。

 しかし、サムスン物産によると、グループ初となる鉱山開発では、2年間で少なくとも7億ドルの損失を出したといいます。

不運と失策

 サムスンのトラブルは不運と失策が重なったものです。それは鉱山投資に失敗した多くの企業が傷を癒している時期でした。商品価格が下落し始めるまでは、鉱山に投資すれば巨額のリターンが得られるはずだったのです。サムスンが雇った請負業者は数カ月で破たん状態に陥り、プロジェクトには遅れが生じました。

 他の多くの鉱業運営会社と異なり、サムスン物産は予算超過リスクを全面的に背負うことに同意する一方、2015年8月までに鉄鉱石の輸出を開始するというラインハート氏側のタイトなスケジュールも受け入れました。また、開発作業が予定通り目標に到達しなければ、ラインハート氏が率いるロイヒル・ホールディングス(HD)に違約金を支払うことでも同意していました。

 通常、鉱業運営会社は超過コストを採掘会社と共同で負担します。これは資源開発プロジェクトでは一般的なことだ。採掘が開始された2015年12月までに、サムスンは複数の請負業者およびロイヒルHDとの間で費用のかさむ法廷闘争に巻き込まれていました。

 それ以降、サムスン物産はオーストラリア国内では、有料道路2本の建設に参画してきました。ただ、商品価格の下落で鉱山拡張が棚上げ状態となるなか、新たな鉱山開発プロジェクトには立ち入っていません。

合併のシナジーは?

 サムスン電子と比べれば目立たないのですが、サムスン物産は2015年に約23億ドルの純利益を計上しました。同社の業績はサムスングループの未来にとって極めて重要です。

 サムスンの支配株主である李一族は2015年、一部の少数株主の反対を押し切って、グループの実質的な持ち株会社とサムスン物産を合併させました。サムスン物産はサムスン電子を含むグループ会社の株式を相当数保有しています。

 この合併により、3代目の後継者となる李在鎔(イ・ジェヨン)氏によるサムスン電子への支配権が強まることとなりました。サムスンは合併について、グループ会社とのシナジー効果を高めることでサムスン物産の株主にも恩恵が及ぶだろうと説明しました。ただ、昨年の合併に批判的だった高麗大学ビジネススクールのキム・ウチャン教授は、こうしたシナジー効果は発揮されずにいると指摘しています。

 国内での成長鈍化に直面したサムスン物産は新たな機会を求めて積極的に海外に進出しましたが、その結果はまちまちです。

 サウジアラビアに証券取引所の建物を新設するというプロジェクトは今年に入って立ち消えになりました。原油相場が下落する中、サウジ政府がプロジェクトを凍結したからです。また、7億ドルを投じてカタールに鉄道を建設するという事業も、原油安のため中止となりました。(ソースWSJ)

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