マックンのメモ日記

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中国で大気汚染が深刻となり、その汚染物質が日本にも流れてきている!

2013-02-05 21:18:48 | 自然・環境問題・古生物
中国では1月、北京を中心に日本の面積をはるかに超える範囲が重度の大気汚染に覆われました。体調を崩した子供が病院に詰めかけ、工場停止など経済にも大きな影響を与えつつあります。汚染で問題になっているのは、直径2.5マイクロメートル以下の微粒子状物質「PM2.5」です。これは石炭や石油を燃やしたときに出る硫黄酸化物が原因で、中国に多く残る石炭火力発電所の排気ガスが主因と言われています。それと自動車の排気ガスの微粒子なども含まれ、直径が小さいため、肺の奥まで入り込みやすいのです。そうするとどうなるかと言うと、気管支ぜんそく炎を引き起こしたり、喘息を悪化させたりするわけです

その汚染度合ですが、米大使館は2008年春から北京市内にある大使館の建物の上でPM2.5の濃度を測定し始めました。北京市も1997年から空気汚染指数を測定してきましたが、基準が緩く米大使館と北京市の公表数値のギャップが問題となっていて、市民の批判を受けたこともあり、北京市も12年1月からPm2.5の濃度測定値を公表し始めたのです。北京ではPM2.5の測定値が、米国大使館が「危険」とする1立方メートル当たり250マイクログラムを上回った日が1月は15日を超えているのです。一時は500マイクログラムを超えて「計測不能」と言う日もあったそうです。

ではなぜ北京で汚染が酷いかと言うと、北京の西部に火力発電所が多くあるほか、自動車の保有台数の増加が著しいことも原因しています。この冬は連続気温が零下10℃近くまで下がるほど寒く、暖房器具用の石炭の消費が増えたこともあります。それと北京の地理的環境もあります。三方を山に囲まれた北京の上空は大気が安定し、風が吹かなかったことで北京の大気汚染を酷く長引かせたという事もあります。

このように大気汚染が酷くなったのは小平氏の解放改革路線の始まった80年代後半にはすでに環境破壊が問題となっていたのです。しかしその後も経済発展を優先し環境対策を後回しにした結果、98年には北京の空気汚染指数が急速に悪化したとしたのです。そのため国際的な印象を良くしようと、08年の北京五輪前には、首都鋼鉄集団の工場など北京市内にあった工場を市街に移転させ、市内の150超の工場も一時的に操業停止させたのです。そのため北京五輪後は空気がきれいになったと話題になったのですが、根本的な対策ではなかったので、再び大気汚染は深刻になってきたのです。

対策としては、北京市は公用車の使用を30%削減したほか、一部工場の操業停止などの臨時措置を講じたのです。それに北京市を含む他の都市も大気中の汚染物質を地表に落とすため人工降雨も実施したようです。何れも場当たり的な対策にすぎず結局、2月1日未明に大風が吹くまで北京に青空は戻らなかったのです。

問題はこれら汚染物質が日本に大量に舞ってきていると言うことです。今年1月、福岡市などの観測所で、通常の3倍の数値が出たそうですし、他の西日本各地でも高い数値が瞬間的に記録されており、上空の偏西風に乗って大陸から飛来した汚染物質が原因と考えられているのです。ではそれに対する対応はあるのかと言えば、欧州には越境する大気汚染物質を規制する条約があるのですが、その他の地域にはこうした枠組みはなく、大陸から汚染物質が飛来してきているとしても、環境規制を厳しくするかどうかは中国政府の判断次第という事になるのです。

つまり日本としては観測を強化して注意を呼びかけるしか方法がないのが現状なのです。環境省は「ソラマメ君」と言うサイトで各地の観測情報を公開しているので、自分の住んでいる地域の雲の動きなどを見て、マスクなどで自己防衛するしかないのが実情です。何ともやるせない気持ちですね。

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