マックンのメモ日記

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水星、直径が40億年で14キロ縮小!

2014-03-17 21:10:01 | 宇宙・サイエンス・科学技術
さながら太陽の周りを回る干しブドウのように、縮み、しわを増やしつつある水星。約40億年の間に、その直径が最大14キロ小さくなっていることが最新研究で明らかになりました。水星が縮小しているのは、この惑星が冷却しつつあるためです。水星を一枚で覆っている岩石のプレートが縮むことで表面がひずみ、しわ状の尾根と、耳たぶ状の崖と呼ばれる波打った断崖が形成されているのです。NASAの探査機がとらえた画像によって、こうした惑星表面の全体像が初めて明らかになりました。

「これは山脈の水星バージョンだ」とワシントンD.C.にあるカーネギー研究所の惑星地質学者で、今回の研究を指揮したポール・バーン氏は述べています。程度の差はあれ、すべての惑星は冷却し、熱を発散しています。太陽に最も近い水星も例外ではありません。しかしそのプロセスは、既にクレーターだらけの水星表面に普通でないダメージを与えており、セントヘレンズ山に匹敵する高さ最大3キロの断崖や、長く連なる尾根の筋を形成したりしているのです。水星の表面全体を走る尾根の全長は最大1700キロと、フロリダ州の南北の長さの倍以上に達するのです。

今回観測に用いられたのは、2011年から水星の周回軌道を回るNASAの水星探査機メッセンジャーです。「地形に文字通りしわが寄っているのが見て取れる」と、ミズーリ州セントルイスにあるワシントン大学の地球・惑星科学部教授ウィリアム・マッキノン(William McKinnon)氏は述べています。このような断層の存在は、地形が地震によって形成されたことを示唆しており、そのプロセスは今なお続いている可能性があると、マッキノン氏は述べています。「もし水星に地震計を設置できたら、むろん太陽の熱に焼かれないようにですが、そうすればおそらくこれらの構造が動いているのを計測できるでしょう」。

これまで、水星の表面の様子は半分もわかっていませんせした。メッセンジャー以外で水星に接近した唯一の探査機、NASAのマリナー10号は、1974~1975年に3度のフライバイを行い、水星表面の45%を撮影しました。この部分的データは、研究者たちを不思議がらせました。マリナー10号の画像は、水星が誕生初期の約40億年前、小惑星に次々と衝突されていたころから、直径にして2~6キロしか縮んでいないことを示唆していたからです。これに対し、惑星内部の熱史に基づくモデルでは、その最大10倍の収縮を予測していたのです。

ところが今や全体像が得られたことで、水星はこれまでに半径にして4~7キロ収縮しており、現在の半径は2440キロ(直径はその倍)であることが示されたのです。水星の断崖や尾根は、火星や月の表面にみられるものと似ていますが、1つだけ重要な違いがあります。「水星は、月や火星に比べてはるかに収縮が進んでいるとみられる点が他と異なる」とバーン氏は述べています。太陽系最小の惑星のより完全なデータが得られたことで、研究者は今後、新たな疑問に取り組むことが可能だとも言っています。例えば、水星はなぜそれほど収縮したのか、表面にしわが寄り始めたのはいつか、地震はどの程度活発に発生したのか、収縮はどのくらいの速度で起こったかという疑問です。

19世紀ヨーロッパの地質学者は、地球に収縮が起こったと考え、山脈は地球の中心核が収縮し、表面にしわが寄ったことで形成されたとの説を唱えていました。しかしその後、1950~1960年代に入って、地球の岩石質の地殻は縮むとしわが寄る一枚の層ではなく、それぞれが独立して動く多数のプレートの集まりだとわかったことで、この説は否定されました。しかし現在になって、19世紀の地質学者の説は、地球でない惑星においては正しかったことが証明されたようです。素人考えですが、個人的にはその星が生きているか死んでいるかによって違うのかなと言う感じがします。