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残菊物語

2006年09月01日 | 日本映画
残菊物語
1939年,昭和14年 松竹
監督 溝口健二
出演者 花柳章太郎, 森赫子, 河原崎権十郎, 梅村蓉子

第2次世界大戦勃発の年に作られた古い映画ですが、映像の完成度やお話のテンポ?など戦後のものとあまり変わりがない感じでどんどん物語に引き込まれてしまいました。画像や音声が劣化してなければ、昭和30年前後の作品と変わらない完成度で「雨月物語」を作った溝口健二はもうここにいると思えました。監督の十八番の"ワンシーン・ワンカット”が確立された作品だそうです。(ほとんどのシーンがそうだったかな…役者のアップは殆ど無い)多彩で自由な映像もこの映画の見所で、100m近い長い道のセットを少しずつ歩いて行くローアングル(1段下から見上げるように撮影)からの会話シーンや、後半にヒロインの元に駆けつける主人公を足下から見上げるように捉えたシーン、道頓堀での船のシーンなどが印象的でした。映画の中に歌舞伎のシーンがあるのですがこちらも良くて、無理な願望ですがカラーで見たいなというより、その豪華絢爛であったであろう昭和初期の舞台を見たいものだと思いました。2時間を超える長めの映画でしたが最後まで飽きずに面白く見られました。

第16回(1939年度)キネマ旬報ベストテン 第二位
1939年 [ザ・20世紀]




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