あとだしなしよ

Japanese text only..
落書きブログです。
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2010年02月08日 | さまざまなことを!
 白いサンゴの砂を敷きつめた福木の並木が涼しい影を落とす美しい道が、次に訪れたときには、ただ広いだけのコンクリート道路に変わっている。日中など焼けた鉄板の上にいるのと同じで、とても歩けたものではない。

 環境を征服することに、人類の偉大さを感じてきたのが機械文明である。だから山を拓き、谷を埋め、「良い」道路をつくることは、当然良いこととして、問題にされてこなかったようだ。車は機械文明の象徴と言っていい。アッピア街道やアウトバーンを造った人たちが、征服せねばやまぬ思想の持ち主だったことは、まことに象徴的なことである。
本川達雄著「ゾウの時間ネズミの時間 サイズの生物学」より

 「日本列島の改造」を叫んで総理大臣になった男は、中央の金を地方にばら撒く段取りをとりつけて、表舞台から姿を消した。彼の作ったシステムは機能し続けて、雨に濡れる水田地帯のあちこちに、真新しい道路が出来上がっていたーおそらくは、子供達のためにではなく。
橋本治著「」より