あとだしなしよ

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浮草

2007年04月30日 | 日本映画
浮草
1959年、昭和34年、大映
監督:小津安二郎
出演: 中村鴈治郎、京マチ子、若尾文子、杉村春子、川口浩

ドサ周りの上方歌舞伎一座の話。時代設定も昭和34年だと思われる。
でも歌舞伎じゃなくて女剣劇をしていた。その主役が京マチ子さん。
和服を着ると、このひと誰?と思えるほど上品な印象に変わって、
和服系の人なのかなあと思いました。
あまりに上品なので、なんで鴈治郎とくっついたの?と思えるほどで、
もう少し下品な感じがでたほうが、役所としては正しいのかなと思いました。
でも、美しいから良いです。
鴈治郎さんとの有名?な雨の中の言い合いのシーンは良かった。
宮川一夫が小津アングルを撮っているのもなんだかミョウで、
出演者のメンツからか、溝口健二ぽい雰囲気がした。(大映だし…)
若尾文子と川口浩の愛が燃え上がる接吻の後のシーンチェンジで、
蒸気機関車の音が入っていたりして、
小津監督もこんな演出をするのかと思いました。
前時代的なものが、お話の中にチラチラと見えて、
のんびりとした音楽とは裏腹に時代の変わり目で
消えてしまいそうな旅芸人のキビシイ生活も見えたりした。
芸達者の役者さんたちを見ているだけでも面白いです。