テキスト『實語教』の「くずし字」、ふり仮名(変体がな)の復習・自習です。
テキストに首っ引き、「釈文」を脇に、ゆっくりと読みすすめてみました。
本来なら、講師の先生、お話のとうり「写字」が基本のようですが(それにプラス「音読」)、ここではブログ用に、一字一句を確かめながら追ってみました。
1
實語教 実語教
志川(じつ)ごきやう
・志=し、じ
・川=つ (川)を草書で書くと(つ)になる。(つ)は大文字・小文字の区別なし。
・(ご) 単独だと(で)に見えるので要注意。
・きやう=きょう (や=ょ)
山髙故不貴 山 高きがゆえに 貴っとからず
やま 多可起可(たかきが)ゆへ尓(に) 多川と可ら(たつとから)寸(ず)
・◎(多・た)のくずし字は頻出。
(た)には見えないが(逆つ)(変形、と)として覚える。
・◎(可・か)も大頻出。小さな(る)(ろ)に見えたら、ともかく(か)も思い出す。
・(起・き) (記)の草書に見える。
・(へ) くずしだと(人)にも見える。
・◎(尓・に)も、よく出てくる。(不・ふ)に見えたら(尓・に)。やや少し小さいか。
・(ら) (たて棒+つ)のよう。
・(寸・す) もともと同じにみえる。 不(寸・ず) 不(春・ず)もある。
以有樹爲貴 樹 有るをもって 貴しとす
き あるをもつて たつとしと春(す)
・(あ) (の・ね)の変形のようにも見える。一字だけだと難解、文の前後関係で。
・(を) (と)のごちゃった字として。
・(も) 釣竿のハリのイメージ。(り)にも見える。
・◎(春・す) (と)(を)のさらなる上部変形(士・さ+と・て)として覚える。爲・す
人肥故不貴 人 肥えたるゆえに 貴っとからず
ひと こへ多(た)るゆへ尓(に) 多川と可ら(たつとから)春(ず)
以有智爲貴 智 有るをもって 貴しとす
ち あるをもつて たつとしと春(す)
富是一生財 富は これ 一生の財
とミハ こ連(れ) いつしようのざい
・(み) ほとんど(ミ)で表記されてる。
・(は) (ハ)で表記。(ハ)と(ワ)も共用か。
・(連・れ) 上-たて棒にまわりグニュ、下-(と)の合成に見える。 是(こ連・これ)
身滅即共滅 身 滅すれば すなわち 共に滅す
ミ めつすれバ 春(す)なハち とも尓(に)めつ春(す)
・(な) (る)に似てる。あとで(奈・な)が出てくるが、草書だとほぼ同じ字。
智是万代財 智は これ 万代の財
ちハ こ連(れ) 者(ば)ん多(だ)いの多可(たか)ら
・(者・は・ば) くずし字、単独だと読めない。
命終即随行 命終れば すなわち 随へて行く
いのちおハ連(れ)ハ すなハち 志多可(したが)ヘてゆく
2
玉不磨無光 玉 磨かざれば 光なし
多満(たま) ミ可ゝ(みがか)ざれバ ひ可(か)りなし
・(満・ま) くずし、読めず。あえていえば(匁)に似てる。
無光爲石瓦 光なきをば 石瓦とす
ひ可(か)りなきをバ いしかハ(わ)らと寸(す)
實語教
山 高きがゆえに 貴っとからず。 樹 有るをもって 貴しとす。
人 肥えたるゆえに 貴っとからず。 智 有るをもって 貴しとす。
富は これ 一生の財。 身 滅すれば すなわち 共に滅す。
智は これ 万代の財。 命終れば すなわち 随へて行く。
玉 磨かざれば 光なし。 光なきをば 石瓦とす。
有朽 無朽
朽つること有り 朽つること無し くつる□(こと)あり くつる□(こと)なし
・□(こと) 合字。タテに長い(を)の変形にも見える。
千両金 千両の金(こがね) せん里(り)やうの こ可(が)ね
・(里・り)
不如 志(し)か春(ず)
不合 あ者(は)春(ず) ここの、者(は)は読めない。
不存 ぞんぜ春(ず)
・春(ず) (さ+と)の合わせた字にみえる。
3
勿倦 うむ□(こと)奈可連(なかれ) 倦むこと勿れ
勿怠時 おこ多(た)る と起(き) 奈可連(なかれ) 怠るとき勿れ
4
爲無財人者 ざ以(い) 奈起(なき) ひとの多め尓(ために)ハ 財 無き人のためには
・爲 多め尓(ために) 3文字、ひとくくりで。
如霜下花 志毛(しも)の志多(した)の者奈(はな)の□ごとし 霜の下の花の如し
・本文(漢字)を見て、ふりがなを読む。ふり仮名のほうが難しい。(何か変)
・者(は)は、くずし過ぎ。 (慣れて、覚えるのみ)
父母如天地 師君如日月
・父母 ふ本(ぼ) (本)のくずし
・日月 ぢ川(つ)个(げ)門(川)(つ)
5
・朝夕 てうせ起(き) ちょうせき
・昼夜 ちうや ちゅうや
くり返しになりますが、一連の絵として覚える、実際に書いてみる、声に出して読む、をセットにして地道にやっていくしかない、というのが上達への道 (古文書・くずし字入門を脱して次なるステップにいく道) かなという感じです。
テキストに首っ引き、「釈文」を脇に、ゆっくりと読みすすめてみました。
本来なら、講師の先生、お話のとうり「写字」が基本のようですが(それにプラス「音読」)、ここではブログ用に、一字一句を確かめながら追ってみました。
1
實語教 実語教
志川(じつ)ごきやう
・志=し、じ
・川=つ (川)を草書で書くと(つ)になる。(つ)は大文字・小文字の区別なし。
・(ご) 単独だと(で)に見えるので要注意。
・きやう=きょう (や=ょ)
山髙故不貴 山 高きがゆえに 貴っとからず
やま 多可起可(たかきが)ゆへ尓(に) 多川と可ら(たつとから)寸(ず)
・◎(多・た)のくずし字は頻出。
(た)には見えないが(逆つ)(変形、と)として覚える。
・◎(可・か)も大頻出。小さな(る)(ろ)に見えたら、ともかく(か)も思い出す。
・(起・き) (記)の草書に見える。
・(へ) くずしだと(人)にも見える。
・◎(尓・に)も、よく出てくる。(不・ふ)に見えたら(尓・に)。やや少し小さいか。
・(ら) (たて棒+つ)のよう。
・(寸・す) もともと同じにみえる。 不(寸・ず) 不(春・ず)もある。
以有樹爲貴 樹 有るをもって 貴しとす
き あるをもつて たつとしと春(す)
・(あ) (の・ね)の変形のようにも見える。一字だけだと難解、文の前後関係で。
・(を) (と)のごちゃった字として。
・(も) 釣竿のハリのイメージ。(り)にも見える。
・◎(春・す) (と)(を)のさらなる上部変形(士・さ+と・て)として覚える。爲・す
人肥故不貴 人 肥えたるゆえに 貴っとからず
ひと こへ多(た)るゆへ尓(に) 多川と可ら(たつとから)春(ず)
以有智爲貴 智 有るをもって 貴しとす
ち あるをもつて たつとしと春(す)
富是一生財 富は これ 一生の財
とミハ こ連(れ) いつしようのざい
・(み) ほとんど(ミ)で表記されてる。
・(は) (ハ)で表記。(ハ)と(ワ)も共用か。
・(連・れ) 上-たて棒にまわりグニュ、下-(と)の合成に見える。 是(こ連・これ)
身滅即共滅 身 滅すれば すなわち 共に滅す
ミ めつすれバ 春(す)なハち とも尓(に)めつ春(す)
・(な) (る)に似てる。あとで(奈・な)が出てくるが、草書だとほぼ同じ字。
智是万代財 智は これ 万代の財
ちハ こ連(れ) 者(ば)ん多(だ)いの多可(たか)ら
・(者・は・ば) くずし字、単独だと読めない。
命終即随行 命終れば すなわち 随へて行く
いのちおハ連(れ)ハ すなハち 志多可(したが)ヘてゆく
2
玉不磨無光 玉 磨かざれば 光なし
多満(たま) ミ可ゝ(みがか)ざれバ ひ可(か)りなし
・(満・ま) くずし、読めず。あえていえば(匁)に似てる。
無光爲石瓦 光なきをば 石瓦とす
ひ可(か)りなきをバ いしかハ(わ)らと寸(す)
實語教
山 高きがゆえに 貴っとからず。 樹 有るをもって 貴しとす。
人 肥えたるゆえに 貴っとからず。 智 有るをもって 貴しとす。
富は これ 一生の財。 身 滅すれば すなわち 共に滅す。
智は これ 万代の財。 命終れば すなわち 随へて行く。
玉 磨かざれば 光なし。 光なきをば 石瓦とす。
有朽 無朽
朽つること有り 朽つること無し くつる□(こと)あり くつる□(こと)なし
・□(こと) 合字。タテに長い(を)の変形にも見える。
千両金 千両の金(こがね) せん里(り)やうの こ可(が)ね
・(里・り)
不如 志(し)か春(ず)
不合 あ者(は)春(ず) ここの、者(は)は読めない。
不存 ぞんぜ春(ず)
・春(ず) (さ+と)の合わせた字にみえる。
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勿倦 うむ□(こと)奈可連(なかれ) 倦むこと勿れ
勿怠時 おこ多(た)る と起(き) 奈可連(なかれ) 怠るとき勿れ
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爲無財人者 ざ以(い) 奈起(なき) ひとの多め尓(ために)ハ 財 無き人のためには
・爲 多め尓(ために) 3文字、ひとくくりで。
如霜下花 志毛(しも)の志多(した)の者奈(はな)の□ごとし 霜の下の花の如し
・本文(漢字)を見て、ふりがなを読む。ふり仮名のほうが難しい。(何か変)
・者(は)は、くずし過ぎ。 (慣れて、覚えるのみ)
父母如天地 師君如日月
・父母 ふ本(ぼ) (本)のくずし
・日月 ぢ川(つ)个(げ)門(川)(つ)
5
・朝夕 てうせ起(き) ちょうせき
・昼夜 ちうや ちゅうや
くり返しになりますが、一連の絵として覚える、実際に書いてみる、声に出して読む、をセットにして地道にやっていくしかない、というのが上達への道 (古文書・くずし字入門を脱して次なるステップにいく道) かなという感じです。