某氏と話をしていて、
「テトリス」は、面白さを伝えにくいゲームだという話になりました。
なるほど、たしかに。
上からブロックが落ちてきて、1列に並べるとブロックが消えるゲーム
なんて言っても
「どこが楽しいの?」って感じですしね。
説明されても納得しない人に、
さらに楽しさを説明するとして、
同時に4列ブロックを消すと超楽しいよ!
なーんて言っても、
それが楽しいなんて納得してくれるはずもありません。
口で言っても仕方ない、というか、きっと文章でも伝えにくい。
このように、面白さが伝わりにくいゲームが、
大ヒット…以前の話、「世に出回り認知される」というのは、
なかなかに奇跡的なことであるかと思います。
(もとが家庭用ではなかったり、時代的な背景や、
日本への輸入後さらに広まったのが、ゲームボーイと同時発売というのもありましたが)
さて、話は変わりますが、以前、
GROW RPGに関する記事を書きました。
今回は、それと似たような毛並みの「
城」についてちょっとだけ書きたいと思います。
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GROW シリーズと違って、ゲームオーバー的な要素がありませんが、
不思議な空気に包まれていますねえ。
フリーソフトならではのミニゲーム、という形式が
これを一つの完結した作品として、楽しめるベストの一つだと思われますが…。
この手のゲームって、家庭用ゲーム機ではなかなか見ないですよね。
FLASHの個人製作ではなかなか作りにくい、
ある程度、規模の大きなものもプレイしてみたいのですが…
やっぱり、売りにくいからでしょうかね。
キャラを出したり、世界感で押し切ると言う、
半ば強引なセールスの手段は、考えようが沢山有るでしょうから、
今は取り上げないとして。
たとえば一つの、何も無い世界から、
「何か」動作をすることで、木を生やしたり、建物が生まれたりという、
この不思議な感覚は、なかなかゲームとして説明しにくい部分はあるかと。
冒頭で言った「面白さを伝えにくい」というのは、少なからずあるかと思います。
そして、このようなゲームを企画していたクリエイターも、
たぶん多数いるかと。
いるとはいえ、家庭用ともなると、
やはり、もっとスケールを大きくしたい。
M・吉田自身、これが家庭用で出るなら、
もっと大きな規模で、長い目で見て、または数多くのシチュエーションで、
それがGROW RPG的なものであれば、勇者を育て、進む道を作り、宝を用意する、
というような世界をじんわりと構築していくゲームを期待したいところでもありますしね。
それだけの規模のゲームを作るとなると、
やはり多額の開発費用がかかるかと思いますが、
ゲームの本質部分をうまく伝えられないのでは、なかなか辛いところでしょう。
木をクリックすると城が生えてくるゲーム
なーんて説明しても、単なる奇ゲーですし、
「シム」シリーズのように、オブジェクトに直結するものを配置した方がいいじゃん!!
とツッコミを入れたい説明になってしまいます。
これが家庭用で売られるには、
それがゲームとして成り立つのかどうかということを、
製作者側にも、ユーザ側にも認知される必要があるんじゃないかな、と思います。
さて、
テトリスの爆発的ヒット後、
多数の落ちモノゲームがリリースされたことは、皆さんもご存知の通りですが。
ゲームのジャンルの開拓ということは、いくつかの良い影響があるわけですよね。
ロードランナーのような「アクション要素があるパズル」ではなく、
テトリス、ぷよぷよ のような「アクションパズル」というジャンル自体が認知されることで、
その系統の面白さというものを理解することができる、というものがあるかと。
それに類似した「アクションパズル」系統すべてのゲームが、
「アクションパズルのユーザがいる」「アクションパズルと言うジャンルがある」という、
テトリスが生み出した恩恵を享受しているでしょう。
こういったゲームもあるよ、と認知されることが、
新しいゲームを生み出す(世に出す)ための足がかりなんでしょうね。
テトリスでは詳しい経緯は知りませんが、
今の時代、「GROW」や「城」といったFLASHによるゲームとして、
フリーで広まることによって、こういったジャンルが認知され、
今後、この手のゲームが家庭用なり何なりにリリースされる可能性もありますよね。
(もちろん粗製濫造の可能性もありますが)
FLASHによるミニゲームは、
新しいジャンルを開拓し、ユーザに認知され、
開発者により商業用ゲームに昇華されるための、新たな手段になり得るのでは。
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参考
「城」の作者様サイト→
うさぎのしっぽ