★クラシック音楽LPレコードファン倶楽部(LPC)★ クラシック音楽研究者 蔵 志津久

嘗てのクラシック音楽の名演奏家達の貴重な演奏がぎっしりと収録されたLPレコードから私の愛聴盤を紹介します。

◇クラシック音楽LP◇ベイヌム指揮コンセルトヘボウのブルックナー:交響曲第5番(ライヴ録音盤)/シューベルト:交響曲第6番

2022-10-20 09:39:15 | 交響曲


ブルックナー:交響曲第5番(原典版)
シューベルト:交響曲第6番

指揮:エドゥアルト・ファン・ベイヌム

管弦楽:アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

録音:1959年3月12日(ブルックナー)/1957年5月22日、25日(シューベルト)

LP:日本フォノグラフ(フィリップスレコード) 13PC-176~77(M) (6542 126/127)

 このLPレコードは、オランダの名指揮者エドゥアルト・ファン・ベイヌム(1901年―1959年)が指揮したブルックナー:交響曲第5番のライヴ演奏に、スタジオ録音のシューベルト:交響曲第6番をカップリングしたものである。ライヴ録音の方は、1959年と今から50年ほど前のものであり、当時はまだライヴ録音は珍しく、音質も良くないのが普通であったが、このLPレコードは、少々我慢して聴けば、鑑賞には差し障りない程度の仕上がりとなっているのが嬉しい。ベイヌムの歯切れ良く、しかも奥深い表現力を持った指揮ぶりに、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団がピタリと寄り添い、一体化した類稀な名演を聴くことができる。ブルックナーの交響曲第5番について、このLPレコードのライナーノートで宇野功芳氏は「作曲者自身、この交響曲を“対位法的”と名づけたが、他にも“カトリック的”“中世風”“コラール風”“信仰告白”などの呼び名がある。敬虔で厳格な多声様式がカトリックの雰囲気を伝えるからであろうし、事実フィナーレには壮麗なコラールが対位法と密接に絡み合ってゆく」と紹介している。このLPレコードは、そんな中期を飾る大傑作であるブルックナーの交響曲第5番を、ベイヌム指揮コンセルトヘボウという歴史的名コンビのライヴ録音で聴くことがでける、またとない機会を我々リスナーに与えてくれる貴重な録音だ。一方、シューベルト:交響曲第6番は、1871年10月に書き始められ、翌年の1872年12月に完成したが、シューベルトが生きているときには演奏されることはなかったようだ。初演はシューベルトの死後1か月後の1828年12月に、ウィーン楽友協会主催の音楽会で行われた。シューベルトの初期の交響曲はというと、16歳から21歳にかけての作品に当たるが、これらの中では、第5番が飛び抜けてポピュラーであり、続いて第2番、第3番、第4番が、ときたま取り上げられ、第1番と第6番は、あまり演奏される機会はないといっていいだろう。このLPレコードでのベイヌム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏は、適度な緊張感を保ち、きびきびとした演奏内容が特に印象に残る。エドゥアルト・ファン・ベイヌムは、オランダ出身の名指揮者。第二次世界大戦後の1945年、コンセルトヘボウ管弦楽団の音楽監督兼終身指揮者に就任した。このほかロンドン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、ロサンジェルス・フィルハーモニック音楽監督を歴任している。(LPC)


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