ひっそり一口馬主

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Chichicastenango

2009年02月16日 19時55分55秒 | 五十嵐理論
だいぶ前に社台に導入されることが決まっていたのになぜかあまり注目されていなかった種牡馬。その名はChichicastenango。
ダイワスカーレットの引退が決まり、その初年度の交配相手に指名されて俄然注目を浴びることになった。

ここではそのChichicastenango(以下チチカステナンゴ)の種牡馬としての特徴について五十嵐理論の観点から触れておきたい。

まずはチチカステナンゴ自身の配合から見てみよう。

チチカステナンゴ
 父 Smadoun
 母 Smala(Antheus)

自己評価 ○□□□○□□□ 3B級 中長距離向き

Nearco主導が非常に明確なことと、Djebel、Donatello、Alcantaraなど欧州系のスタミナに良さがある配合。
ただ、Relic、Native Dancerなど父母双方のスピードの血に生かし方に難があり、一流の配合とは言いがたいのも確か。

競争成績は14戦4勝。GⅠリュパン賞、パリ大賞典を制しているが、肝心の仏ダービーは2着、ジャックルマロワ賞も4着と真の大舞台では勝ちきれなかったようだ。


種牡馬としては、欧米混合型で、Nearco~Phalarisの流れで血をまとめやすく、前面でクロスしそうな血がNorthern Dancerだけと、ランダムで配合してもそれなりの内容は望めそうな特徴は持っている。
父内の特殊なフランス系を活かし、Relic、Native Dancer、Turn-toなどでスピードを補えば日本の馬場でも通用する産駒が出来ても不思議ではないと思われる。
血の内容から考えると、Sadler's WellsやMill Reefを含む牝馬との相性が非常に良いため、個人的にはどちらかと言うとフランスにいたほうが幸せだったような気がする。

ただ、日本でも例えばBMSオペラハウスとの相性は非常に良く、活躍の余地は残されていると思われる。


さて、肝心のダイワスカーレットとの配合を評価してみよう。

父チチカステナンゴ
母ダイワスカーレット(アグネスタキオン)

自己評価 □□□△□□□□ 2B級 中距離向き

さすがIKの天敵スカーレットブーケ一族らしく、高評価とはいきそうにない。母と同じくノーザンテーストが強調され、Victoria Parkに弱点を抱える構造となるため、2B級がせいぜいだろう。スピードの血は豊富で、早期の活躍は見込めそうではあるが、成長力には疑問が残る。

ただ、チチカステナンゴとBMSアグネスタキオンとの相性の良さはなかなかのものがある。父母双方でDebel、Alycidon、War Relic、Bahram、Fair Trialなど細かい血が活き、父とBMSの時点で父内に弱点が無くなる点は見のがせないところだ。ダイワスカーレット産駒が活躍するかはともかく、アグネスタキオン牝馬から優駿が輩出される可能性は充分あるだろう。

これからアグネスタキオン牝馬が増えるであろう社台にとってはいい種牡馬と言えるのではないだろうか。