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今週の一番『シュガーレス』「椎葉岳がやられたな…」「ふ…しょせん奴は一年四天王の中で最弱の男…」

2010年10月28日 | マンガ
【10月第3週:弱虫ペダル RIDE.131 小野田の走り】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10483.html#661

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



『シュガーレス』(作・細川雅巳)が楽しいですねえ。というより胸打つ物語とすら言えるかもしれません。『シュガーレス』は“風車”と呼ばれる高校の始業間もない日(だと思う)から、跳ねっ返りの1年生・椎葉岳がケンカしてケンカして、ケンカしまくる話(多分)。以前、(↓)下の記事でその所感を書いたのですが、方向性的にはそこをまっすぐ突っ切って「ゆがみねえ」感じです。

【今週の一番付記「シュガーレス」細川雅巳先生の描く不撓不屈のヤンキーマンガ】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/2e90080322b0a589c4d9500faafa93a1
多分、シャケって主人公の理想像そのものの人間なんだと思います。そのシャケの、挑んだ男に対するあまりのノックアウトっぷりにビビってしまった岳は、その“ビビった心”をシャケに見透かされてあからさまに失望の表情で通り過ぎられてしまうんですよねw「え~?wなにコイツwww」みたいな感じでw連載二回目にして既にマリモくんに二度のノックアウトを喰らって、頂点のシャケには失望を買う。(…で、その後ぶっとばされている)ここまではっきり「格」でビハインドくらってスタートする主人公も珍しいw(むしろ、負けても格は恐るべし…みたいなパターンは多いんですけどねw)ここから、ケンカして、ケンカして、ケンカして再びシャケに挑んでくれるのでしょうw

ここでも書いているのですが、ともかく主人公の椎葉岳という奴はキャラ格が低いですwいや、正確に言うと「キャラ格が低いのにいきがる事を止めないその姿勢が逆にキャラ格が高い」という逆転現象になっているのですが、まあ、とにかくこの主人公、なぐられる、蹴られる、それでその度に仰向けに失神しているイメージがあるwやたらKOされるw
でも、ボロクソに弱い、最弱の男というワケでもない。そこそこケンカは強い。…その微妙さがまたキャラが立たないというか何と言うか…。マンガだと最弱はむしろ王道ですらあるじゃないですか。『カメレオン』、『破壊王ノリタカ』でもいいし、いじめられっ子スタートという意味では『はじめの一歩』でもいい。(…あれ?弱いスタート物語は、わりとマガジンの作品を思い出すな?)どうにも話にならない程、弱いなら弱いなりに、どうがんばるか?といった物語が生まれ得る。

でも、椎名岳はそれほど弱くはない。…でも最強でもない。最強でもないけど2番2位でもない。3位…か?3番も厳しいか…?やっぱり4番目?(´・ω・`)くらいな位置づけで、その位置って煮え切らない分、逆にショボイ?みたいな感じでwそれが主人公w

あの頃よりも話が進んで今は、一年生の4強の一角に収まっているらしいのですが、じゃあその一年四天王の中で誰が一番強いのか?という話題になるとかすりもされない。ダークホース扱いも受けない。タイトルに書いたように、単純に強さランキングで測れば一年四天王の中で、とくに何事もなく、とりあえず負けてしまうようなキャラ位置…なんですよw(言い過ぎかな?w)
目標にしている最強の三年・シャケにしても、顔くらいは覚えていてくれているのか……多分、ノーガードで近づいて来た時、岳がシャケの迫力にビビッて動けなかったのに呆れてスルーしたまんまで、シャケ自身は、一年で多分、最強の、でも最強に興味がない丸母タイジに興味を示しているのみなんですよね。丸母はキャラ格が高いですよ~w

でも「それがどーした!」ってのがこの主人公・岳の信条なんでしょうね。弱かったらケンカに明け暮れちゃいけないのか?中途半端だったら最強目指しちゃ悪いのか?「関係ねえだろ!」って事なんですよね。
弱い(強さが中途半端)からこそ、その心意気の強さが際立つ、いや、精神だって強くない、シャケにビビって動けなかったんだもの。(他の四天王はそうはならないと思う)でも、精神が弱くても折れないその心意気に、他の“強い”連中が感化されるんですよね。弱いコイツがこんだけ吹いてるのに“強さ”に守られた俺が、コイツよりも吹けなくてどうする?とでも言うのか?ともかく心に火をつけてしまう。

とこかしら『とある~』の某上条さんと似たところがあります。いや、上条さんには少なくとも“幻想殺し”があって、吹きながらも事態を何とかしてしまうんだけど、岳にはそんな嬉しい設定はないから、吠えたら吠えただけ、実力通りの因果=KOが“とりあえず”返って来る。まあ、そっから逆襲はするんですけどねw
単に“吠える”しか能がない男のはずなんだけど、絶対に吠える事を止めないその姿が、逆に別の強い意味をもってしまう。いつもの岳の吹きっぷりを笑いながら、ちょっとその物語に胸を打っているかも知れず。


シュガーレス 3 (少年チャンピオン・コミックス)
細川 雅巳
秋田書店


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