近くの高台にある公園の紅葉も、やっと見頃を迎えました。
夕日の射す頃に立ち寄ると燃えるような紅葉に出会えました。
こんな風景を眺めると
「里の秋」を口ずさみたくなります。
今の子ども達は、この歌を知らないでしょうね。
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1.静かな静かな 里の秋
お背戸に木の実の 落ちる夜は
ああ 母さんとただ二人
栗の実 煮てます いろりばた
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この「栗の実 煮てます」の部分を
何故か「柿の実 見てます」だと ずっと思っていました。
栗の実は、茹でると言っているからかもしれません。
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2.明るい明るい 星の空
鳴き鳴き夜鴨(よがも)の 渡る夜は
ああ父さんの あの笑顔
栗の実食べては 思い出す
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2番の菓子は歌詞は、少し寂しげです。
お父さんは、出稼ぎに出ている歌だと思っていました。
冬の間、遠くに働きに出ているお父さんを思って
歌っているのだと思っていたのです。
しかし、この歌には
悲しい歴史が語られていたことを
知りました。
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3.さよならさよなら 椰子(やし)の島
お舟にゆられて 帰られる
ああ父さんよ 御無事でと
今夜も母さんと 祈ります
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この3番は、戦後のNHKのラジオで放送されていた
「訪ね人」の番組で流され
戦地から帰られた方たちを励ます歌詞に変えられたものだったのです。
その後、この3番は抹消されています。
3番の元々の歌詞は
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3.きれいなきれいな椰子の島
しっかり護って下さいと
ああ父さんのご武運を
今夜も一人で祈ります
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戦地に赴いた父の無事を願う歌だったのです。
そして4番はこう続きます。
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4.大きく大きくなったなら
兵隊さんだようれしいな
ねえ母さんよ僕だって
必ずお国を護ります
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もちろん、この3番と4番も戦後直ぐに抹消されています。
幼いこどもにこんな言葉を言わせてしまう世の中が
もう二度と来ませんように・・・
こんなことをしみじみと考えてしまう
静かな秋の夕暮れでした。
最後までお付き合いくださってありがとうございました。