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大学教授キョトンC日々アラカルト便り!!
特別養護老人ホーム待機者40万人問題の真実。
スウェーデンの高齢者ケアの論文を書いていると
無性に日本の高齢者ケアのことが気になってくる。
無性に韓国の老人長期療養保険制度が気になってくる。
さて、
日本の高齢者ケア施設、特に特別養護老人ホームの待機者が38万人あるいは40万人いると、マスコミは報じている。
この数字は、真実を表しているのだろうか。
実は、実態を表してはいない。
特別養護老人ホームや老人保健施設の窓口で聞いてみれば<容易に>分かることであるが、
申込者の中には、スゴイ人がかなり含まれる。
スゴイ人=非該当(自立)の方+要支援1の方+要支援2の方
これらのスゴイ人は、特別養護老人ホームや老人保健施設に入所する資格がない。
元気過ぎるからだ。
入所する資格がないのに、将来要介護状態になった時(要介護1以上)に備えて、申し込みをしているという実態がある。
ある自治体(保険者)では、待機者が2000人いると言われていたが、各高齢者ケア施設の申込者で、要介護1以上の該当者を精査して調査したところ、400人ほどであったとのこと。
自治体によって開きがあると思われるが、こうした確認作業をしっかりやれば、38万人あるいは40万人という数字が不正確であることが、すぐ分かる。
新聞社やテレビ局には、社の社会調査機能を十二分に駆使して、精査してほしいと思う。
精査に際して気をつけるポイントは、上記のスゴイ人問題だけではなく、他にも3点ある。
①重複して申し込みをしているケースが多いので、その実態を調べ
る。
②要介護1以上のADLで、つまり有資格者で申し込みはしたけれど待
っている間に亡くなっているケースがあるので、データからは除く。
③家族との同居などで引っ越しをするケースもあるので、データから除
く。
日本の高齢者ケアの待機者問題は、社会問題である。いたずらに、危機感を煽るだけではいけない。
やはり正しい姿に数字を近づける努力をマスコミにはしてほしい。
マスコミ自身、この40万人という数字の独り歩きには、気が付いているはずだ。どこの新聞社が最初に<真実に迫るか>見ものである。
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