『比較福祉社会学の展開』2024年12月新発売!!2022年『東アジアの高齢者ケア:韓国・台湾のチャレンジ』絶賛販売中!
大学教授キョトンCブログ!!
スウェーデンの知られざる真実
キャッチーなタイトルをつけてしまったなあ。
スウェーデン留学中に、「素顔のスウェーデン」(上)・(下)というレポートを書いたことがあったが、そのタイトルを上回るキャッチーなタイトルにしてしもーた。
私のことだから、タイトル通りの激しい内容にはならない。とってもラーゴムなトーンで、しかし世間の印象とは大きくかけ離れたスウェーデンの知られざる真実を、エビデンス(証拠)を示しながら解き明かしたいと思う。
北海道のmasaさんは、1月7日の記事で、スウェーデンの認知症高齢者の数と日本のそれとは異なるので、スウェーデンのような個室型のユニットケアを求める厚生労働省および介護保険の目指す方向は大きな問題を残すことになるとしている。
ここで、まず明らかにすべきは、スウェーデンの個室型ユニットケアがどの程度行われているかである。
常にそうであるが、スウェーデンはその実情・現状よりも、望ましい方向で、理解される。福祉国家スウェーデンと呼ばれる以上、理想的な高齢者ケアを実践しているに<違いない>という<思い込み>。
私も1998年夏までは、<違いない>と<思いこんでいた>。
まず、スウェーデンでは、認知症高齢者のグループホームもADLの低い要介護高齢者のナーシングホームも区別されていない。施設ケアはまとめて、「介護の付いた特別住宅」と呼ばれ、統計もこれ一種類しかない。
「介護の付いた特別住宅」は、ほぼ個室である。ナーシングホームの中には、まだ二人部屋も残っているが大多数が個室、グループホームは全て個室である。
ケアは全てユニット・ケア方式である。
手元にある2005年のデータでは(新しいデータは後日何とかします)、
この介護の付いた特別住宅は100,200人分(うち、13,200人分は民間が運営)で、毎年少しずつ減ってきている。
スウェーデンにおける高齢者数は、約1610000人。
介護の付いた特別住宅への入居率は、約6.2%。
目が飛び出るほどの激しい数字ではない。
北海道のmasaさんは、スウェーデン流のグループホーム化を日本の介護保険が目指しているために、介護スタッフ不足を招きシステムが崩壊すると、嘆いておられるが、
グループホームにおける職員配置も、スウェーデンと日本で、ほとんど差がない。この点については、拙著『スウェーデンの高齢者ケア』新評論を立ち読みしていただきたい。
スウェーデンの高齢者ケアは、一般的に考えられているほど理想的な状況でもないし、日本のシステムにはない構造的な問題を少なからず抱えている。
« masaさんのブ... | NON STY... » |
これはその通りです。そもそも日本のグループホーム配置基準は、スウェーデンのそれを参考に決めたものです。しかし僕の主張は配置基準など全然問題としていませんし日本のそれの配置基準が多すぎる、と言っているわけでもありません。グループホームのケア方法は、既存の大きな施設と比して人手がかるのであるから、それを基本に考えるのでは日本全体の介護は持たない、と言っているんです。
これは何もグループホームだけではなく、地域密着型サービス全体を小規模対応型サービスという意味でくくることができるし、新型特養や新型老健なども同じ特徴を持つものと思われます。
日本のグループホーム配置基準が日中3:1であるかのように誤解している人がいますが、実際にはそうではなく「利用者9人で常勤の勤務時間が1日8時間であれば、夜間および深夜の時間帯以外の時間が午前6時から午後9時までとした場合、この15時間の間に、8時間×3人=延べ24時間分の職員配置が必要で、かつ常に介護従事者が1人以上確保されている必要がある」ということで夜間はそれ以外の配置ですし、明けや休みの職員もおります。ここで問題なのは、グループホームには事務員も調理員も栄養士も配置されなくて良いサービスであるがゆえに、介護職員等がその全ての役割を担う必要があり、さらに管理者やケアマネは一部兼務が可能ですが基本的には別に配置基準があります。
そしてユニットの最大単位は9人までですし、複数ユニットの運営は2ユニットまでしか認められていません。(改正前にはユニット数の制限はなかったので、もっとたくさんのユニットを持つホームも存在する)つまり最大18人に対して職員配置を求められるわけで、きちんとケアを行おうとすれば職員は全体で2:1でも足りません。人手が他の施設に比してかかる所以です。
こういう小規模対応でケアの部分でほとんどスケールメリットが生じないケアを基本とすれば日本の介護が持たないという意味です。何もスウェーデンの配置基準以下に日本のグループホームをしろ、と言うのではなく、小規模対応型施設だけがケアの質を担保するとして、それを各地に数多く乱立させる結果にしかなっていない現在の政策の転換が必要だとの主張で、ここの部分の誤解があるように思います。
つまり僕の主張は我が国の介護の方法論をグループホームを中心にした小規模対応型の方法論だけに求めては駄目(実際に新設の特養は基本的に新型特養しか認めないなどの政策誘導がある)であり、大規模対応施設の全てが駄目だという視点ではいけないというものです。決してグループホームの配置基準をどうのこうのと言っているわけではありません。
このことについてあらためて記事を今週中にも書きたいと思います。おそらく金曜日にはかけると思いますので
「masaの介護福祉情報裏板」
http://blog.livedoor.jp/masahero3/
↑こちらで週末にご確認ください。
高齢者の施設ケアの在り方に関するmasa様のお考えを詳しくご説明いただき、誠にありがとうございました。
masa様のお考えとしては、グループホームの職員配置はあまりにも現実的でないので、高齢化がまだまだ進むことを考えると、現行のグループホームだけでなく、かつての大規模収容型の特別養護老人ホームも新規に創設できるようにし、利用者の選択に委ねるようにすべきである、という理解で宜しいでしょうか。
>そもそも日本のグループホーム配置基準は、スウェ>ーデンのそれを参考に決めたものです。
なお、スウェーデンのグループホームやナーシングホームでは、夜間のケアが日本と全く異なっております。3人の夜間専門介護スタッフチームが6つほどのユニットを巡回しています。3人の夜間専門介護スタッフチームが3ないし4あって、順番にローテーションを組んでおります。
スウェーデンと日本では、夜間ケアの方法について全く異なっているので、スウェーデンを参考にしたという部分は、?です。
なお
>3人の夜間専門介護スタッフチームが6つほどのユニットを巡回しています。3人の夜間専門介護スタッフチームが3ないし4あって、順番にローテーションを組んでおります。
夜勤専門スタッフという部分では違いがあってもその基準は平均すると、一人が2ユニットをカバーするという現行の日本の基準と非常によく似ていると思いますよ。
スウェーデンの職員配置に関しては、自分のブログの中で詳しく書きたいと思います。
あの国では、ユニットごとに職員配置が異なっており、時間帯による職員数の変動も激しいです。
本に書いた内容ですが、ブログでも示したいと思っています。