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大学教授キョトンC日々アラカルト便り!!
韓国保健福祉家庭部とファン・ウソク氏(その2)
20代後半あるいは30代前半の青年達が、今年7月からスタートする長期療養保険のスポークスマンをしている現実に驚くとともに、韓国の能力主義(メリトクラシー)の強さを実感した。年齢を重視するセニオリズムや経験主義は昔の価値観なのであろう。ここに韓国の新しい価値観を感じた。まあ、その背景には、アメリカカの能力主義価値の影響を強く受けているのであろうが。
私のインタビューだから若い人を出してきたのではないかと最初イジケタのであるが、いろいろ情報を集めてみると、日本からどのようなエライさんや業界マスコミが取材に行っても、あの若い官僚が窓口になっていることが分かった。
私がその官僚にアポを取るためにメールしても返信メールが打てないぐらい忙しようであったが、実際に直接会ってみると、90分近く対応してくれた。優しい青年である。
雑談をしながら、半年先のインタビューの予約でもしようと思っていた矢先に、
保健福祉家庭部のガラスの入り口を思いっきり叩きながら、大声を出す集団が現れた。私のインタビューは午後3時過ぎから始まり、5時近くになっていたので、ガラスの入り口は施錠されていたのであるが、その集団は過激であった。ドアをねじ開ける勢いであった。
私も若き官僚2人もロビーに作られた会議スペースにいたので、若者2名がその職員であることが分かればその過激集団に袋叩きになる。私は窓際族だと思われて襲撃さて例えば、かもしれない。
身の危険が迫ってきたので、逃げるように、ビルの外に出た。その集団は、何でも、ES細胞でノーベル賞に最も近いところにいた韓国のファン・ウソク教授を支援する過激団体であるとのこと。あの教授は、研究成果の偽装が発覚した後、アジアのある国に移ってひっそりと研究をしているらしい。
その団体は、ファン氏の名誉回復と帰国後に、かってのように国から莫大な研究費をファン氏に支給するように訴えるため、保健福祉部にやってきたのだ。日本の厚生労働省の前には、多くの警備員が立っており、いちいち中に入るのに、身分証明書を提示しなければならないが、保健福祉部には警備員が立っていないので、とても危険な状態にあると言える。
日本では、京都大学の山中教授が世界的に脚光を浴びており、ノーベル賞に最も近い。日本での成功に触発されて、かの国の過激集団がますますヒートアップしているように感じた。