goo blog サービス終了のお知らせ 

玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

「非実在青少年」とクロマグロ(そしてドラえもん)

2010年03月24日 | 日々思うことなど
いきなりだが、東京都の青少年育成条例だか「非実在青少年」規制論議と、地中海産クロマグロ取引禁止問題は似てると思う。

最初に私自身の立場を書いておこう。
どちらの問題に対しても直接の利害関係者ではない。作り手・送り手ではないし、消費者としてもほとんど関わっていない。エロ系のマンガ・アニメ・ゲームは苦手だし、マグロを口にするのは回転寿司かスーパーの安売りパックくらいだ。たぶんあれはメバチかキハダだと思う。
傍観者のつもりで好き勝手に言わせてもらうと、どちらも規制の対象に目されている側がやりすぎたんじゃないか、度を越している、遅かれ早かれ問題にされるのはやむをえない、むしろ当然だ、という感じ。
わかりやすいのはクロマグロのほうだ。世界の漁獲量の8割を日本が消費していると聞くと驚くし、乱獲のせいで絶滅が危惧されているとなると恥ずかしくて申し訳ない気持になる。ドーハでの会議では日本の主張が大差で「勝った」けれど、個人的には負けてもいいんじゃないかと思っていた。専門家の中にも「ワシントン条約の勝者は中国とリビアで、敗者は日本と持続的漁業」だという人もいて、私は大いに納得した。

「青少年育成条例」問題も結局のところは限りある資源の収奪がまずいのである。
この場合の資源とは、「不健全な」あれこれの存在をお目こぼししてくれる世間様とか「善良な市民」の寛容さだ。なにしろ渡る世間は鬼ばかりだし、いかに心の広い人でも寛容の井戸は無限ではない。
どれほど「不健全な」作品であってもそれは表現の自由だ、お目こぼしだの何だの恩に着せられるいわれは無い、と怒る人もいるだろう。まことに正論だ。だが、往々にしてご立派な正論が通らないのが人間社会であり、日本という国である。政治的な成果を得たければ、理屈よりも現実を見て運動しなければうまく行かないどころかかえって逆効果になりかねない。
ちなみに、この場合の「善良な市民」とは、ロリコン・ペドフィリア系二次元表現物を見て本気で怒ったり心配する人たち、具体的には小さな子供をもつ両親や祖父母、教育関係者といったあたりをイメージしている。私自身は二次元ロリペドは嫌いだけど怒りはしないし、子供はいないし、教師でもないから自分を(規制論議における)「善良な市民」とは思っていない。ちなみに、二次元エロもロリペドも興味ないが、一般的なエロ(ヌードやAV)は好物である。
ネット上で盛んな「表現規制反対運動」がどういう結果になるかわからないが、仮に勝ったとしても、ドーハで「大勝利」した日本のように、かえって資源保護に重い責任を負わされることになる。これまでどおり乱獲を続けることはできないし、無理に続ければかえって業界全体の破滅という結果を招くだろう。

ところで、規制反対論のなかに「(条文があいまいだから)ドラえもんが規制されることになりかねない」という意見が見られるけれど、そのたびになんとも微妙な気持になる。言ってる人はたぶん本気で心配していて、一般人へのインパクト抜群だと思っているのだろうが、なんだかなあ…。この微妙さが何かに似ていると思ったら、皇位継承問題で男系維持派(私もその一人なのだが)の一部が好む「Y染色体論」なのだった。
はっきり言ってしまうと、どちらも「同志」だけに通じる特殊な感覚であって、一般人へのアピールとしてはゼロ、それどころかマイナスの効果のほうが大きい。感心されたり同意を得るよりも失笑されることのほうがずっと多いはずだ。
「Y染色体論」はとりあえず置いといて、「ドラえもん規制対象論」について言えば、実際にそのような(ドラえもんを規制すべきだ)主張がそれなりの力を持って存在していることを示せなければ、「極論」「ためにする主張」とみなされてかえって反対派の信用を損なう。雲ひとつない晴天の日に「雷が怖い」と震えてみせるようなものだ。心配性だなと笑ってもらえればまだしも、「この人おかしいんじゃないか」と思われかねない。
雷(表現規制)の恐怖を訴えたければ、それなりに雲が出ている(不健全な要素が認められる作品への規制)場合でないとまともに聞いてもらえない。私が思うところの一般常識からすればドラえもんは間違いなく健全で雲ひとつない青空だ。雷の危険性を訴えて恐怖をあおりたければ、実際に雷が落ちそうな入道雲(規制の対象になりうる不健全さ)を示すべきだ。
二次元エロ規制論における「入道雲」が何に当たるのかよくわからないけれど、非オタクの一般人に理解してもらえる範囲だと耽美的な少女漫画の名作(竹宮惠子とか萩尾望都とか)あたりだろうか。「ドラえもんが」というより「中学生高校生が『風と木の詩』が読めなくなるかも」と言うほうがよほどリアリティがある。


参考
 Homura's R Comics Blog: 表現の自由を守る為に
 規制反対運動をしながら、どんどん敵を増やしてる人たち

「日本のチベット」

2010年02月23日 | 日々思うことなど
私は基本的に政治家の失言問題には寛容なので、この件も「謝罪して終わりにすればそれでいい」と思う。

民主・石井氏「鳥取、島根は日本のチベット」 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 民主党の石井一選挙対策委員長は22日、都内で開かれた川上義博・同党参院議員(鳥取選挙区)のパーティーであいさつし、「鳥取県とか島根県と言ったら、日本のチベットみたいなもので、少し語弊があるかもわからないが、人が住んでいるのか。牛が多いのか。山やら何やらあるけど、人口が少ない所」と述べた。

 川上氏が夏の参院選に向けて鳥取選挙区の候補者を発掘したため、保守地盤の鳥取での活動を評価した発言とみられる。しかし、会場からは「失礼だ」との声もあがった。


ずいぶんつまらないことを言ったものだ。
もしも私の住んでいる地方(中途半端な田舎である)のことをこんな風に言われたら怒る。
とはいえ、鳥取や島根の人たちがこの発言を知ってどう思うのかはよくわからない。もしかしたら過疎地であることをわが県の特質と自認し、恥じるどころか誇りをもっている人が多いのかもしれない。
外部の人間の意見と現にそこに住んでいる人たちの感覚はえてして違うものだ。韓国人が日本をバカにするとき「島国のくせに」という言葉を使うことがある。韓国人にとって「島国呼ばわり」はあからさまな侮辱らしいのだが、言われた日本人のほうは「島国ですがそれが何か?」としか思わない。むしろ「島国と呼ばれて日本人が恥じ入ると思ってるのか、それこそ『半島根性』だね」と笑ったりする。
あるいは、かつてタモリが「名古屋人はエビフライをエビフリャーと呼び、一番のごちそうと信じている」などとネタにしていたとき(80年代のことだ)、どこよりも受けたのが当の名古屋の若者だったという。もちろんバカにされたと怒るマジメな人も多かったが、「よくぞネタにしてくれた」と喜ぶ人もいて、決して反発ばかりではなかった。

私が嫌な感じを受けたのは、この発言が「都内で開かれたパーティー」で行われたことだ。都会人が地方の住人をバカにして陰口を言っているようでいかにも差別的に見える。これが現地で、つまり鳥取市とか松江市で言い、地元住民にジョークとして受け入れられたなら他地域の人間がとやかく言うことではないのだが。


さて、失言の後始末がどうなるかはともかく、私が気になったのは「日本のチベット」という言葉だ。
「ひどいことを言いやがる」と思ったのではなく「アナクロな表現だなあ」「ずいぶん古い言葉を聞いた」とちょっと驚いた。
はてなブックマークの反応を見ると「日本のチベット」という表現を初めて知った人が多いようだが、昔は僻地・田舎にかぶせられる決まり文句としてよく使われていた。岩手県を描いた1955年のドキュメンタリー映画に「カメラルポ 脚光あびる日本のチベット 岩手三陸」という題名が付けられたのがはじまりらしい。私が子供のころの岩手県の印象は「日本のチベット・リアス式海岸・三陸大津波」で、それこそとんでもない田舎とばかり思っていた。東北新幹線ができる前の話である。
「日本のチベット」という表現は子供でさえ知っていた慣用句であり、石井氏がひねり出した新らしい表現ではない。たぶん、というかほぼ間違いなく石井氏は「田舎の枕詞といえば『日本のチベット』だろう」という程度の安易な気持で使ったに違いない。
「ことさらチベットを持ち出すのは底意がある」「中国に支配されたチベットの状況を踏まえて言ったのか」などと深読みする必要はない。とはいえ、放送禁止用語でもありアナクロなのは間違いなく、痛くもない(?)腹を探られる羽目になった石井氏の「日本のチベット」発言がろくでもない代物なのは確かだ。

国母選手批判とオリンピック精神

2010年02月20日 | 日々思うことなど
バンクーバーオリンピックの男子スノーボード・ハーフパイプで国母選手が8位に入賞した。
本気でメダルを狙っていた国母選手は悔しいだろうが、誰に恥じることもない立派な成績である。心からおめでとうと申し上げる。
私はF1レースが好きなので日本人選手の成績をつい比べてしまう、F1では中嶋悟からはじまって日本人選手が20年以上フル参戦し、延べ数百レース走っても表彰台に上ったのは2回だけだ。「世界で三位以内に入る」のはそれほどまでに難しい。国母選手だけでなく、8位以内に入賞した選手は大いに胸を張って帰国していい。

さて、国母選手といえば競技よりもファッションセンスや記者会見での態度のほうが話題になった人である。有体に言えば「話題になった」というよりもバッシングを受けた。私自身はというと、正直言って腰パンはだらしなくて嫌いだし、「謝罪」会見で「不遜な」態度を見せてかえって批判を広げたのはまずかったと思う。身近に国母選手のような若者がいたら仲良くできる自信はない。
だが、彼を強く批判する人たちのほうもなんだか変である。眉をひそめるのはともかく、罵倒やら呪いをぶつけるのはいただけない。中にはオリンピック精神を踏みにじるようなことを言う人までいて、あなたたちのほうが場違いで無礼じゃないか、とさえ思ってしまう。


【主張】五輪とマナー 国の誇りを背負う自覚を (1/2ページ) - バンクーバー冬季五輪 - MSN産経ニュース
 バンクーバー冬季五輪のスノーボード男子ハーフパイプで8位に入賞した国母(こくぼ)和宏選手(21)には、複雑な思いを抱いた人も少なくないのではないか。

 国母選手は日本選手団の公式ウエアのズボンをずり下げる「腰パン」スタイルや謝罪会見での反抗的な態度で厳しい批判を浴びた。橋本聖子団長が諭し、「結果を出すことでおわびを」と出場させた経緯がある。

 試合後、服装問題の影響を聞かれた国母選手は「全くない。気にしていたらやっていられない」と語った。批判を真摯(しんし)に受けとめたとは言い難いと、あえて苦言を呈したい。

 1998年の長野大会から冬季五輪の正式種目となったハーフパイプは若者の人気を集める競技だ。円筒を半分に割って横に倒した形状の雪面をブランコのように往復し、両側の壁の頂上付近や空中にいる間に様々(さまざま)な技を競う。

 冬季五輪への関心を高めた貢献の半面、五輪を必ずしも最高の舞台とはしない独特の競技風土もあるようだ。国母選手は謝罪会見で「自分にとって五輪は特別なものではない」と発言していた。

 「腰パン」発祥の地とされる米国では、公序良俗を乱すとして罰金や禁固刑を科す規制条例を施行する市がある一方で、条例は表現の自由を保障した憲法に反するとの裁判所の判決も出ている。

 腰パンとハーフパイプが結びつくスポーツ文化があってもいい。私的な場での自己表現なら腰パンの自由も許されよう。

 しかし、謝罪会見で「反省してまーす」と語尾をのばす発言をしたり、舌打ちしたりした国母選手は明らかに五輪代表選手としての思慮と品格を欠いていた。若いスター選手をたしなめる関係者がいなかったのも問題だ。

 五輪を拒否するのは自由だ。しかし、参加していながら五輪精神を無視したり、冒涜(ぼうとく)したりする言動は許されない。

 「スポーツを文化や教育と融合させるオリンピズムが求めるものは、努力のうちに見いだされる喜び、よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などに基づいた生き方の創造である」(オリンピック憲章)

 腰パン騒動は、国母選手だけでなく、国の誇りを背負うすべての代表選手、さらにはテレビの前の国民にも五輪精神について考える機会を与えたと受けとめたい。


はっきりいってひどい駄文だと思うけれど、国保選手のファッションや礼儀知らずを批判するのは勝手だ。だが、都合よくオリンピック精神をつまみ食いするのは感心しない。他人がオリンピック選手に「国の誇り」を背負わせようとするのはそれこそオリンピック精神にそぐわない。


オリンピック憲章(pdf

オリンピズムの根本原則

1. オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意思と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。スポーツを文化や教育と融合させるオリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などに基づいた生き方の創造である。

2. オリンピズムの目標は、スポーツを人間の調和のとれた発達に役立てることである。その目的は、人間の尊厳維持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。(p10)

オリンピック・ムーブメントとその活動
 6 オリンピック競技大会
  1.オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない。(p17)

「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない。」と明記されている。もちろん、「オリンピック選手は国の誇りを背負っていることを自覚せよ」などとはどこにも書かれていない。オリンピック精神とナショナリズムの強制は水と油で、本来は交じり合わない。
もちろんこれは憲法9条のような理想主義で、実際のところどの国でも純粋に「スポーツの祭典」としてオリンピックを楽しむ人よりも「自国選手の活躍」を期待してテレビ中継を見る人のほうが多いだろう。オリンピック精神とナショナリズムは本来は水と油だが、フレンチドレッシングのように激しく攪拌されて交じり合っている。だがそれはそれぞれの成分が細かい水滴に分かれただけで、化学的に融合したわけではない。


かつての冷戦時代、1980年のモスクワオリンピックでは日本を含む西側諸国の多くが参加をボイコットした。アフガン侵攻への抗議のためだ。その仕返しに、1984年のロサンゼルスオリンピックではソ連を初めとする東側諸国が参加しなかった。世界中で涙を飲んだ選手が大勢いて、スポーツの祭典にとっては暗い時代だった。
そのころは「オリンピックとナショナリズム」について大いに論じられたものである。ナチスドイツの主催したベルリン五輪を引き合いに出して「オリンピックが侵略国家の飾りに使われていいのか」と怒る人、「いや、そういうナショナリズムとは別の次元でスポーツの祭典を行うのが平和のためだ」と反論する人、どちらも真剣に自らの価値観を語っていた。私は子供で難しい話はよくわからなかったが、「そうか、オリンピックって単なる国別対抗運動会じゃないんだな」という印象が強く刻み付けられた。


モスクワ五輪やロサンゼルス五輪でのボイコット議論と比べると、国保選手の腰パン事件や彼に向けられた批判はまことに軽い。それこそワイドショーレベルの話題である。茶飲み話として適当に消費するならかまわないが、「国の誇り」だのなんだの大上段から演説されるのはうんざりだ。
国母選手を嫌うのもバカにするのも勝手だが、「国の誇りがどうのこうの」という批判は「鶏を裂くに牛刀を以ってする」たぐいで大げさすぎて滑稽だし、クーベルタン男爵の理想、非ナショナリズム(反ナショナリズムではないにせよ)のオリンピック精神にもそぐわない。どうしてもオリンピック精神を持ち出して国母選手を批判するなら「スポーツマンとしてふさわしくない態度だ」と言ったほうがずっといい。

朝青龍とデーモン閣下と内館牧子氏

2010年02月06日 | 日々思うことなど
朝青龍の引退は残念だ。
だが一般人に暴力を振るったのなら、これまでの行状と合わせて引退に追い込まれても仕方ない。
でもやっぱり残念だ。とにかく強くて愛嬌もあって小憎らしくて、自分にとってはいい横綱だった。
だが暴力沙汰は「品格」騒ぎとは違って明らかに一線を越えている。
それでもやっぱり残念でならない。「大草原の少年」はコンクリートジャングルには住めなかったのか。

好角家のデーモン閣下も朝青龍の引退を惜しんでおられる。
世を忍ぶ仮の子供時代から輪島の大ファンで、北尾(双羽黒)がプロレスデビューしたとき入場テーマ曲を作ってあげた閣下は横綱に品格を求めつつ規格外の暴れん坊を受け入れる懐の深さをお持ちだ。

デーモン閣下の地獄のWEB ROCK: Feb.05.DC12:朝青龍引退。
朝青龍の引退発表を聞いて、吾輩の率直な感想は「実に残念な結果になったな」というものである。理由は、これだけの『スター選手』が、まだまだ第一人者の力がありながら、体力気力の限界とは別の理由で引退しなければならないという点につきる。

いまさらになるが、今回の「知人に暴行をはたらいたとされる」騒動を受けてのおとしまえのつけかたは、吾輩は「減俸」および「執行猶予つき引退勧告」という処分が適当ではないかと思っていた。つまり「次に何か問題を起こしたら、どんなに些細なことでも即刻引退させるぞ」という内容だ。最後通告を受けたあとの朝青龍がどのように心を入れ替えて「横綱」に向き合ってゆくのか、見てみたかった。若いころに怖いもの知らずでやってきた力士が、年輪を重ね痛みや弱さを知り、円熟し風格を備えてゆく様を見るのも、一つの相撲の醍醐味であるから。


はてなブックマークでも閣下の相撲愛と見識に感嘆する声が多い。

はてなブックマーク - デーモン閣下の地獄のWEB ROCK: Feb.05.DC12:朝青龍引退。



さて、元横綱審議委員の内館牧子氏も朝青龍の引退についてコメントを出している。
「天敵」とも呼ばれた人だけに、引退に追い込んだのを勝ち誇るような見苦しいものじゃないかと危ぶんだ(期待した?)のだが、意外にも抑制の効いたコメントだったので私は「なかなかやるな」とちょっとだけ感心した。だがなぜかはてなブックマークではたいへん顰蹙を買っている。

【朝青龍引退】内舘氏、「日本に敬意欠けていた」 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
はてなブックマーク - 【朝青龍引退】内舘氏、「日本に敬意欠けていた」 (1/2ページ) - MSN産経ニュース

私にはずいぶん奇妙な風景に見える。
内館氏の言っていることは、賞賛されているデーモン閣下の意見とそれほど違いがないからだ。

内館氏
今後、日本であれ他の外国であれ、どこかで何かの仕事をなさるでしょうが、その際、その国とその業界、およびその仕事に対し敬意を払うことを忘れないでほしいと思います。朝青龍は日本に、角界に、そして相撲という仕事に、敬意が欠けていた。それを持てば、彼のよさがもっとあらわれ、そして評価されると考えています


デーモン閣下
今回の件を見て、外国から来た新弟子には相撲の技術だけではなく日本の文化や美徳を教えることも、やっているのだろうが、今以上にかなりの重きを置いて叩き込む必要があると、強く感じる。


「日本であれ他の外国であれ(略)その国とその業界、およびその仕事に対し敬意を払うことを忘れないでほしい」という内館氏のコメントよりも「外国から来た新弟子には相撲の技術だけではなく日本の文化や美徳を教えることも(略)今以上にかなりの重きを置いて叩き込む必要がある」と語るデーモン閣下のほうがよほど言葉がきつい。なにしろ悪魔だから当たり前だけど。

内館氏のコメントに怒っている人たちは、こう言っては悪いが産経記事の「日本」を強調した見出しに釣られたように見える。実際のコメントを見れば彼女の意図が「日本に敬意を持て」という右翼的な押し付けというより「どの国でも、どの仕事でも敬意を持って行うべきだ」という ごく一般的な他文化尊重と職業倫理であることがわかる。もし内館氏が大リーグの日本人選手に対しても「アメリカに、大リーグに、そして野球という仕事に敬意を持て」というのであれば筋が通っている。実際のところ内館氏が日本人大リーガーについて何か言ったのかどうか知らないけれど。

はっきり言って私は朝青龍を目の敵にして引退に追い込んだ(完全に主観です)内館牧子氏が嫌いだけれど、今回のコメントは批判する気になれない。「日本文化に敬意を持てと押し付けるのはけしからん」と怒る人はデーモン閣下にも怒るべきだし、デーモン閣下の意見に同意した人は内館氏のコメントにもうなずくべきだ。

もし宇宙ステーションにすべての国の人が乗り込んで地球を眺めたら…

2010年01月08日 | 日々思うことなど
「宇宙からの帰還」(立花隆)がベストセラーになったのは1983年だから、四半世紀も前のことだ。
鳩山総理は読んだのだろうか。

「宇宙人」首相が宇宙交信 「地球を眺めれば争いなくなるのでは」 - MSN産経ニュース
 鳩山由紀夫首相は7日夜、首相官邸で、国際宇宙ステーション「きぼう」船内で活動中の宇宙飛行士、野口聡一さんと約20分間、映像モニターを使って交信した。神奈川県茅ケ崎市立浜須賀小学校の児童らも一緒に交信した。

 首相は「私は宇宙人と言われているが実際に行ったことはない。野口飛行士はうらやましくてなりません」と冗談交じりにあいさつ。さらに「もし宇宙ステーションにすべての国の人が乗り込んで地球を眺めたら、争いがなくなるのでは。戦争のない地球にしたいと思いませんか」と「友愛精神」をアピールした。

「もし宇宙ステーションにすべての国の人が乗り込んで地球を眺めたら、争いがなくなるのでは」
こういうアイデアはずっと前からもう何十回となく聞いた。たぶんガガーリンが始めて宇宙を飛んだときから、あるいはもっと前から言われていることだろう。宇宙と人類の未来への美しい夢、信じてみたい理想として永遠の定番というか決まり文句というか、いっそ陳腐というべきか。
私が誰かにこのアイデアを好きか嫌いかと聞かれたら「いい話だね、好きですよ」と答えるだろう。だが2010年にもなって、日本の総理大臣の言葉として聞かされるとちょっと苦笑してしまう。いかにも鳩山さんらしいフワフワした発想だと思う。

「すべての国の」宇宙飛行士は実現していないけれど、国際宇宙ステーション(ISS)には多くの国々が参加している(アメリカ・ロシア・カナダ・日本・ベルギー・デンマーク・フランス・ドイツ・イタリア・オランダ・ノルウェー・スペイン・スウェーデン・スイス・イギリス・ブラジル)。幸いにしてこれまでISS計画参加国のあいだで武力衝突は起きていない。だがそれは「信頼関係が築かれているから共同で宇宙計画ができる」と見たほうがいい。仮に北朝鮮とかイランの宇宙飛行士がISSに乗り込んだとして、それがきっかけで日本と北朝鮮・アメリカとイランの関係が改善されると期待するのは難しい。
スカイラブ計画でアメリカとソ連の宇宙飛行士が「宇宙ステーションに乗り込んで地球を眺めた」のは1973~74年、そしてレーガン大統領がソ連を「悪の帝国」と決め付けたのは1983年のことだった。冷戦は激化し、1984年に世界終末時計の針は「3分前」に進められた。

「新しい技術がコミュニケーションのレベルを上げて人間の意識を変える」という夢はそれこそ宇宙飛行以前からあった。電信が発明されたとき、電話が使われだしたとき、テレビが、そしてインターネットが普及したとき… 
「これで遠くの人たちと容易にコミュニケーションできる、相互理解が深まり地球はひとつの平和な村になる」と夢見た人は必ずいたはずだ。だがIT技術が発達した現実の世界はみなさんご存知の通りで、怒りと暴力のニュースに事欠かない。平和を夢見るのは素敵なことだけれど、夢と現実を取り違えると失望することになる。

真珠湾攻撃は「秀才の100点答案」だって?

2009年11月24日 | 日々思うことなど
たとえ話というのは使い方によっては大変便利なものだ。
いくら熱弁しても理解されないことが、適切なたとえを見つけて説明すると簡単に納得してもらえることもある。

だが、たとえ話は諸刃の剣でもある。
変なたとえを使うとかえって誤解を招く。それどころか、「おかしなたとえを持ち出して得意げな顔をするこいつはバカじゃなかろうか」と思われて信用をなくすことにもなりかねない。典型的な例としては、2007年に当時の柳沢伯夫厚労相が少子化問題を説明するために使った「生む機械、装置の数は決まっているから、機械と言うのは何だけど、あとは一人頭で頑張ってもらうしかないと思う」という言葉がある。柳沢氏は女性を蔑視しているというレッテルを貼られてバッシングを受けた。たとえ話をしくじると高くつく。

どうして日本軍は真珠湾を攻撃したのか (内田樹の研究室)
「権力中枢に蝟集するワルモノ」というのは、「お勉強のできる人たち」ということである。
秀才というのは、その定義からして「100点答案」を書くことにしか興味がない。
そういう人たちは「後退局面」とか「負け戦」とか「後始末」とか「負けしろの確保」とかいうことについては対応できない。
というのも彼らは「絶対負けない」ということを信条として、秀才としての自己形成を果たしたわけだからである。
こういう人たちは外交や軍事にはまったく向かない。
東条英機というひとは陸士・陸大卒の秀才であり、100点答案を書く名人ではあったが、軍事的にはまるで無能な人物であった。
それは彼の起草した『戦陣訓』を読めばわかる。
曰く「必勝の信念は千磨必死の訓練に生ず。須く寸暇を惜しみ肝胆を砕き、必ず敵に勝つの実力を涵養すべし。勝敗は皇国の隆替に関す。光輝ある軍の歴史に鑑み、百戦百勝の伝統に対する己の責務を銘肝し、勝たずば断じて已むべからず。」
「百戦百勝」は不可能な軍事的事実である。
そんなことは誰でもわかる。
誰でもわかる不可能事を平然と書けるのは、「過去に不可能であった単称言明から、それが未来永劫不可能であるという全称言明は帰納できない」というヒューム的遁辞が用意されているからである。
万分の一でも可能性があれば、「100点の答案」を書きたくなるというのが秀才のピットフォールである。
満州事変以後、太平洋戦争敗戦に至る全行程において、大本営は「これがこうなって、あれがこうなれば、皇軍は完全勝利する」という類の「風が吹けば桶屋が儲かる」式というか「わらしべ長者」式というか、そういう「うまいことだけが選択的に続けば、圧倒的勝利を収めるであろう」的推論だけを行って戦争を遂行した。
これは秀才だけが能くなしうる仕事である。
日露戦争から35年、日本の軍事機構には秀才だけを登用し続け来た。その結果、太平洋戦争開戦時に、日本軍の中枢には、参謀本部にも軍令部にも、もう秀才しか残っていなかった。
真珠湾攻撃は秀才の「100点答案」である。
という話をする。


内田氏の言いたいことは、日本の「権力者交替の手順」が秀才の自滅でしか行われないということなのだと思う。私は内田氏の文章がどうも苦手で、何を読んでも半分しかわかった気がしないのだけれど多分そう外れてはいないだろう。
内田氏の権力交代論について特に意見はないのだが(あまり読む気もしない)、たとえ話として持ち出された「真珠湾攻撃」がどうにもこうにも不適切なので、文章全体がはなはだ間抜けなことになっている。よく知らないことならたとえに持ち出さないほうがいいのに。
少しでも戦史に興味がある人なら、真珠湾攻撃がどのような経緯で立案・実行されたのか大体知っている。一言でいえば、内田氏の言うような「秀才の100点答案」をひっくりかえした大博打だった。

真珠湾攻撃 - Wikipedia

帝国海軍の「秀才の100点答案」は米艦隊を引きつけて迎え撃つ艦隊決戦である。
海軍大学校を出た秀才たちが日露戦争の後何十年も研究を続けた帝国海軍の既定方針であり模範解答だ。だが、それでは勝てない(図上演習ではほぼ常に日本艦隊が劣勢)と見た連合艦隊司令長官・山本五十六が、太平洋に暗雲の立ち込める1941年になってほとんど泥縄式に立案させたのが真珠湾奇襲作戦である。
山本自身は真珠湾攻撃のアイデアを以前から持っていたようだが、いきなり作戦として検討せよと命じられた「秀才」参謀たちは目を白黒させたはずだ。実際、「軍令部において9月に行われた兵棋演習では、敵戦艦5隻、空母2隻の撃沈破と引換えに味方正規空母4隻中3隻沈没、1隻大破で機動部隊全滅という結果」に終わった。とても「秀才の100点答案」などというものではない。
山本の奇抜なアイデアを作戦計画にまとめた功労者は秀才というより天才肌で「奇人参謀」と呼ばれた黒島亀人だった。

黒島亀人 - Wikipedia
山本長官の下で参謀長は次々交代したが、黒島だけは唯一不動で山本に寵愛された。こうして黒島も初めて己の才能を理解してくれる人物に出会い、ますますその異能を発揮することとなった。時代は日米開戦必至の雲行きで、山本の頭に開戦劈頭のハワイ攻撃という奇想が宿る。大西瀧治郎少将と源田実少佐作成による真珠湾攻撃の航空作戦草案を、黒島は旗艦長門の私室にこもり心血を注いで全体成案を練った。(略)ヘビー・スモーカーで素っ裸で部屋にこもり、想を練り始めると時間の観念も忘れ、ひたすらタバコを吸いながら、食事も取らず風呂にも入らず没頭した。だがこの奇人ぶりは日露戦争時の秋山真之(天才肌で奇人として有名)を意識して故意にまねていたのではないかともいわれている。


・ あくまでも真珠湾奇襲にこだわり、自分のクビを賭けた山本五十六司令長官
・ 山本に寵愛された「奇人参謀」黒島亀人

個性豊かな二人が常識外れのアイデアを一年足らずで纏め上げ、乾坤一擲の大博打を打ったのが真珠湾攻撃である。「真珠湾攻撃は秀才の『100点答案』である。」という内田氏の見解はどこから来たのか知らないが史実を無視したトンデモとしか言いようがない。
だいたい、真珠湾攻撃について書くのに東条英機だけで山本五十六の名前が出てこないのはどういうことだろう。まさかとは思うけれど、「真珠湾攻撃は帝国海軍の既定方針だった」とか「真珠湾作戦を立案したのは東条英機だ」とか勘違いしているのか。

内田氏の文章中の「真珠湾攻撃」を「日米開戦」に置き換えて読むと多少は理解しやすくなる。東条英機がマジメ人間(秀才とは呼べないと思うけど)なのは定評があるし、彼が日米開戦を決定した最高責任者なのは間違いない。
それにしても、真珠湾攻撃を「秀才の『100点答案』である。」と断定されては「内田氏は日米戦史について何も知らないんじゃないか」と疑ってしまう。こんなヨタ話を聞かされた朝日のイシカワ記者もずいぶん困ったことだろう。

踊る大捏造戦

2009年10月31日 | 日々思うことなど
岡田外相「捏造」質疑応答コピペはどのようないきさつで広まったのか。
2ちゃんねるで見つけた「道理をわきまえていそうな人」 ID:TkPdMkbt0 の書き込みを中心にまとめてみる。


【政治】岡田克也事務所「2ちゃんねる」に対し削除依頼・投稿者の特定依頼★7 (魚拓)

72 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 01:56:01 ID:K3HeMkQB0
 これ書いた人物の特定なんかきっと無理だぞ。
 山程いろんなスレに投下されてるし、しかも2ch外にも広まってる。
 でも、大抵の人はチラ裏として処理してた。
 なのにそれを自分で更に広めるなんて、なんともアホだわw

 589 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 03:13:03 ID:TkPdMkbt0
  >>72
  もう調べついてるよ。
  ν即で。
  >【政治】 「いつも同じあいさつ…国会に来ていただいているのだから、考えてもらいたい」 岡田外相、天皇陛下のお言葉に意見★40
  > http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1256377645/657

  つか●を持っていたらdat落ちしてても見られるって知らないの?
  ●を持っていたら過去ログを検索して2ちゃんねるでの初出を調べるのはカンタン。
  ついでに41スレ目にはご丁寧に元になる音声がないとの告白までしてますよwwww
  > 55 名前:名無しさん@十周年 mailto:sage [2009/10/24(土) 20:28:14 ID:E/HH81wc0]
  > >>34
  > 音声ムリ

673 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 03:25:36 ID:lcfp+Ol7O
 こんだけ火消しに躍起になってるとこに、音声が来たら爆発するのかね~?

 685 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 03:27:42 ID:TkPdMkbt0
  >>673
  まだそんなこといってるのかよw
  >>589の掘った初出レスのある40スレ目の次スレの41スレ目で
  音声ムリって書いてるんだって、
  捏造コピペの作者がw



787 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 03:44:31 ID:Z5NM8mHRO
 俺もさ、昔はいわゆるネトウヨだったよ。
 でも最近のネトウヨはあまりに酷すぎる。
 一触即発で無知無学すぎる。常識を逸脱しかけてるレベル。
 ニトログリセリンを扱う工場の監督を5歳くらいのガキに任せてる感じ。

 827 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 03:53:29 ID:TkPdMkbt0
  >>787
  それはね、かわいそうな面もあるんだよ。
  5年位前が2ちゃんねるでうまく揉まれてヤバイ一線を見定めるスキルを
  身に着けることができた最後の世代。

  それ以降に2ちゃんねるをはじめた者は、
  ヤバイことを連発する猛者から学べなくなった。
  もうそういうのが綺麗さっぱり淘汰されちゃったので。

  それこそハッキングから夜のおかずまでやりたい放題やってきたν即が
  大人しくなって大勝利の法則かまして余裕な状況では
  本当の2ちゃんねるの怖さを体感するのが難しい。
  だからいきなりアホが突発的に馬鹿をする。



818 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 03:52:02 ID:MJgEvHo40
 これぐらいウソだと見抜けない奴は2ちゃんねるやっちゃ駄目だな。
 こんなのを信じるやつが、ネトウヨになる。

 868 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:04:09 ID:TkPdMkbt0
  >>818
  それが違うんだよ。
  実は初出のスレの継ぎスレでは、
  既に捏造コピペを捏造としているレスや、
  捏造コピペは民主の工作との陰謀レスまで出ていた。

  もうね、そういうのをわかった上で、
  そっち系のブログにもコピペされまくっていたとしか思えない状況。
  自分たちが一線ギリギリのことをやっている自覚がまったくない、
  それこそネット犯罪情報に疎い人たちとしか思えない。

  最近でもスマイリーキクチの事例を知っていたら
  名誉毀損にあたる書き込みやコピペは度を過ぎるとヤバイと知ってないと。
  公人だからいいというのも法知識の間違いで
  名誉毀損情報を広めたらそれこそ森元の時代にも出版社を相手に訴訟を起こしている。
  あれ、あの森の犯罪歴にかかる有名な事件だったなw


877 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:05:54 ID:q2wutW7e0
 >>868
 ん?
 マッチポンプみたいだってことなのかな。

 891 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 04:09:32 ID:TkPdMkbt0
  >>877
  初出スレとその次のスレを読むと、
  もうネタとわかっていながらわざと広めようとしている空気がバレバレw
  まず元を辿れという話にもまったくならずに
  ただ暴走しているだけw

  自分たちに都合のいい情報はウラもとらずにそのまま広めようとする、
  まるでタブロイドマスコミ以下の流れでした。

  まあ、あの場合は森の過去が過去だったんで最後は有耶無耶になって双方が手を引いたけど
  今回は完全な捏造での名誉毀損なんでスマイリーの名誉を傷つけた人々と同じコース。


911 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:12:46 ID:q2wutW7e0
 >>891
 なんでそんなに暴走したんだろうな。
 やっぱおかしくなっちゃった人がいるのかな。
 昨日の木刀男みたいに。

 934 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 04:16:43 ID:TkPdMkbt0
  >>911
  世の中、いろんな人がいるからね。
  まあ、それでも例えば万引きをした人がみんなやってるからいいじゃんとか、
  万引き程度で必死になる店長はバカといってりゃ、
  もうねw
  つける薬はないね。



895 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 04:10:09 ID:MJgEvHo40
 >>868
 アホウヨは今までも何度も捏造コピペに引っかかっている実績があるから、何を言っても無駄だよ。
 このコピペに感情的に反応してるアホウヨを何人も見たし、このスレでも信じたと言っているやつが
 多数いる。
 確か、北京聖火リレーの時の各国の善光寺絶賛コピペとかも、騙されてるアホウヨが大量発生してたわな。
 普通に今回もアホウヨが騙されて、コピペを繰り返してただけな

 942 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:17:53 ID:Zh8+aW/T0
  >>895
  ばかじゃねえの??
  こんなのにマジレスなんかするかw

  捏造だとわかってて煽ってるんだよ。おまえ、そんなコトもわかんねえから、ネトウヨとかいって現実逃避しちゃうんだよw


  953 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:19:37 ID:TkPdMkbt0
   >>942
   捏造だとわかっていて煽って広めてとなると、
   スマイリーキクチの件のように噂が本当だと信じ込んでいたのよりも悪質ですね。

   刑事でもいけるかなこりゃ。


960 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 04:20:56 ID:jjPVsx6d0
 >>953 「岡田、ば~~か!」もダメなわけ?

 974 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:23:11 ID:TkPdMkbt0
  >>960
  その程度はw
  要はタレントや政治家の信用にかかわるような捏造情報ってのは
  ヤバイ一線なんだよ。

  スマイリーの時に+でもうわぁってなっただろ?
  覚えてないの?


986 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 04:24:54 ID:jjPVsx6d0
 >>974 「岡田は、女殺し!」はどうなんだ?

 おばさん有権者に人気あったりするぞ。結構男前じゃん。

 992 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:26:08 ID:TkPdMkbt0
  >>986
  そのくらい自分で判断できないのなら2ちゃんねるに書き込む君のリスクマネジメント能力は
  もうないに等しいから、マジで書き込みなんかしないほうがいいよ。



804 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 03:49:03 ID:YyW/41me0
 で、運営は動いたの?

 847 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 03:58:11 ID:1lGlx/s60
  >>804
  削除要請板で、専スレが立ってるw
  俺の知る限りでは、現職閣僚からの削除依頼って初めてだと思うw

  855 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 04:00:36 ID:3Ht67Aiq0
   >>847
   削除依頼しながら訴えるとか言ってるのはどうも。。。何とかとしか
   証拠保全の為に削除しないのになwww

   860 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:02:04 ID:SUUt7y6n0
    >>855
    訴えるんじゃなくて
    発信者の特定をしたい風に見えるんだけどな

    879 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/10/28(水) 04:06:52 ID:3Ht67Aiq0
     >>860
     こうあるね

     当該情報の送信を防止する措置(該当箇所の削除、ならびに、このような悪意ある捏造記事を
     掲載した人物の特定)を講じるよう求めます。
     なお、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」に
     基づく措置に応じない場合には、別の法的措置も検討いたします。

     888 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:08:55 ID:0OtNI2TV0
      >>879
      あーこういう893まがいの脅しで色々やってきたんだなあって感想持つね
      死体水とかも新聞社こうやっておどしたのかな~とか

  921 名前:名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 04:14:35 ID:TkPdMkbt0
   >>888
   脅しって。
   これは弁護士だったら当たり前のことが書いてあるだけ。
   次の法的措置とは普通に名誉毀損における損害賠償の民事訴訟として
   裁判所に書き込みログの開示請求を2ちゃんねるに出させて、
   それをプロバイダに照会し特定、民事でそのまま裁判、
   もしくは刑事としても告訴でニュースコース。

   基本、こういうのはこれは嘘ですよと広める効果を狙ってのものだけど、
   アホがまだこのスレでもコピペしているので法的措置を進めるんじゃないの。




「質疑応答」記事をコピペして広め、煽った連中の多くは捏造だと承知の上でやったようだ。悪ふざけにもほどがある。
デマと知りながら「岡田なら言いそうだ」とか「こんなデマが出てくるのは岡田が天皇陛下に無礼だから」とか、「いじめられる方が悪い」式の理屈で中傷し、煽り、叩きまくる。白も「怪しい」と100回繰り返せば黒くなる、とでも思っているのか。なんと卑劣なやりかただろう。
岡田氏の発言(彼が本当に言ったこと、具体的には「天皇の国会開会式でのお言葉」問題)を批判したければそのまままっすぐ批判すればいい。デマでもなんでも悪い評判を広めてやれ、いいザマだ、などという卑劣なやり方は真面目に批判している人たちの足を引っ張るだけである。無能な働き者、迷惑なフーリガンでしかない。
ついでに言っておくと、私自身は岡田氏の「天皇のお言葉」発言をことさら批判する気はない。政治的にはまったく馬鹿げているけれど、心情的には「そう言いたくなる気持はわかる」と思っている。不敬だの何だの大騒ぎするほうがよほど天皇陛下に失礼だ。岡田氏の発言は単に無視するか「閣僚が皇室について思いつきで発言したら困る」と釘をさしておけば事足りる。実際、民主党も連立与党も自民党も騒いでいない。大騒ぎしているのはいわゆるネット右翼だけだ。

捏造コピペを目にした中には本気で「もしかしたら本当かも」と思った人もいただろう。彼らは単にうかつなのか、岡田氏(民主党政権)憎しの偏見にとらわれているのか、あるいは単に情報不足なのか。どれであっても嘘にだまされた被害者なのだから、「『不敬』発言を捏造し」「捏造と知った上で広め、囃した」卑怯な連中に怒っていい。いや、本気で怒るべきだ。
悪意の中傷、捏造されたデマはまともな批判を毒する。水道に投げ込まれた汚物と同じだ。
面白がってデマを広める馬鹿どもは恥を知れ。

「在留特別許可」雑感

2009年10月11日 | 日々思うことなど
2ちゃんねるニュース速報+の「在留特別許可」スレッドを見て思ったことをいくつか書いてみる。
「在留特別許可違法論」については前にも書いたのでくりかえさない。「違法論」が成り立たない説明をseijigakutoさんがわかりやすく書いてくださっているのでぜひお読みください。

色々と誤解やミスリードがあるので、簡単に書いておきます。:seijigakuto - はてなハイク



さて、問題の2ちゃんねる「世論」はこちら。

(cache) 【社会】最高裁で国外退去が確定した奈良の中国人姉妹に千葉景子法相は在留特別許可出す

私の感想は例によってまとまりがないので箇条書きにする。

■ 「人治国家」ってどういう意味?
在留特別許可を強く批判する人たちが好む表現が「三権分立の崩壊、法治国家の終わり」とか「人治国家の始まりです」といったコケ脅しだ。前者は知識不足による思い込みだが、「人治国家」を持ち出すやり方はいかにも付け焼刃のようで滑稽だ。
念のため言っておくと、私は別に「人治国家でいいじゃないか」と開き直るつもりはない。だが、わかりやすい悪のレッテルとして大げさな言葉を使うのは幼稚だと思っている。子供が大金を表現するのに「一億万円だ、すごいぞ!」と叫ぶのはほほえましいけれど、いい大人が真似したらみっともない。

「人治国家」という言葉を持ち出して千葉法相を笑いものにしたり怯えてみせたりする人たちは、たぶん法務大臣の(法に定められた)裁量権について初めて知ってびっくりしたのか、あるいはゴリゴリの規則至上主義で裁量の余地を否定したいのだろう。落ち着いて考えれば、社会を動かすのは判断力と意思を持つ人間でしかありえないのは誰にでもわかるはずだ。まさか決定は全て規則とコンピュータに委ねろとか大臣はロボット化すべきだとか本気で主張する人はいないだろう …と願いたい。
さて、日本は幸いちゃんとした法治国家だが(そうですよね?)、世界には法治社会を作るのに失敗したズブズブの人治国家がたくさん存在する。洒落にならない「本物の」人治国家で権力者の法を超えた裁量権は何を意味するのか。それは「腐敗」であり「金」だ。裁量は権力者が私腹を肥やすために使われる、ということだ。
人治国家では法律は当てにできずコネとワイロが物をいう。「うちに入った泥棒を捕まえてくれ」と警官に頼むとワイロを要求されるのが人治国家である。ところが、わが日本国で人治国家の影に怯えているはずの人たちの誰一人として制度的な腐敗へのおそれや怒りを訴えない。「反日」とか「売国」とかイデオロギー的な批判を繰り返すばかり。単なる言葉遊びのようで全然リアリティがない。これでは「人治国家という言葉を使いたいだけだろう」としか思えないのである。

役所に手続きに行った男が帰ってくると「ひどい目にあった、役人はぜんぜん信用できない!」と怒りをぶちまける。
愚痴を聞かされた相手が「そんなにひどい、信用できない役人だったのですか。それならあなたはその場で書類と手数料の釣銭をごまかされてないか確認したんでしょうね」とたずねると、怒っていた男はキョトンとして「いや、そんなことは思いもしなかった」と答える。
日本ではよくありそうな話だ。「役人は信用できない」と怒っていたのは、実は慇懃無礼な対応と待ち時間の長さにイライラしただけだった。無意識では役人が規則を守る真面目さを疑っていないのだ。
これがたとえばジンバブエなら「ワイロをケチったせいだ」とか「コネがない役人を信用しないのは当たり前」と呼ばれるはずだ。法治国家と人治国家の違いとはそういうことである。


■ グレーゾーン
在留特別許可を否定する人たちの考える「善良な外国人」と「不法入国者」の姿はそれぞれ真っ白と真っ黒で、中間にグレーの領域が存在しない。悪い意味でデジタル的で、“いちぜろ”思考のようだ。実際に私たちが暮らしている社会では、さまざまな場面でグレーゾーンが存在する。
たとえば自動車のスピード違反。パトカーが制限速度を超えて走っている車を見つけたら決して見逃さずサイレンを鳴らし、赤キップ青キップを切りまくる… という対応は非現実的だ。実際のところ、流れに沿って走っていれば10キロくらいのオーバーは見過ごされるのが普通である。逆に、狭い通学路であれば「制限速度絶対厳守」でビシビシ取り締まることもある。状況に対応する人間の知恵、法律や社会で認められた裁量権の正しい使い方といえる。税務調査でいえば、それぞれ異なる状況でどこまでが「合法的な節税」なのか、「不注意による申告漏れ」なのか、「悪質な脱税」なのか。規則一本槍では手に負えず、経験と知恵のある人間が判断しないとうまくいかない。


■ 最高裁判決の「重さ」?
不法入国者は「真っ黒」で、しかも「最高裁で退去命令が認められた」のだから、とんでもなく悪質な輩に決まってる!今すぐ日本から出て行け!!
…と言いたくなる気持はわからなくもない。いや、素直で真面目な人ほどそう思うのが普通なのかもしれない。だが、私はそれほど素直でも真面目でもないから簡単に決めつける気になれない。
本当に「真っ黒」で悪質な不法入国者であれば、滞在を認めてくれと裁判所に訴えても勝てる可能性は低い。裁判官はバカではないし、悪質な不法入国者はズル賢い。勝ち目の薄い裁判に時間と金を費やすより、一度は国外退去を受け入れ、後でチャンスを見つけてもう一度不法入国を企てたほうが合理的だ。
逆に、「白に近いグレー」のそれほど悪質とはいえない不法入国者の場合はどうだろう。支援者も集まりやすく、裁判を起こせば勝てる見込みも出てくる。本人が「自分は悪くない、問題を起こさず暮らしている日本から追い出されるいわれはない」と信じていればなおさらだ。地裁で勝てればよし、負けても高裁や最高裁なら正当な望みが認めてもらえると希望をつなぐだろう。
結果として、真っ黒な不法入国者は「裁判を起こさず素直に国外退去を受け入れ」、薄いグレーの不法滞在者のほうが「最高裁までゴネるなんて悪質だ、許せない、出て行け!」と必要以上の批判を浴びることになる。黒さの度合いとバッシングの強さが逆になっている。何かがおかしい。

特別在留許可が認められた二人の中国人女子大生が実際のところどれくらい「黒い」のか、あるいは「白い」のか私は知らない。幼いとき親に連れられて日本にやってきたという経緯からするとほとんど白に近いグレーだと思える。だから私は千葉法相の判断に異を唱える気になれない。「裁判でゴネた」から悪質だとか、「最高裁の判決をないがしろにして在留許可を出すのは許せない」と決め付けて叩くほうが短慮に過ぎるだろう。不正を憎み悪を懲らしめたいと願うのは結構だが、不法入国がどれくらい「悪いこと」なのか、マスコミで話題にされた彼女たちが実際のところどれほど「黒い」のか、思い込みにとらわれず情報を集めしっかり考えた上で批判すべきだ。

法律を知らないリゴリスト

2009年10月10日 | 日々思うことなど
読者のみなさまお久しぶりです。
夏が終わったら体も心も変にだるくなってブログを書く気力も減退し、ネットでうんざりさせられる揉め事とか奇妙な理屈を積み重ねたバベルの塔を見ると「うへー」と胸が苦しくなって近づかないようにしていた。用もないのにわざわざ騒がしくて剣呑な場所にちょっかい出すのは物好きのやることだ。間抜けで凡庸な自分はせめて平和に暮らしたい。無事これ名馬、愛こそすべて。誰か私に愛をください。

…などと日和ったりたそがれたりしていたのだけれど、胸中の琴線とか逆鱗に触れるニュースがあるとつい何か言いたくなる。若いと自称するには気が引けるが、落ち着きのなさとエロ好きは20代のままだと自負している(←ダメな奴)。
今回ちょっとムカついたのはこのニュース。いや、正確に言うとニュース自体ではなく「ニュースに対する反応」に不快感を抱いた。

asahi.com(朝日新聞社):中国人の大学生姉妹に在留特別許可 国外退去命令覆す - 社会
中国残留孤児の家族として一家で来日した後、「孤児との血縁関係が認められない」として国外退去を命じられていた奈良市の大学生の姉妹に、法務省は9日、異例の在留特別許可を出した。両親は06年に帰国し、姉妹だけが日本で勉強を続けていた。

 姉妹は、帝塚山大1年の焦春柳(チアオ・チュンリウ)さん(21)と大阪経済法科大1年の焦春陽(チアオ・チュンヤン)さん(19)。母親(47)が日本人の子だとして、97年に中国・黒竜江省から来日。翌年には三女も誕生し、大阪で一家5人で暮らしていた。だが、02年、日本人との血縁関係はないとして、全員が在留資格を取り消され、国外退去を命じられていた。

 一家は裁判で争ったが、06年5月に最高裁で敗訴が確定。翌月、両親と当時7歳の三女は中国に帰ったが、日本の生活に慣れた姉妹は、入管に毎月出頭することなどを条件に、送還のための収容を一時的に解く「仮放免」の状態で滞在を続け、大学に進学した。出国すれば日本に再入国できなくなるため、両親に会うこともできなかった。

 春柳さんは「やっと安心して日本で暮らせるのでうれしい。冬休みに両親に会いに行きたい」と声を弾ませた。

 国外退去処分をめぐって最高裁で敗訴しながら、子どもにだけ在留特別許可が出たのは、埼玉県蕨市のフィリピン人一家のケースがある。(浅倉拓也)


例によって2ちゃんねるなどで千葉法相の判断が滅多やたらに叩かれている。

民主党天下にもはや法律など無意味か?最高裁で退去処分となった中国人に千葉法相が在留特別許可を出す:アルファルファモザイク
11 ノイズs(アラバマ州) :2009/10/10(土) 00:58:01.37 ID:XL13TKwi

このババアいかれてるわ
法相が法律無視とかwwwwwww



20 ノイズn(奈良県) :2009/10/10(土) 00:59:31.27 ID:rMZyLfuh

これなら法律があってもなくても同じじゃん。
守らなくても良いって事だな



22 ノイズ2(東京都) :2009/10/10(土) 00:59:33.73 ID:NQvZT0US

だってかわいそうじゃん
で通る国



24 中国住み(四川加油!) :2009/10/10(土) 00:59:58.72 ID:L5R4czq4 ?PLT

帰れよw


もう本当に、なんと言うか、まったくもってどうしたものやら。
「法律違反」とか騒いでる人たちは少し落ち着いてほしい。頼むから。
私はこれまで何度も書いたように法律にはズブの素人だが、法務大臣が自らの裁量で外国人に在留特別許可を出すことに何の法律的問題もないことは確信できる。政治的な立場あるいは社会的見地から在留特別許可を批判するのは勝手だけれど、「特別許可を出した=法律違反だ!」という決め付けはひどすぎる。
まず大前提として、入国管理は本質的に「行政サイドの問題」であり、外国人への退去処分を裁判所は「追認した」のだ、と考えたほうがよさそうである。「行政サイドの問題」というのは、たとえば土地の収用などがそうだ。

ある地方に大型ダム建設の計画が持ち上がる。
予定地の住民は反対し、土地の買収は遅々として進まない。ついに政府は強制執行を決意する。住民は「土地収容取り消し」を求めて訴訟を起こすが、ついに最高裁で敗訴する。「主文 原告の請求は却下する」つまり行政は強制執行して住民を追い出していいよ、という判決だ。ああ、万事休す。
…ところが、ちょうどそのとき行われた総選挙で与党が大敗し、新政権はダム建設の中止を打ち出す。

この場合ダム建設推進派が「裁判所が『命じた』のだから何がなんでも土地を収用しろ!」と主張したらどうだろう。何の意味もない、住民への嫌がらせでしかない裁判原理主義と批判される。人間(住民)と社会(行政)のために裁判所が存在するのであって、その逆ではないのだ。

入管法について論じる充分な知識を持たない私だが、法律違反であるかのように批判されている「在留特別許可」がまさに入管法それ自体によって魔法の杖のような力を与えられていることはわかる。ゲームで言えば在留特別許可は最初からデザインに組み込まれているコマンドであって、チート(不正行為)ではない。法相の在留特別許可それ自体が法律違反だ、みたいな批判のほうが言いがかりなのだ。

出入国管理及び難民認定法

第 五十条 法務大臣は、前条第三項の裁決に当たつて、異議の申出が理由がないと認める場合でも、当該容疑者が次の各号のいずれかに該当するときは、その者の在留を特別に許可することができる。
 一  永住許可を受けているとき。
 二  かつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき。
 三  人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき。
 四  その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき。


見ての通り第四項で法務大臣に(在留許可に関して)ほぼ完全なフリーハンドが与えられている。
最高裁判決を金科玉条として以前の退去命令を絶対化しようとしても、「法務大臣が『特別に許可すべき事情』を認めたら在留を許可できる」のが入管法の規定である。「入管法自体が間違っている、変えるべきだ」と考えたり法相を政治的に批判するのは自由だが、法律に定められた範囲で裁量した法務大臣の行為が違法であるかのように言いつのるのは間抜けだからやめたほうがいい。

入管法がなぜそのように法務大臣の広い裁量(滞在許可の最終決定権)を認めているのか知らないが、外交の都合とか人権問題で杓子定規な規定だけではうまくいかないのだろうと容易に想像できる。人間や社会は理屈で割り切れることばかりではない。
そういえば「ばなな居酒屋問題」でも店長の裁量が問題にされた。
あの場合は店長が「ワインの持込は認めない」(特別扱いしない)という原則を守り、世間(ネット世論)もおおむねそれを支持した。だが、仮に店長が(ばなな氏が望んだように)裁量を働かせて持込を認めたとしても、他人が「何がなんでも決まりを守れ」と批判するような話ではないはずだ。批判するとしたら、「自分も持ち込みしようとしたけど断られた」その店の客が不満を言うくらいだろう。
あるいは「居酒屋に酒を持ち込むのは『規則違反』で『不道徳』だから当事者の合意で許されることではない」と信じ込んでいるリゴリスト(厳格主義者)とか。そんな変わった考えの人は多くないと思うけれど。

…いや、どうかな?

厄病亀

2009年09月28日 | 日々思うことなど
私は経済のことはギリシャ語と同じくらい得意である。
要するにチンプンカンプンということですが。
そんな自分にも最近の亀井金融・郵政担当相の債務返済猶予(モラトリアム)論はたいへん危なっかしく見える。
大丈夫か本当に。誰かなんとかして。

金融音痴を露呈した民主党 「返済猶予」が引き起こす深刻な副作用 JBpress(日本ビジネスプレス)
asahi.com(朝日新聞社):「私の発言で株価下がるような銀行は…」勢いづく亀井節 - 政治

それはともかく(ともかく?)、株価も順調に(!)下がったことだし、亀井大臣が「厄病亀」呼ばわりされる日は近いと思われる。
というか、まだ誰も使ってないのが不思議だ。