牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

夏場対策

2011-08-22 22:24:34 | 肥育

曇天や雨天日が続いていることから、一時期の猛暑時は肥育牛らもかなりのストレスを受けて、昼間に熟睡する時間が少なかったが、このところの昼間30℃、夜間や朝方には22℃前後の気温となり、昼間はゆったりとした様子で熟睡(写真)している。
今週末になれば、再び猛暑が戻ると予想されているが、8月が過ぎれば、次第次第に秋の気配が訪れる。
肥育牛らは、秋の気配を感じ始めた頃になれば、夏場のストレスの影響を受け、潜在的なVA欠乏から、肝機能の低下や低カル症状が出やすくなる。
このような症状を抑えるために、VB群やパントテン酸カルシウムなどを夏場に与えるなどの対策を取ることで、食欲低下など夏場対策を回避できる。
VA欠乏対策については、再々述べてきたように、生後月齢24~25ヶ月が過ぎる頃になれば、四肢の浮腫や視力低下、慢性の軟便など同症状が出ない程度に、微量のVA剤の補給が必要となる。
仕上げ末期には満肉となり、食い込み量が徐々に低下することで、肉の光沢や決めしまりが充実する。
ところがこの補給が過ぎれば、出荷月齢に至っても順調に増体し、皮下や筋間脂肪の蓄積割合が高くなり、ロース芯面積は小さめとなり形も悪く、BMS値も期待できなくなる。
その結果、歩留まり基準値もAにランクされない。
写真の1群は、当初9×4.5mのスペースに7頭飼いであったが、途中で2頭を間引いて仕上げ期に入りそろそろ24ヶ月になるが、体重は全頭揃って750~780kgの範囲に至っている。
スペースが広いことで、競合は一切なく、ゆったりと育っている。
スペースを広くしている理由は、可能な限りストレスを与えないという家畜福祉を重視していることにある。
このことが、前に5等級のすき焼き肉を貼り付けたが、良質の割合が高くなった感がある。



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