近年の北海道は、和牛の飼養頭数の増加率では、他府県より群を抜いているようである。
これまで、以前酪農経営やサラブレットの生産牧場などであった箇所が、和牛の子牛生産牧場に切り替え新たな和牛産業へと展開しつつある。
冬季の気象条件は厳しいが、和牛の大規模生産に不可欠な広大な牧草地などに恵まれて、効率的な子牛生産が実現可能であり、既に南九州に肩を並べる和牛生産基地として振興を続けている。
過日、その北海道で新規に和牛飼養を始めたコメンターから次のような問いかけがあった。
「お伺いしたいことがあるのですが、繁殖生産をして6年目になります、昨年3月に生まれた牛を、肥育しています。初めてなので、ただ育てているのみで、出荷までに受けなければならない検査、注射などありましたら、教えていただきたいです。私は北海道です」
和牛の繁殖経営に取り組み、将来的には子牛生産と肥育の一環経営を目指しておられようことが伺え、将来を睨んで意欲的に取り組んでおられるようである。
しかし、その様な中で、折角生産した子牛を1頭2頭と肥育されており、その取り組みについては、些か早計な様に思える。
何故ならば、まず「初めてなので、ただ育てているのみ」では、肥育とは言い難いからである。
和牛を肥育すると言うことは、ただ育てている程度の安易なものでないと言うことである。
経験豊かな肥育関係者であっても、先ず牛とは何ぞや、発育や肥育に関わる栄養管理や日常の飼養管理など、牛本来の基本的な知識や飼養技術を習得し、その上で経験や有益な情報を入手し、日夜努力して良質な牛づくりを目指しているが、それでも満足な成果だけを得ているのではないのである。
すべからく、最初からが肝心なのである。
現実の問題として、今時の相場低迷時に、ただ育てて大きくなった牛を出荷されても、あっと驚かれるような結末が待っていようと思われる。
当分は、立地に適した子牛生産に専念されることを進言する次第である。
問い合わせについては、肥育期間中にある種の検査を要することはなく、注射についても不必要なものは出来るだけ打たないことに限る。
ただ、マルキン事業に加入したり、家畜共済制度に加入することで、対象となる牛の所在確認は必要であろう。
また、ご存じであろうが、子牛を出荷するまでに、ウイルス系疾患を予防するための5種混合ワクチンや、ヘモフイルス予防ワクチンの接種は一般的とされ、ヘモフィルスワクチンは、導入後も再度接種することで、その接種効果が高まるとされている。
f^_^;
繁殖の仕事しか携わった事がなく、
肥育の難しさは想像するしか出来ないのですが、
目に見えない肉を仕上げる肥育の仕事は繁殖以上に難しいと認識しています。
知り合いに、
将来的には肥育も手掛け一貫経営を目指している人や、
老廃牛を再肥育する事により利益を確保しようとする人もいます。
県外に購買される素牛が9割を超える八重山では肥育に目を向ける必要性も感じているのですが、
繁殖の仕事も奥深く、
日々勉強あるのみです。
(^^ゞ
供給を減らすことを考えなければならないのに、現在のように、F1も和牛もともに補助金で支えていこうとするのは自己矛盾です。国家にとって大事なのは和牛の方だから、F1には退場願うというのが論理的な考え方ではないでしょうか。
いっそ、乳牛への和牛交配禁止令でも出してもらえればスッキリするのですが…