牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

和牛の雌雄の特徴

2008-10-07 23:30:47 | 審査
写真の4頭の牛たちは、雌雄各2頭ずつである。
和牛関係者なら、どの牛が去勢牛で、どの牛が雌牛かは、一目瞭然であろう。
四肢を有する哺乳動物の雌雄を確認する決定的な特徴は、体表面に露出している生殖器の違いである。
雌雄の生殖器の位置は、動物により異なり、和牛の場合、雄は後肢の股間に睾丸が下がり、ペニスは股間上部から腹部を経て包皮から排尿とともに排出する。
一方雌は、尾根部後方直下に牝性生殖器がある。
また、股間にある乳徴器は、雄の乳房はスペースはあってもその容量は確認できないが、雌の場合は、妊娠とともに肥大し、分娩後は日量約10kgもの乳の生産量を有するほどの容量をなす大きさとなる。
雄の乳頭は、成畜でも直径と長さが1cm程度あるが、雌の場合は、直径1.5cm、長さ約5~7cm位であり、授乳時にはそれらから若干大きくなる。
このように、雌雄の特徴は生殖器と乳徴器によって確定される。
この他、雌雄を外観的に見ることによって、雌雄の判別をしている。
先ず頭部では、雄は角が大きく、角の伸びる方向が真横や真上に伸び、雌牛の場合は、角が全般的に、細く短いが、雄のは太く長く、一見粗野である。
次に顔つきであるが、雄の額は、やや膨らみがあり顔幅が広く、瞼が重く(腫れぼったい)、口も大きく、所謂牡相を呈している。
雌の額は、平坦で、こめかみは締まって見え、口はやや細めである。
頸から後躯にわたり、雄はどちらかというと体幅があり、ボリューム感がある。
成畜になれば、頸の上部が肉盛りするが、俗称頚峰が目立つようになる。
雌は頸の幅が薄くきゃしゃな感じがするが、身体全体も同様の感がする。
足腰についても、雄は頑丈で、雌は繊細でスリムな感じである。
とくに、去勢牛は、雄牛の睾丸を切除し、中性化するために、雄牛の特徴より、体型と性格まで雌牛らしくなる。
これらの特徴を念頭に、雌雄を判断する。
そこで、写真の牛たちは生後15ヵ月令であるが、手前の左から2頭が雌牛で、他の2頭は去勢牛である。
このブロックの牛たちは、生後離乳時から同房で管理されている。


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