日本農業新聞掲載の「子牛市場10ランキング」によると、これまで南高北低の黒毛和種子牛の生産頭数の割合が、次第に南北平均化され、今後の見通しとしては北高で推移しそうな状況が見られるようになった。
これまで主産地であった鹿児島県では南西諸島の徳之島以外は、軒並み頭数減が見られる。また宮崎県では、口蹄疫の発生による影響から頭数減を余儀なくされている。
これらの2つの件では、平成6年度以来いずれも10数%減であり、我が国の主産地だけに係る産業への影響が危惧される。
その一方で東北北海道の生産頭数の増加状況には、従来より予測されていたとはいえ、目を見張るものがある。
とくに、北海道では平成6年度以来約45%の増加率が見られ、近い将来和牛の主産地として君臨するのは確実であることを示唆している。
南九州の場合は、その生産者のかなりの割合が高齢者で占められ、その影響が生産減に見られ、主産地としての今後の対応が注目されるところである。
北海道では、酪農家や軽種馬生産者による和牛繁殖への生産替えなど、生産意欲の効果が生産頭数の増加により如実に現れている。
同様に4年間で約8%増が見られる鹿児島県徳之島でも、サトウキビや馬鈴薯の生産が主産業であったが、若い経営者らが立地にあった和牛生産に着目し、互いに競うように繁殖牛の増頭をはかり、目下年次的に生産頭数を増加させている。
個々の生産者であれ、地域集団や道県単位であれ、生産目標とその実現のための意欲が存在することで、増頭は可能であることが伺える情報であった。
セリの延期があったにもかかわらず、例年と同じ統計処理をして発表したことに、大きな疑問を感じます。各年度を比較するデータにはなりえません。
何のための統計か考えていない、魂のこもっていない「子牛市場10ランキング」です。