⑥矯角する。
矯角をすることは、現時では大多数に於いて不要になってきている。
以前は、登録検査や共進会を意識して、殆どの雌牛には、矯角が行われていた。
現在でも、それらの影響を意識して実施しているケースを見かけることがある。
そもそも矯角とは、子牛から成畜への成長段階に伸びる牛の左右の角を、大きさ形、角度伸びる方向などを一対として同じ形状にバランス良く整えることである。
だから、矯角された牛の角は、見るからに格好良く見えるのである。
筆者は、矯角を習ったことはあるが、自らの実体験がないので、その昔習った恩師の玉稿によるが、矯角は、牛の角が7~9cm伸びた頃で、まだ角質が軟弱で固定していない状態から始める。
通常最初の矯角には、幅6~7cmの伸縮性のない布片を用いて、左右の角が寄るよう角がすっぽり隠れ気味に強く巻き付ける。
布片の締め加減は、牛が時々頭を振る程度が良く、振らないのは効果が少なく、度々振るのは強すぎる。
角が寄ると角根部の角表面の縦筋が曲がるから、それを見ながら酷く曲り過ぎないうちに止める。
第1回目の角寄せは、1日位でよいが、その後は、角の伸び具合や寄り具合を見ながら1~1.5ヵ月毎に行い、2回目以降は、2日間くらいかけて矯角を行い、生後14~15ヵ月令までに終えるとある。
この他、左右のバランスの悪くなった角の矯正や、後ろ向きの角の起こし方や前向きの角の起こし方などがある。
矯角は、予め角の形状をどのように矯正するかを設定しておくことが大事である。
以前は、畜主によって角の形に特徴があったものである。
写真は第5回全国和牛能力共進会特別賞「顔品」に選定された牛である。('87)
( ̄ー ̄)/
矯角…、
言葉は知ってましたが、
実際にそれをやった事はないですね。
個人的にはやりたいとも思わないです。
保留した牛が成長して、
母牛と非常に良く似た体型や角の形状になる牛を見るとなんだか嬉しくなります。
また、
姉妹で保留した牛の角が、
形は違うものの黒く細く左右均等なところが似ていると、
除角れた状態で導入した母牛の角の元の形を想像出来たりもします。
既に本来の生態とは違う形で生きている家畜だからこそ、
それ以外の部分では自然な状態で飼養したいと思っています。
自然に勝る美や芸術はない…、
と断言したいのですが、
画家や芸術家の人に怒られるでしょうか?
( ̄∀ ̄)/
私はカタログにあったその製品の内容をみて以下の混合で作っています。
ヤマトのり20ml程度に苛性カリか苛性ソーダの粒を10g入れるだけですが、一度に混合すると発熱するので少しずつ溶かして(錬って)いきます。
搾乳用ゴム手で塗りこむと他の所につきにくいです。
酪農の分野では、戦後間もない頃から除角されていましたが、子牛の除角は乳牛の方が、先駆的で技術も確立されていたことになります。
子牛が、痛がらずにいつの間にか無角状態なのが良いです。