年末商戦に入ったというのに、枝肉単価が低迷している。
黒毛和種去勢牛A5クラスでも2,000円割れである。
牛肉消費が依然低迷しているためである。
畜産現場では、超円高が継続中であるにも拘わらず、それに見合う飼料費の値下げは見られない。
オーストラリア産粗飼料は、品薄のための取り合いだとかで、逆に値上げである。
この状況ではなかなか低コストどころではなく、肥育生産者には厳しい状況が続いている。
先日開催された近畿東海北陸連合枝肉共進会の審査委員長の好評で、去勢牛の部では、「上物率が89%を越し、肉量肉質ともに最近にない好成績であった」と言うものであった。
共進会ならではの好成績であり、競り価格も1万円を越すなど大盛況ぶりであった。
しかし、通常の食肉市場での枝肉成績は、同共進会のような成績とはかなりの差があると聞いている。
成績が上がらず、枝肉単価が今一では、肥育経営者は厳しい状況下での越年となる様相である。
成績が上がらない原因の一つは、前述したかもしれないが、全国で生産される子牛の大部分に、その3代祖に兵庫産の血統が交配されているために、従来通りの肥育を継続しては、食い込み量や肥育期間などは若干の差が見られ、その影響から、仕上げ結果が従前通りの成果が得られなくなっている。
これらと同等の血統を持つ素牛であっても、肥育した結果、最優秀賞になるケースもある。
それは、その血統を吟味しその血統にあった肥育技術を会得し、実践している成果であろうと推測している。
そのような優れた技術を肥育業界全体が共有することが、今後の課題であろう。
一方、子牛市場では、今回の小林市場における去勢子牛の平均価格は50万円を越す高値であった。
全国からの購買者がボタンを押した結果であろうと推測している。
子牛生産市場でも、差別化が歴然としつつある。
質量兼備の優れた子牛生産を共有することでブランド化が実現することになる。
現状では、肥育成果が期待される素牛を購買者は所望しているようである。
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