昨日の写真と同時に、今から20年前当時の職場で撮った写真である。
牛は、暑さに弱く寒さには強いと専ら聞いてきたことである。
寒さは、さらに20年以上遡った頃の方が厳しいものであったが、この写真を撮るまでは、牛が雪の上で横になるなど考えたこともなかった。
その年は、豪雪であったが、この畜舎は屋外飼育をしていた訳ではなく、屋内に自由に出入りできるタイプの牛舎である。
横になるのであれば、何も雪の上でなくても、屋内の大鋸屑の上の方が良いはずである。
なのに、この繁殖雌牛たちは、屋外の雪の上を好んで休息を取ったのである。
何故だろうかと、色々考えたものである。
一つには、好天で、日だまりの方が心地よかったと言うことであり、もう一つは、大鋸屑である。
乾いている大鋸屑は、問題はないが、降雪時は、気温が低く、湿気ておれば、その低温が大鋸屑を冷えさせているために、雪とそれほど冷たさが変わらなかったのではないかであった。
畜舎廻りの雪をローダーで除雪して置いておくと、次第に溶けるが、雪の表面は大鋸屑で覆われ、そうなると大鋸屑の下にある雪は、1月も2月も一向に溶けずに残る。
大鋸屑は、畜舎に入れる時に廻りにこぼれていたものである。
また、以前は夏の氷を溶かさないために大鋸屑の中に入れて置いたものである。
このように、大鋸屑は、低温を保持する特徴があるらしい。
それを考えれば、厳寒期に牛房内に大鋸屑を入れるのは、考えものなのかも知れない。
この雪上で休息する姿は、それ以来見かけたことはなく、珍しい光景であった。
豪雪地帯では、見かけることがあるのだろうか、それとも、牛を外に出す習慣があるかないかであるが・・・・。