さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

『文化は人間の精神的食糧である』

2008-09-29 | 音楽
 毎週、たいてい土曜日に「うたごえ新聞」が届きます。

 10月6日付NO.2128では、現在75歳の哲学者・山科三郎さんが、生き生きとお話されています。

 山科さんの肺は、今は75%くらいしか機能していないそうです。

 それでも溌溂として「うたごえ祭典」の合唱に打ち込んでおられます。

 とても元気をもらえるお話ですので、記事からピックアップしてご紹介します。
 (ピックアップどころか、大部分?)


 先ずは、「音楽とビールはナマがいい」そうです。

 どうぞナマの合唱を聴きにお出かけください。


       

          http://utagoe60.main.jp/



 「ソロも素晴らしいが、合唱は連帯。歌を歌うという行為は生きる喜びを表わしているのです。生きている証が心臓の鼓動であるように、人間のからだは、元来“いのち”の営みのリズムを持っており、“生きる”喜びや苦しみをリズムと旋律で表現する。それが声であれば歌であり、所作であれば踊りです。飢えや貧困との闘い、労働の厳しさを、本来は表現したい、それが人間。歌うことは、精神的・身体的な目的意識と想像力を活かした、最も人間的な活動の一つです。うたごえ運動は、歌で時代のメッセージを表現し、労働者自身が作った歌を歌い、無数の人々に発信し人間同士をつなぐ連帯の輪を大きくする力を持っている。そこに存在理由があると思う。」

 「私たちが進みつづける理由」
 ♪ 両親が残業しなければならないせいで、学校から空っぽのアパートに帰宅するすべての子どもたちのために・・・。♪

 「この部分は本当に胸に迫る。新自由主義のすべてが金という現実のなかで、人間は精密機械であるという観かたが知らず知らずのうちに浸透している。大企業は、暴利を貪るために効率至上主義の視点から、コンピュータ主導型の労働過程を基軸にして人々の生活スタイルをも無機質な金とモノ本位に変容させた。彼らは科学・技術の成果を利潤追求と支配の手段にしている。」

 「軍事費は戦争の準備費です。それを増やし、教育や福祉の切り捨て、労働者の非正規化を推進しています。その結果は当然、財界が国家権力を買収し、ますます肥っていく。貧富の二極化が加速する。この資本主義の末期的状況を大転換していかなければならない。私たちが人間らしく“生きる”ために・・・。」
 「それには、人間が人間らしく生きる社会、すべての人間の自由と平等が保障されなければいけない。基本的人権の保障、これは憲法97条の『過去幾多の試練に耐え、』とあるように人類が到達したものをさらに進めていくために、どういうかたちで連帯するか。内面的に互いに手を握って、前に進んでいこうとする時、うたごえの力は大きいのです。」

 「そして、その力を発揮するために、世代を超えた団結が必要です。」

 「マルクスは『人間の交通様式』という言葉で人間の生活活動を表現しました。それは、最初は“いのち”の生産である性的行為、次は生きるための手段、例えば道具・家などをつくる生産活動、それを基礎にして次は新しい欲求の生産。文化です。」

 「『文化は人間の精神的食糧である』というマルクスの含蓄のある言葉はうたごえ運動にも、深く示唆するところがあるのではないでしょうか。」

 「だが、文化がすべて我々にとって“生きる”糧となるわけではない。その意味では、人間の“いのち”の営みを大切にする文化であるかどうかを吟味する活眼が必要不可欠です。」
 「そういう感性を磨き閉塞的な現実─貧困・差別・戦争の根源─を変え、平和を自らの手で創る運動です。」

 「今、まさに、日本の国も転換期に来ている時、われわれは希望の歌を歌う。それが『私たちが進みつづける理由』であり、祭典で歌う歌の数々です。僕は池辺(晋一郎)先生のレッスンを受けて、ますますこの歌を歌いたいと心底から感じました。」



 こんなにたくさん引用(!)してしまって、「うたごえ新聞」さん、ごめんなさい。

 この号に限らず、「うたごえ新聞」にはいつも励まされます。

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           うたごえ新聞社

              http://www.utagoe.gr.jp/journal/
             
          
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