さくらおばさんの ひとりごと

日々の想いを綴ります。

「陸上自衛隊広報センターの活動についての申し入れ」

2008-07-30 | 平和
    暑中お見舞い
          申しあげます

             

 ご近所の方が育てているカサブランカです。

 でも花盗人さんもいらっしゃるようです。

 私は盗りませんけど、撮ります。



 過日、有原誠治さんから、メールをいただきました。

 子どもたちに人殺しの道具で遊ばせるとは、なんということでしょう!

 以下に、有原さんからのメールと、防衛大臣への「申し入れ書」をご紹介します。(有原さんの承諾済み)



 自衛隊による巧妙な広報宣伝活動が活発です。
 自衛隊の電車の中吊り広告には「平和を、仕事に」とあり、いまや自衛隊が平和をつくるのだそうで、"平和運動"や"平和活動"、"平和"という言葉まで変質変容されてしまいそうです。
 
子どもをまきこむ戦争準備にストップを!
 「平和を仕事に」といいつつ、その一方で子どもたちに殺人殺傷兵器に触れさせて遊ばせる空間が、朝霞駐屯地に隣接した陸上自衛隊広報センターです。そこでは、"ターゲットは女性と子どもたち"を公言し、ゲーム文化やテレビの子ども番組などを巧妙に利用し、子どもたちを自衛隊に、戦時体制に取り込むための活動を系統的に行っています。しかも国の予算で、"明るく楽しいゲーム感覚の戦争""気分は戦争"といったイメージ作りです。"感動をつくりだす自衛隊"といったコンセプトも巧妙です。いまや、鳩バスや修学旅行生も訪問し見学する場所となっています。なにしろ入場無料です。
 子どもの文化に携わるものとして黙過できないと思った私は、参加する「練馬文化の会」と「子どもの権利、教育、文化全国センター」の仲間といっしょに語り合い、以下のような申し入れを、防衛省に対して提出しました。
 応対した大臣官房広報課の事務官は、「装備もふくめて自衛隊を知って親しんでもらうための活動で、今後も継続させていただきたい」と述べていましたが、子どもたちに兵器や戦争の恐ろしさを伝えず、遊び感覚で触れさせることはあまりにも無神経、無責任な行動だと指摘せざるを得ませんでした。
 かっての戦争も、教育や子どもの文化が戦時体制作りに動員され、戦意高揚をあおって筆舌に尽くしがたい悲惨な結果をもたらしました。
その威力を、知っているからこそ彼らは系統的な広報活動に打ってでているのです。私たちも、次世代のために過去の過ちにに学んだ知識を活かすときです。この問題を、ひとりでも多くの方々知っていただき、声を上げていただけたら幸いです。


防 衛 大 臣
石破 茂   殿
陸上自衛隊広報センターの活動についての申し入れ
                2008年  7月16日 
            練 馬 文 化 の 会 
                      子どもの権利・教育・文化 全国センター         
                
 練馬区大泉学園町の陸上自衛隊朝霞駐屯地内に、2002年(H14)の春に陸上自衛隊広報センター(以下、広報センター)が設立されました。自衛隊がそこでどのような広報活動を行うのか、私たちは強い関心を抱いてきました。
 陸上自衛隊広報センターでガイドを勤める隊員によれば、広報センターは毎年10万人以上の来館者があるとのことです。「ねらいとしている対象者は?」との私たちの問に、「女性と子どもたち」とガイドは率直に述べました。事実、休祭日の展示には家族連れもふくめて、多数の子どもたちの姿が認められます。
その子どもたちが見学する展示フロアには、空挺隊員、戦闘隊員、化学防護隊員の各種装備といっしょに、武器、殺傷兵器である機銃とその弾丸、90式戦車と120mmTKG対戦車りゅう弾砲、対戦車誘導弾とロケット砲を装備した対戦車ヘリコプターAH-1Sコブラ初号機などが、その威力を誇示するように展示されています。さらには、子どもたちの遊具として、射撃シミュレータ、戦闘ヘリシミュレータが置かれ、子どもたちが触れて遊ぶ中で「敵を発見!」「ミサイルを発射」「命中!」などの音声が飛び交い、戦闘攻撃や破壊を体感、実感できるものとなっています。
隣接する朝霞駐屯地側の屋外展示場では、軽装甲機動車、74式自走105mm榴弾砲、96式装輪装甲車、89式装甲戦闘車などが展示されています。イベントの日によっては、練馬区北町の自衛隊駐屯地から戦闘用装甲車といっしょに武装した隊員たちが派遣され、子どもたちに「本物だよ」と声をかけながら機関銃などに触れさせ、使用方法を教えていました。さらには、バズーカ砲まで子どもに担がせて、「いじめっ子をやっつけろ!」と、隊員たちがからかう一幕までがありました。
広報センターでは、武器や兵器や戦争が人々に与える被害や犠牲についてはまったく展示しておりません。子どもたちに暴力や戦争の恐ろしさを教えず、無批判に武器や戦闘行為のみを勇ましくあこがれを持たせる広報活動は、子どもたちの武器所有やその使用欲求をいたずらに刺激し誘引することであって、きわめて危険な活動と指摘せざるを得ません。こうしたことに無神経な自衛隊の姿勢が、最近あいついでいる自衛隊員の殺人殺傷事件と無縁ではないのではないでしょうか。
日本国憲法はその前文で、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」とし、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と述べています。教育基本法第一条では「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」と定めています。
このような法の下での広報活動は、たとえ自衛隊のものであってもいかなる暴力をも排し、武器を使用せず、たえず平和的手段で問題解決をはかることに重点をおいたものであるべきです。
一般市民社会では、未成熟な子どもたちに殺人殺傷兵器を見せびらかし、触れさせて、その所有・使用欲求を刺激誘発し、無批判に暴力や戦闘行為にあこがれを持たせるような活動はありえません。あってはならないことです。銃砲刀剣類所持等取締法は、「18歳に満たない者(一部の銃砲については14歳に満たない者)」に「銃砲・刀剣類の所持を許可してはならない。」と規定しています。陸上自衛隊の広報活動は国の予算を使って、これら社会一般の道徳的規範に著しく違反していると指摘せざるを得ません。
以上の考えから私たちは、陸上自衛隊広報センターの活動に対し、次のように改めるよう申し入れます。

 1)子どもたちや青少年を対象に、殺人殺傷兵器を展示し、触れさせて、戦闘行為や戦争にあこがれを持たせる活動をいますぐ中止すること。
 2)広報活動を継続するのであれば、自衛隊が日本国憲法を厳守する立場にあることを紹介すること。
 3)兵器や戦争のもたらす犠牲の実態、悲惨さについて展示すること。
 4)東京大空襲や広島・長崎における原爆被爆の被害、沖縄戦の悲劇、旧軍隊がアジア近隣諸国民に与えた甚大な被害など過去の戦争のもたらした悲惨な事実について、あるいは地雷や核兵器やクラスター爆弾や劣化ウラン弾などがもたらす被害などについても具体的に展示し、陸上自衛隊が同じような過ちを犯さないことを明確に伝えるべきこと。
 5)国連やさまざまな国際機関が、平和的な努力によって諸問題を解決する努力を続けていることをあわせて展示し、国際問題の解決に武器と戦争を用いないとの決意を明確に広報すべきこと。
 
 
     
  連 絡 先 
  子どもの権利・教育・文化 全国センター
〒102-0084 千代田区二番町12-1 全国教育文化会館5階
        ℡03-5211-0133 Fax03-5211-0134 
コメント (2)
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